【小倉4-2北筑(北九州市長杯2回戦)】
両校投手陣の踏ん張りもあって延長戦にもつれこんだ試合は、小倉が昨秋ベスト8の北筑を破った。
10回表、小倉は1番大石がセカンドへのゴロがイレギュラーして右前に達する間に一気に二進(記録は安打)、続く村越の三前バントが内野安打となり一、三塁。3番吉川が追い込まれながら左前打を放ち大石が生還。さらに河野申告敬遠で無死満塁とし二死後、黒肥地が押し出し四球を選んで1点を追加した。
序盤は小倉が押し気味に試合を進めた。4回二死後、4番河野が中堅右への本塁打を放って先制。5回は右前打で出た7番黒肥地を尾崎が送り、佐藤四球、大石右前打で一死満塁とし、村越の右犠飛で1点を追加した。
2点を追う北筑は6回、1番藤原がニゴロ失で出ると古澤が送り一死二塁。増岡のセカンド左へのゴロは一塁送球が高く(記録は失策)一、三塁。増岡二盗、山田四球で一死満塁とし、打者大倉の時に暴投で1点を返した。7回は7番八汐が中前打、岩崎もショート左への内野安打で無死一、二塁。森安が送り、藤原の中犠飛で同点に追い付いた。
その後も8回は一死一、二塁、9回も二死一、二塁と得点圏に走者を送ったが得点できず、力投を続けていた森安が10回につかまって接戦を落とした。
第50回北九州市長杯争奪高校野球大会2回戦 (2022年4月23日・土/北九州市民球場) |
一二三四五六七八九十 計 HE 小 倉 0001100002 4113 北 筑 0000011000 2060 小 倉 打安点 北 筑 打安点 ◆投手成績 (右投)大石 520 (遊)藤 原 411 小 倉 回 安球振責 (左)村 越 421 (二)古 澤 410 吉川 7.0 4251 (投右)吉川 531 (中)増 岡 410 大石 4 2210 (捕)河野戴 411 (捕)山 田 300 (中)岩 崎 510 (右)大 倉 510 北 筑 回 安球振責 (三)轟 木 400 (三)大 場 300 森安 10 11584 (一)黒肥地 411 打 藤 井 100 (二)尾 﨑 410 (左)八 汐 420 試合時間 (遊)佐 藤 200 (一)岩 崎 410 12:38~14:45 ーーーーーーーーーー (投)森 安 200 振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点 852010 37114 644111 3461 ※公式記録ではありません ※選手名はアナウンスだけで確認しているため、誤りがありましたらご指摘いただけると幸いです |
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序盤は小倉・吉川と北筑・森安、両エースによる投手戦が展開された。
吉川は一度上げた左足を下ろし、ためをつくってから投げるやや変則的なフォームから力強い直球に大きなカーブを交え、4回まで味方の失策による走者を一人出しただけ。6回は味方の守備が乱れからピンチを招くと自らの暴投で1点を献上、7回は当たり損ないのゴロが安打になる不運もあって1点を許したが、7回まで3安打2四球と好投した。
球数は100球弱というところだったが、8回からライトの大石がマウンドへ(8回の頭から交代の予定だったようだが、すでに吉川がマウンドに上がっていたためか交代が認められず、増岡に左前打を許したところで改めて登板)。救援直後は一死一、二塁とピンチが広げたが、バント空振りで飛び出した二塁走者を捕手河野が刺すプレーにも助けられ、無失点で切り抜けた。9回は二死一、二塁、10回も一死二塁と得点圏に走者を背負ったが、左上手からコーナーを突く投球で後続を断った。
森安も3回までは無安打投球。昨秋の時点で120キロ台後半(最速130キロ)だった直球は、力強さを増した印象。これに大きなカーブ、チェンジアップを絡めて好投した。4回以降は11安打を許したが内野安打やポテンヒットなども多く、打ち込まれた感じではなかった。象徴的だったのが10回。先頭の大石の打球は平凡なセカンドゴロと思われたがイレギュラーしてライト前に力なく転がる間に二進を許し、吉川の決勝打も当たりは決してよくなかったが、執念で三遊間に運ばれたような打球だった。
食らいつく打撃で森安を攻略した小倉打線だったが、その中にあって目を引いたのが4番・河野のセンタバックスクリーン右への豪快な一発。2年生ながら堂々たる体格をした左のスラッガー。どこか雰囲気のある選手で延長10回には無死一、二塁でありながら、北筑ベンチに申告敬遠を選択させたほど。まだ粗削りなところはあるが、今後のさらなる成長が期待される。
エース吉川は打者としてのセンスも感じさせる。6回の打席で直球をセンターにはじき返した当たりは強烈。10回無死一、三塁では徹底した変化球攻めにあったがファールで粘り、最後はチェンジアップをしぶとく三遊間に運ぶなど、しぶとさもある。
北筑は6回まで吉川の前に内野安打1本に抑え込まれた。6回は敵失に暴投、7回は幸運な内野安打もあって追いつき、8回からは2番手の大石に対して毎回得点圏に走者を送ったが、あと1本が出なかった。
守りでは無失策。ショートの藤原は軽快な守備で5つのゴロを堅実にさばいた。昨秋はリリーフのマウンドに立ったように、肩も強い。7回はセンターに抜けようかというゴロを追いつくと、一回転してファーストへストライク送球を見せた。センター増岡は8回二死一、二塁で右中間の打球を快足を飛ばしてダイビングキャッチ。二死で走者はスタートを切っていただけに、抜けていれば2点という危機を救った。
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