この春、印象に残った選手たち②~右投手編(2)




この春、印象に残った投手、右投手編の第2回目です。

折尾愛真・稲川

■稲川竜汰(折尾愛真/3年)
1年夏の初戦(若松戦)で先発し、いきなり完封。堂々たる体格の持ち主で、力みのないフォームから伸びのある直球にスライダ―、カーブなどを交えた投球を見せてきます。今春の北九州市長杯2回戦では、この大会を制した東筑紫学園を相手に5回を投げて10奪三振と圧巻の投球を見せました。奪った三振の大半が切れのあるスライダーで、これがウイニングショットと言えそうです。直球を低めに集める制球力もあり、与えた四死球は1つだけ。ただ、東筑紫学園戦では3盗塁を許しており、走者を出した時の投球が課題となってきそうです。同校には左腕の好投手・田端も控えており、ノーシードで迎える夏はダークホース的な存在となりそうです。

福岡・井﨑

■井﨑燦志郎(福岡/3年)
「がんばれ福岡2020」の福岡地区大会で優勝した昨夏は主に5番右翼で出場しましたが、マウンドも経験しています。リラックスしたフォームから投げ込む速球を軸に、タイミングを外すチェンジアップを効果的に使ってきます。今春の福岡地区大会1回戦(筑紫丘戦)では立ち上がり直球が高く抜け、2回までに3四球を与えるなど課題を残しましたが、3回以降は尻上がりに調子を上げ、7回を投げて被安打2、奪三振9。三振の大半は伸びのある直球で奪いました。剛腕タイプにありがちな力でねじふせるような雰囲気はまだありませんが、今後に注目したい投手の一人です。

■竹下和希(戸畑/3年)
今春福岡大会ベスト4進出の立役者です。やや体をひねって始動する右のスリークォーターで、直球、スライダーを低めに集めてきます。直球は120キロ台後半ながら力強く、内角を直球で厳しく突きながら、右打者の外に逃げる100キロ台のスライダーを交え緩急をつけた投球で打ち取っていきます。制球力にもすぐれ、春季大会準々決勝の九産大九産戦は無四球完投。走者を背負ってからも粘り強く投げてきます。ゴロを多く打たせるタイプだけに、内野守備陣の堅守も好投の条件の一つとなりそうです。

福岡第一・高橋

■高橋颯太(福岡第一/3年)
右上手から直球を内外角いっぱいに投げ分け、小さく曲がるスライダーやチェンジアップを低めに集めて打たせて取ります。福岡地区大会の準決勝(春日戦)では毎回のように走者を背負いましたが、丁寧に投げて5回を4安打1失点。降板した6回以降に春日打線が爆発しただけに、その好投ぶりが際立ちました。力で押すイメージはありませんが、内角球で詰まらせるシーンもたびたび目に付きました。直球・変化球の低めへの制球力、厳しい内角攻めに長けた投手という印象です。

東筑紫学園・吉本

■吉本 成(東筑紫学園/3年)
今春の北九州市長杯を制した東筑紫学園のエースです。右上手からの力のある直球に、直球と同じ軌道から鋭く縦に落ちるスライダーが武器。北九州市長杯2回戦(折尾愛真戦)では降板する4回途中までに、この球で4つの三振を奪いました。一方で6つの四死球を与えたように、制球力が課題と言えます。同校には右サイドハンドの坂本、2年生右腕の松井など力のある複数の投手が控えており、夏も上位進出を狙えそうです。

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