この春、印象に残った選手たち③~左投手編




この春、印象に残った選手たちの左投手編です。

真颯館・松本翔

■松本 翔(真颯館/3年)
春の福岡大会では準々決勝で福工大城東を8回2点に抑えて完投。準決勝では東福岡を2安打完封(7回)し、真颯館を九州大会に導きました。九州大会では初戦で柳ヶ浦(大分)に敗れましたが、7回を6安打2失点(自責点0)と好投しました。
スリークォーター気味のフォームから力強い直球を低めに集め、スライダーを交えながら打たせて取っていきます。福工大城東戦では死球が3、柳ヶ浦戦では2つと、死球の数が若干多かったようですが、四球はそれぞれ1つずつと安定しています。どちらかというと尻上がりに調子をあげてくる傾向があり、終盤にいくほどテンポもよくなり、球威も伸びてくる印象です。

九産大九州・古川

■古川雄大(九産大九州/3年)
細身の左腕ですが、力みのないスリークォーター気味のフォームから、切れのある直球をコーナーいっぱいに投げ込んできます。これにタイミングを外すチェンジアップや球速を殺したカーブを交え、緩急をつけた投球が持ち味です。福岡地区大会1回戦では、春の福岡大会ベスト8の九産大九産を8回5安打1失点に抑えて完投。準決勝の筑陽学園戦では敗れはしたものの2失点で完投。カーブを巧みに使うことで、直球で詰まらせたり高めの球で空振りを奪ったりするシーンも多くみられました。大崩れがなく失点の計算できるタイプで、安定感という面では県内屈指の左腕と言えます。

春日・飯田

■飯田泰成(春日/2年)
2年生ながらエースナンバーを背負います。恵まれた体を目一杯使った大きなフォームから、威力ある直球を投げ込んできます。左投手独特の大きなカーブや、直球の後のチェンジアップも効果的。福岡地区大会準決勝では福岡第一を相手に8回途中まで2失点と好投。序盤から中盤にかけては直球で打者を押し込むシーンも散見されましたが、球数が100球を超えたあたりから疲れが見え始め、8回途中で降板しました。粗削りながら球威は十分で、今後の伸びしろに期待が持てる投手です。

祐誠・佐保

■佐保友健(祐誠/3年)
大型左腕との呼ぶにふさわしい立派な体格の持ち主ですが
、力で押し込む剛腕タイプというよりも、小さなテイクバックからスライダー、チェンジアップなど変化球を低めに集めるピッチングをしてきます。特に真上から落ちてくる感じのスライダーは落差があり、左打者はかなり打ちづらそうです。筑後地区大会準決勝の西短大附戦では3回から救援登板しましたが、5イニングスで四球を5個(申告敬遠を入れると6個)与えるなど制球に苦しみました。ただ、低めに決まる角度ある直球も散見され、この球が増えてくると投球に幅が出てきそうです。

折尾愛真・田端

■田端 類(折尾愛真/2年)
小柄ながらダイナミックなフォームで縦に鋭く落ちてくるスライダー、チェンジアップを織り交ぜて投げ込んできます。北九州市長杯2回戦の東筑紫学園戦では先発の稲川を6回からリリーフ。この変化球を駆使して三振を奪い、その数は6イニングス(6~11回)で8個にのぼりました。5点を失い敗戦投手にはなりましたが、味方の失策や不運な当たりもあり、失点ほど打ち込まれたイメージはありませんでした。ただ、四死球が6回で4個とやや多く、球数を要したのは改善点となりそうです。

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福大大濠・毛利(1年秋)

■毛利海大(福岡大大濠/3年)
今春の投球を直接見ることはできませんでしたが、番外編としてセンバツで2勝した毛利投手にも触れておきます。
1年夏から公式戦を経験。1年秋に観戦した時はそれほど大きなインパクトはありませんでしたが、1年を経て随分と直球の伸びが出てきたようです。センバツでは直球の球速表示は130キロ台半ばで1年秋と球速自体はさほど変わっていないようですが、テレビの画面越しでもかなり伸びているように見え、球質は全く違っていました。変化球はスライダ―、チェンジアップ、カーブなどがありますが、中でも直球と同じ軌道からスッと沈むチェンジアップが秀逸。4安打10奪三振で1失点完投したセンバツ1回戦の大崎(長崎)戦では、このチェンジアップが冴えわたりました。制球にも問題なく、走者を出してからの粘りもあり、総合力ではやはり県屈指の投手と言えそうです。

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