6回に集中打で大量7点を奪って逆転した修猷館が、7回コールド勝ちで福岡工を下した。
2回表に4点を先制された修猷館はその裏、二死から西野の左越え本塁打で1点を返すと、6回は先頭の満岡が右前打で出塁。秋好の三塁前の高いバウンドのゴロがサードの失策を誘い、尾辻の送りバントが内野安打となって無死満塁。ここで小峠が左翼線二塁打を放ち2点を返すと、なおも無死二、三塁から阿南三ゴロのあと西野がセンター左を破る二塁打を放ち逆転した。
続く川村も左前打で一死一、三塁とし、井戸垣が投前スクイズを決め6-4。井戸垣も投手の捕球ミスで一塁に生き(代走・中道)一死一、二塁から打者野田のときに二走川村が飛び出して三塁で憤死したが、二死二塁から野田の左前打で中道が生還した。打者が一巡し満岡が左前打、さらに秋好も左前打で続き二死満塁。ここで登板した2番手荒木から尾辻が押し出し四球を選び、8-4とリードを広げた。
7回は阿南右前打のあと、西野の投前バントが一塁悪送球を招き無死一、三塁。西野二盗で二、三塁とし、川村の右前打でまず1点。なおも一死一、三塁から楡井は三振に倒れたが、野田がショート後方に落ちるヒットで西野が還り、満岡四球で二死満塁から秋好が中前適時打を放ち、コールドゲームとした。
福岡工は2回、先頭の伊藤が四球を選ぶと、石橋三振のあと前田の投前セーフティバントが犠打の形となって二死二塁。村田右前打、小原四球で二死満塁とチャンスを広げ、稗田の左前打でまず1点。さらに星が右越え三塁打を放って走者を一掃、この回4点をあげた。しかし3~6回は立ち直った修猷館・井戸垣の前に1安打に抑えられ、追加点を奪えなかった。
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第11回福岡地区高校野球大会 3回戦 (2024年4月20日・土/春日公園野球場) |
チ 一二三四五六七八九 計HE 福岡工 0400000 453 修猷館 0100073x 11160 福岡工 年 打安点 修猷館 年 打安点 (三) 星 ③ 313 (左)満 岡③ 420 (遊)西 嶋③ 320 (二)秋 好③ 521 (左)田 浦③ 300 (遊)尾 辻② 321 (捕)伊 藤③ 200 (右)小 峠③ 412 (右)石 橋③ 300 (中)阿 南③ 410 (二)前 田② 200 (一)西 野③ 323 (一)村 田③ 310 (捕)川 村③ 431 (投)小 原③ 200 (投)井戸垣③ 211 (投 荒 木③ 000 走 中 道② 000 (右)稗 田② 211ー 投 楡 井③ 100 ーーーーーーーーーー (三)野 田③ 322 球犠振盗残 球犠振盗残 21701 32518 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 小原 5.2 12144 井戸垣 8 5523 荒木 0.2 4212 楡井 1 0000 ———————————————— ▼試合時間/8:40~10:15 公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ |
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修猷館の先発は背番号10の井戸垣。120キロ台半ば(この日最速129キロ)の直球にチェンジアップ、スライダー、カーブと多彩な変化球を織り交ぜる右腕だ。2回は2つの四球などから満塁のピンチを背負うと、稗田には直球を三遊間に合わせられ、星には甘く入った変化球を右越えに運ばれて4点を失ったが、乱れたのはこの回だけ。3~6回は手元でスッと沈むチェンジアップ、スライダーで5つの三振を奪うなどテンポのよい投球で、許した走者は一人だけ。福岡工に付け入るスキを与えず、味方の反撃を待った。
福岡工先発の小原は左サイドハンド。直球は120キロ台前半(同125キロ)だが、右打者の胸元を突くクロスファイヤーに力があった。これに右打者の膝元に沈むスライダー、あるいは右打者の外角に沈んでいくチェンジアップをまじえ、5回までは西野の本塁打による1点に抑える好投を見せた。
ところが6回、3巡目に入った修猷館が猛攻に転じる。満岡が内角直球に力負けせず右前に運ぶと、秋好の叩きつけた三塁前の打球が敵失を誘い一、二塁。尾辻は投手左へのバント、小原がやや緩慢な動きを見せる間に一塁を駆け抜けて満塁。流れがきたところで4番の小峠がスライダーを左翼線に運び、1点差とした。
さらに一死後、西野が甘い直球を逃さずセンター右を破る逆転打。西野は2回にも腰の据わったバッティングで左翼席に打ち込んでおり、大きな当たりを打てる右打者だ。この2本の長打で勢いづいた修猷館はその後も4安打を集中させ、スクイズや押し出し四球もからめて7点を奪って勝負を決めた。
7回はエースナンバーを背負う楡井がマウンドへ。130キロ前半(同133キロ)の直球に100キロ台のカーブをまじえ、わずか6球でこの回を終わらせた。
昨秋の修猷館は西野や阿南、川村などがマウンドに上がるなど試行錯誤を重ねている様子だったが、楡井と井戸垣の2本柱で夏に向かうことになりそうだ。二人とも剛速球を投げ込むタイプではないが、緩急・制球力を武器に攻める投球ができる印象を持った。
打者も体ががっしりとした選手が増えた印象で、打球も力強い。公立校特有の一気に畳みかける集中打もある。ここ数年、南部の県立校では春日、福岡が県大会にたびたび顔を出してきたが、修猷館もそこに加わりそうな勢いだ。
福岡工の見せ場は2回。二つの四球と村田の右前打で満塁とすると、9番稗田が外角低めの直球に逆らわず、三遊間をきれいに破って先制。部員数の多い福岡工にあって2年生ながら先発メンバーに選ばれたのも頷ける鮮やかな一打だった。同じ左打者の星も追い込まれながら中に入ってきた変化球を右越えに運んだ。
しかし3回以降は立ち直った井戸垣の前に快音が消え、頼みの小原が6回に修猷館打線につかまって降板。2番手の荒木は130キロ超(同134キロ)の直球を軸に立ち向かったが、修猷館打線の勢いを止めらなかった。
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