【筑陽学園２－０九産大九州（福岡地区大会準決勝）】
筑陽学園・村田、九産大九州・古川、両エースによる投手戦となったが、初回に挙げた２点を守り切った筑陽学園に軍配が上がった。
筑陽学園は初回、先頭の高倉が左前打で出塁。中島が送ったあと、３番の向井が左中間に本塁打を放って２点を先制した。３回は二死から３番向井が中前打。木竹も左前打で続き、小森が四球を選んで二死満塁としたが小野原が左飛に倒れて追加点は奪えなかった。４回以降は１安打、１四球に抑えられたが、初回に挙げた２点を村田～木口の継投で守り切った。
九産大九州は初回二死後、阿部が四球を選ぶと二盗を決めたが、小島が三ゴロ。３回は８番古川が中前打で出塁し、米田の遊ゴロで二進して一死二塁としたが、井手が右直、井上も中直に倒れて無得点。４回以降は二塁を踏めず、筑陽学園の村田～木口の継投の前に散発３安打に抑えられ、力投する古川を援護できなかった。
| 第８回福岡地区高校野球大会準決勝 （2021年5月8日・土／桧原運動公園野球場） |
| 一二三四五六七八九 計ＨＥ 九産九州 ０００００００００ ０３０ 筑陽学園 ２０００００００ｘ ２６０ 九産大九州 打安点 筑陽学園 打安点 ◆投手成績 （遊）井 手 ３００ （遊）高 倉 ４１０ 九 州 回 安球振責 （二）井 上 ４００ （右）中 島 ３００ 古川 ８ ６３６２ （中）阿 部 ３００ （二）向 井 ４２２ （捕）小 島 ４００ 二 矢 野 ０００ 筑 陽 回 安球振責 （右）石 田 ２１０ （一）木 竹 ３１０ 村田 7.2 ３３６０ （一）久 保 ３００ 一 野 田 ０００ 木口 1.1 ００２０ （三）矢 野 ３００ （三）小 森 ３００ （投）古 川 ３１０ （中）小野原 ３００ 試合時間 （左）米 田 ２１０ （左）大 内 ３１０ 13:13～14:55 打 岡 田 １００ （捕）山 口 ３１０ 左 松 田 ０００ （投）村 田 ２００ 投 木 口 ０００ 振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点 ８３０１４ 28３０ ６３１０６ 28６２ ※公式記録ではありません |
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九産大九州・古川の立ち上がりを攻めた筑陽学園の速攻が勝負を決めた。
初回、筑陽学園は先頭の高倉が初球をとらえて三遊間を破る。中島が送ったあと、３番向井が１－１からの３球目、スライダーを掬い上げるように振り抜くと打球は左中間の芝生席で弾んだ。ここまでわずか６球。立ち上がり、古川が調子を掴むまでの一瞬をとらえた見事な筑陽学園の先制攻撃だった。
その古川は３回二死満塁のピンチをしのぐと、４回からはほぼ完ぺきな投球を見せた。大きなカーブが決まるようになったことで、投球に幅が出てきた。切れのある直球もコーナーに決まり、直球で詰まらせるシーンも増えた。４～８回までの５イニングスを１安打１四球に抑え、守備でもサード矢野が三塁線を抜けようかという当たりに飛びついて抑えるなど無失策で古川を盛り立てた。
だが筑陽学園の村田が、その古川を上回る投球を見せた。スライダー、チェンジアップと変化球で緩急をうまくつけながら打たせて取るピッチングが冴えた。特に右打者の外角低めいっぱいに決まるスライダーがよかった。芯で捕らえられた当たりも少なからずあったが、野手の守備範囲内にとどめた。８回二死まで被安打３・与四死球３。先頭打者を出したのはわずか１回だけで大きなピンチもなく、三塁を踏ませない好投だった。
８回二死から村田が四球を出すと、２年生の木口がマウンドへ。村田の球威の衰えは特に感じなかったが、球数が１１０球を超えたことも交代の判断材料となったか。木口はサイドハンド投手のようにやや上体を沈めて始動する右のスリークォーター。球持ちがよく、特に右打者は見た目よりも直球は速く、スライダーは背中あたりから曲がってくる感じがするのではないか。打者３人に対し、右飛と三振２つで試合を締めた（８回は二盗失敗でチェンジ）。福翔戦で先発した吉野も含め、今年も投手陣の層は厚そうだ。
打線は、左腕の古川ということもあってか３番、４番を、福翔戦で先発した左の矢野、増田から、右の向井、木竹に替えてきた。背番号１４の３番向井は本塁打を含む２安打２打点。本塁打のあと、２打席目は高めの直球を叩いてショート右を破る中前打。小柄ながらパンチ力がある。４番に座った背番号１５の木竹は１年生か。第２打席では低めの直球に振り負けず、ショート左を破る左前打。第３打席はサード矢野の好守に阻まれたが、三塁線を襲う強打を放つなど、非凡なところを見せた。
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