【観戦記】春日8-3福岡第一(福岡地区大会準決勝)




【春日8-3福岡第一(福岡地区大会準決勝)】

6回裏春日一死一、三塁 利田が左越え三塁打を放ち逆転

 福岡第一の2番手投手以下を6回以降に打ち崩した春日が、福岡第一に打ち勝った。

 1点を追う春日は2回、5番花田が死球で出ると二盗、暴投も絡んで一気に三進。利田は三振に倒れたが、飯田の中前打で追いついた。再び勝ち越しを許した6回は、この回から登板した冨田を攻め、3番大林が左前打で出ると興膳が送り、花田の遊内野安打で一死一、三塁。6番利田が左越え三塁打を放って逆転すると、ここで登板した3番手・西元から飯田も右前打を放ちこの回3点を挙げた。
 7回は1番林が三ゴロ失で二塁まで進み、大和の左前打と二盗で無死二、三塁。大林二飛、興膳四球で一死満塁とし、花田の中前打で2人が生還した。続く利田も中前打で興膳も還り3点目を挙げると、なおも一死一、三塁から飯田のニゴロ併殺崩れの間に花田がホームを踏み、この回4点を奪って突き放した。

 先制したのは福岡第一。2回、4番永井が三塁線を破る二塁打で出塁。朱は遊ゴロに倒れたが、細川の中飛で永井がタッチアップして二死三塁とし、井元の四球で二死一、三塁。ここで井元が二盗、捕手が二塁送球しようとしてボールを後方に滑らせた隙を突いて永井が生還した。6回は二死から永井が中前に落とし、二盗を決めた後、朱がセンター右にタイムリーを放ち再びリードを奪った。8回は2番辻の左前打のあと、連続四球で無死満塁とし、ここで登板した春日2番手の前田から5番朱が中犠飛を放って1点を返した。さらに二死満塁と詰め寄ったが、代打渡辺が投ゴロに倒れて及ばなかった。

第8回福岡地区高校野球大会準決勝 (2021年5月8日・土/桧原運動公園野球場)
       一二三四五六七八九 計HE
 福岡一 010001010 3082

 春 日 01000340x 8111
 福岡第一  打安点  春  日  打安点 ◆投手成績
(三一)北井 510 (遊) 林  400 福岡一 回 安球振失
(中) 辻  520 (二)大 和 420 高橋  5 4121
(遊)大 塚 400 (中)大 林 520 冨田  0.1 3003
(捕)永 井 320 (右)興 膳 200 西元  1 4103 

(右) 朱  312 (左)花 田 322 沢田  0.2 0010
(左)細 川 320  投 前 田 000 福本  1 0210 
(一)井 元 200 (捕)利 田 433 春 日 回 安球振失
 打  徐  000 (投左)飯田 423 飯田  7.1 6542
 走三 石田 000  左 濱 田 000 前田  1.2 2100
(投)高 橋 200 (一)小 島 400 
 投 冨 田 000 (三)越 智 200 試合時間
 投 西 元 100  打三 堀内 100 9:58~12:26
 投 沢 田 000
 打 渡 辺 100
 投 福 本 000
(二)富 岡 200
 打 宮 島 100     
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
46149  3182    44237 3311
※公式記録ではありません
春日先発の飯田

—————-
 5回までは春日・飯田、福岡第一・高橋、両先発の見応えある投手戦が続いた。

 2年生左腕の飯田は、威力ある直球を武器に福岡第一打線を力で押し込んだ。タイミングを外す大きなカーブや、直球の後のチェンジアップも効果的で、7回まで被安打5、与四死球3の2失点。5安打のうち2本は詰まらせながらも外野の前に落とされたもので、福岡第一の打者は直球に差し込まれた右方向への凡飛が目立った。球数が100球を超えた7回あたりから疲れの色が見え、8回に安打と2つの四死球で満塁のピンチを招いて降板したが、堂々たる投球を見せた。

福岡第一の先発・高橋

 一方、福岡第一の右腕・高橋も直球を内外角に投げ分け、スライダーやチェンジアップを低めに集めて好投した。力で押すタイプではないが内角の直球で詰まらせるシーンもたびたび目に付いた。毎回のように走者を背負ったが、丁寧に投げて5回1失点で試合をつくった。5回で62球といいペースで投げていたが、他の投手に経験を積ませる意図もあってか、この回で降板した。

 高橋がマウンドを降りた6回以降、試合は大きく動き出した。福岡第一の2番手・右腕の冨田は、先頭の大林を0-2と追い込みながら勝負を焦ったか、3球目を三遊間に運ばれたのが痛かった。春日は犠打、内野安打でチャンスを広げると、利田は直球を叩き、前進守備のレフト頭上を破る逆転三塁打。代わった西元からも、飯田が前進守備のセカンド右を破ってリードを広げた。7回も一死満塁から花田がセカンド左を破る2点適時打。利田も2打席連続のタイムリーを中前に運ぶ。小柄な選手が多いが、少しでも甘く入ってくると思い切りよく振ってくる。

春日・前田

 春日も8回、飯田が無死満塁のピンチを招いた場面で、同じく左腕の前田が救援のマウンドへ。詰まった中犠飛で1点を失い、さらに二死満塁のピンチを背負ったが代打の渡辺を投ゴロに抑え、最小失点で切り抜けた。大きくテイクバックをとって、落差のあるスライダーを投げ込んでくる。

 打者では春日の花田、利田、飯田の5~7番が複数安打を放ち、全打点を叩き出した。飯田は投手ながら打撃のセンスもありそう。福岡第一では飯田の球威に押され気味の打者が多い中、5番朱、6番細川は直球をコンパクトに右方向へはじき返した。特に朱は2打点をあげて勝負強さを示したほか、三振に倒れた第二打席でも左翼へ大きなファールを放つなど、強打の片鱗も見せた。また春日は3盗塁、福岡第一は4盗塁を決めるなど、足を絡めた攻撃も随所に見せた。

6回表福岡第一、二死二塁、朱が右前に適時打を放つ
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