波乱続出~南部大会を振り返る




 10日間にわたる南部・北部の地区大会が幕を閉じました。大会期間中は観戦した試合以外は結果に目を通すだけで精一杯でしたが、簡単に各パートごとに振り返ってみたいと思います。まずは波乱となった南部大会から。

【Aパート】シード校:九産大九州/勝ち上がり:福岡大大濠大濠・濱地2
  今春センバツ出場校の九産大九州が本命ではありましたが、なかなか厳しいパートだったと思います。初戦の糸島戦こそ、何とか終盤に突き放して勝ちましたが、福岡大大濠・濱地投手に完封を喫して早々と姿を消しました。濱地投手は続く4回戦・福岡工戦でも1安打完封。ここまで2試合で許したヒットは4本。九産大九州戦では本塁打も放つなど、春先からの急成長で主役の座を九産大九州・岩田から奪い取りました。福岡工は秋季大会では福岡大大濠を破りましたが、成長した濱地投手に抑え込まれました。

【Bパート】シード校:福工大城東/勝ち上がり:久留米商
  福工大城東を破った久留米商は秋季大会ベスト8。波乱と呼ぶには少し抵抗がありますが、それでも相手は春季大会優勝校。福工大城東の優位は動かないとみていましたが、久留米商にも槇山投手という救世主が登場しました。槇山は3番・右翼でこれまで打線の中軸として活躍してきましたが、3回戦の九産大九産戦に先発すると7回1失点と好投。4回戦の福工大城東戦では2失点完投勝利でした。久留米商は渡辺投手が先発し、内野手の北島、下手投げ・田中などがリリーフに立つという継投でしたが、春以降結果を残せない中で、槇山投手の起用がズバリ的中。こうした新戦力の活躍が夏の大会を勝ち抜くには必要なのかもしれません。

【Cパート】シード校:東福岡/勝ち上がり:東福岡東福岡・福島2
  唯一、シード校で勝ち残った東福岡。その安定感が光りました。春先から打順、ポジションをいろいろ試してきたようですが、主戦投手・福島、捕手・河野、4番・森岡という形でこの夏には挑んでいます。今大会から背番号1を背負う福島は、3試合で無失点とその期待に応えています。福岡第一は下川投手がよく投げましたが、打線が福島を攻略できませんでした。

【Dパート】シード校:八女/勝ち上がり:福岡
  このパートは激戦区でしたが、勝ち上がったのは福岡。春季大会でベスト16に進出するなど活躍の予兆はありましたが、夏も井土投手を中心とした粘り強い戦いぶりで八女、筑前というタイプの似たチームを破ってきました。井土投手は昨夏も小野投手(現楽天)のいた西短大付との試合で2番手として登板、好投を見せていました。1年でどこまで成長してきたか県大会が楽しみです。

【Eパート】シード校:大牟田/勝ち上がり:朝倉
  大牟田で堅いと踏んでいましたが、伏兵・朝倉が制しました。春季大会は初戦敗退(2-12筑前)、春の筑後地区大会も2回戦敗退(2-9大牟田)と目立った成績は残していなかっただけに想定外の結果となりました。重松、森田両投手の好投が躍進の原動力となっており、4回戦の大牟田戦では2人で7安打を浴びながら得点を許さず、龍頭投手からしぶとく3点を奪って金星を挙げています。修猷館の好投手・藤崎は3回戦で大牟田打線に10安打を浴びて最後の夏を終えました。

【Fパート】シード校:沖学園/勝ち上がり:福翔
  沖学園が3回戦で福翔に7回コールド負け(4-11)と、このパートもシード校が意外な結果で姿を消しました。初回に5点を奪われ、2回からエース・阿部充を投入しましたが流れを変えることはできませんでした。夏の大会は特に、流れというものをいかに握れるかが勝利への大きなポイントになることが多いようです。昨夏ベスト8の立役者となった貞光投手を擁する筑紫は3回戦で敗退。同校は秋、春と結果を残せていませんでしたが新聞報道によると、昨夏の大会後に貞光投手は腰を痛めていたようです。投手に故障はつきものですが、体調を維持管理することの難しさを改めて感じます。

【Gパート】シード校:春日/勝ち上がり:祐誠筑陽-祐誠イメージ2
  筑陽学園と祐誠の2回戦が事実上のパート決勝といってもよかったかもしれません。祐誠は総力戦でこの試合を逆転勝ちすると、危なげなくGパートを制しました。4回戦で対戦した三瀦は筑後地区大会準決勝で敗れた相手でしたが、今度はきっちり雪辱を果たしました。シード・春日は初戦で南筑に敗北。エース・久場が初回で降板。打線も3安打に抑えられ力を発揮できませんでした。

【Hパート】シード校:西日本短大付/勝ち上がり:柳川
  名門・柳川ですが、今年は影が薄い存在でした。秋季大会は修猷館に、春季大会は福岡舞鶴に、それぞれ初戦で敗退。筑後地区大会でも3回戦で南筑に破れるなど、まったくいいところがありませんでした。しかし試合を重ねるごとに調子をあげてきた印象です。筑紫丘・島、久留米・佐藤など昨年秋からひそかに注目していた投手たちも残念ながら初戦で姿を消し、その投球を見ることは叶いませんでした。
 







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