実力校が県大会へ名乗り~北部大会を振り返る




 北部大会で県大会に進出したシード校のシード校は半数の4校でした。ただ、ノーシードから勝ち上がってきた各校も実績のあるチームが中心。比較的、実力校が順当に勝ち残っている印象です。

【Aパート】シード校:飯塚/勝ち上がり:飯塚
  優勝候補・飯塚が危なげなく勝ち上がってきました。春の九州大会、NHK旗、招待試合と登板のなかった左腕・渡辺健史投手の動向が注目されましたが、初戦の苅田工戦、4回戦の若松戦でそれぞれ先発し、いずれも5回を無失点。健史投手不在の間、大車輪の活躍を見せた右の渡辺健太投手も健在で、この左右の2枚看板は県内最強と言ってよいと思います。公式戦1年ぶりの参加となった遠賀も初戦で若松に敗れはしましたが3安打を放ち健闘しました。

【Bパート】シード校:光陵/勝ち上がり:東海大五
  シード・光陵は、3回戦で東海大五と対戦。事実上のパート決勝となったこの試合、激しい打撃戦を演じた末に東海大五が勝利を納めました。昨秋の九州大会に出場、八幡南とともに公立旋風を起こした光陵でしたが、頼みのエース・赤司投手が14安打を浴びて力尽きました。〝夏の大会は投手力より打力のあるチームが勝ち上がる〟ということを如実に示した一戦でした。昨夏シード校だった時のエースと中軸が残った戸畑でしたが、戸畑工を相手に6点のリードを守れず初戦敗退。2000年以降、2度センバツに出場するなど北部の強豪の一角を占めてきた同校ですが、同じ公立の小倉・東筑に比べると、少し存在感が薄らいできたように感じます。

【Cパート】シード校:新宮/勝ち上がり:希望が丘希望・内堀
  どのチームが勝ち上がってもおかしくないパートでしたが、混戦を象徴するようにシード・新宮が初戦敗退。これまで同校の躍進を支えたエース・辻が打たれての敗戦となりました。右サイドハンドの植村、中軸の富山など昨夏のメンバーが残り、春はパート決勝まで勝ち進んだ古賀竟成館、昨夏県大会出場の青豊、そして昨年夏の新人大会で優勝した希望が丘の争いとなりましたが、希望が丘が混戦を制しました。小柄な左腕・内堀投手の丁寧な投球が光りました。
かつて八幡大付(現九州国際大付)の監督として春1度、夏2度の甲子園出場経験のある石橋茂樹監督が、希望が丘で33年ぶりの甲子園を目指します。

【Dパート】シード校:八幡南/勝ち上がり:八幡南
  光陵、新宮と昨年秋の県大会に出場した公立校の中にあって、県大会まで勝ち進んだのは八幡南だけとなりました。右の今井、左の山川と2人の投手が踏ん張って、苦しみながらも勝ち上がりました。八幡南と県大会を争った北九州も福森投手を中心によく戦い、力は十分に発揮できたのではないでしょうか。選手10名で参加した行橋は2年ぶりの夏の大会でしたが、北九州と3回まで競り合う健闘を見せました。軟式から硬式に移行して初めての夏を迎えた大和青藍は初戦で北筑と対戦し、7回コールド負け。公式戦の初勝利はお預けとなりました。

【Eパート】シード校:自由ヶ丘/勝ち上がり:星琳星琳・中村
  昨年秋以降、強豪との対戦が続き上位進出を逃し続けてきた星琳。この夏も厳しいパートに入りましたが、真颯館をコールドで下すと、シード・自由ヶ丘にも競り勝ち、2年連続の県大会出場を決めました。調子が今一つのエース・中村投手を、打線が3試合連続の2桁安打で強力にサポートしました。神村学園でセンバツ準優勝などの実績を残した自由ヶ丘・山本常夫監督の初めての福岡の夏は、ほろ苦いデビューとなりました。小倉東ー門司学園は、6-1で小倉東リードのまま降雨ノーゲームとなりましたが、再試合では門司学園が勝利。門司学園はその勢いで4回戦まで進み、星琳にも善戦しましたが逆転で敗れ、2年ぶりの県大会はなりませんでした。

【Fパート】シード校:九州国際大付/勝ち上がり:九州国際大付愛真ー九国イメージ
  優勝候補の一角・九州国際大付にとっては、好投手・新井を擁する折尾愛真戦(3回戦)が最大の山場となりました。序盤でリードを奪ったものの安打数ほど点差が広がらず終盤までもつれる展開となりましたが、堅い守りで逃げ切りました。小倉、八幡南、自由ヶ丘などのシード校を春の大会で破っている折尾愛真はノーシードながら県大会出場の有力な一校とふんでいましたが、九州国際大付のいるパートに入ってしまったことが少し不運でした。ただ、その実力を十分に示すことができた九州国際大付との試合だったと思います。

【Gパート】シード校:小倉/勝ち上がり:小倉
  折尾愛真とは逆に、比較的組み合わせに恵まれて順調に勝ち上がっていったのが小倉でした。苦戦するとしたら初戦の育徳館戦とみていましたが、コールドで圧倒すると3回戦、4回戦とも大きく点差をつけての勝利でした。

【Hパート】シード校:直方/勝ち上がり:東筑
  福岡中央地区大会で優勝した直方がシードされましたが、折尾愛真や自由ヶ丘に勝っている東筑も実力では劣りません。両者は3回戦で激突しましたが東筑がコールド勝ちで圧勝。4回戦(慶成)では投手戦を制し、2年連続でノーシードからの県大会を果たしました。右サイドハンドの藤井と、左腕・梅田の二人で3試合無失点と安定した戦いぶりでした。
 

2015選手権大会13







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