【観戦記】北筑12-2八幡工(北九州市長杯1回戦)




13安打に10四死球をからめて12点を奪った北筑が、5回コールドで八幡工を下した。

北筑は2回、先頭の遠藤が四球を選ぶと岡田の三ゴロ(エンドラン)で二進し、平野の中前打で先制のホームを踏んだ。さらに平野が二盗を決めた後、大塚の中前適時打でこの回2点をあげた。

3回は半情が中前打で出塁し、藤井の三塁前バントが内野安打となり無死一、二塁。打者遠藤のとき暴投で二、三塁とし、遠藤の中前打で2点を追加した。なおも無死一塁から岡田が送り、ここで登板した2番手沖から平野が中前打を放って一死一、三塁。続く大塚の遊ゴロ併殺崩れの間に遠藤が生還して5-0とリードを広げた。

3回裏北筑無死二、三塁 遠藤が中前適時打を放つ

2点を返された直後の4回は小辻左前打、田中右前打で無死一、三塁。半情一ゴロ(一走二進)、藤井四球で一死満塁とし、遠藤のレフト左への二塁打で走者を一掃。岡田四球で一死一、二塁から打者平野の時、一走が飛び出して一・二塁間で挟殺される間に遠藤が三進し、二死三塁。平野四球、大塚死球で二死満塁から橋本の中前打で2人が生還し、この回5点を追加した。

5回は左前打で出た半情が打者藤井の時に暴投で二進し、藤井三振のあと打者遠藤の時に再び暴投で三進。遠藤の遊ゴロをショートがトンネルし、半情が生還した。遠藤は打者岡田の時に飛び出して二塁で刺されたが、岡田、平野、大塚と3者連続四球のあと、橋本が左前打を放って試合を決めた。

初回二死満塁、3回一死一、二塁の好機を逃した八幡工は4回、一死から古閑が四球を選び、東の左前打に失策がからんで一死二、三塁。吉田四球で満塁とし、ここで登板した北筑2番手の橋本から沖が右前打を放ってまず1点。続く速水の右犠飛でさらに1点を加えた。

点差が8点となった5回も政田が遊飛失で出ると二死後、古閑死球で一、二塁とし、片岡が左前打を放ったが二走の水谷が本塁で憤死。2回以外は得点圏に走者を送って得点をうかがったが、決定打を欠いた。

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第52回北九州市長杯争奪高校野球 1回戦
(2024年4月14日・日/桃園球場)
チ   一二三四五六七八九 計HE
八幡工 00020     252
北 筑 02352x       1213
(5回コールド)
  八幡工  年 打安点   北 筑 年 打安点
(三投三投)沖③ 311 (遊)小 辻② 220 
(右)速 水 ③ 221 (三)田 中③ 210
(中)松 永 ③ 200  打 ミツユキ ① 100

捕)政 田 ③ 300  三 高 増➁ 000
(遊三遊)水谷③ 200 (一)半 情③ 420
(二)オリタテ① 300 (中)藤井晴③ 310
(左)古 閑 ③ 100 (投右)遠藤③ 325
左  窪  ➁ 000 (二)岡 田 100
(投一投)東 ③ 210  走 斉 藤➁ 000
投 片 岡 ② 110 (左)平 野③ 221
投 藤 井 ② 000 (捕)大 塚③ 212
投 井 上 ③ 100 (右投)橋本② 323
三 原 田 ③ 000

(一遊一)吉田② 100
球犠振盗残        球犠振盗残
51309           1031010
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
東   2.1    6205      遠藤   3.1   3432
沖   1       4204      橋本   1.2   2100
東   0.1    1301
片岡  1    1010
藤井  0    0201
井上  0    0100
沖   0    1000
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▼試合時間/10:55~12:46 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ
※場内アナウンスのみでの確認のため誤りがあればご指摘下さい

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両校投手陣がピリッとせず両校あわせて15四死球を出す乱戦模様となったが、地力に勝る北筑が打ち勝った。

八幡工・東

八幡工先発は右腕の東。初回の一死二塁はしのいだが、2回は先頭に四球を出してピンチを招き、自らの暴投もからんで2失点。直球が高く抜け、カーブもすっぽ抜ける球が目立つなどストライクとボールがはっきりする苦しい投球となった。甘く入った球を痛打され3回途中、6安打2四球で降板。

2番手にはサードから沖がマウンドに上がり、カーブを交えてかわそうとしたが球威に欠け、北筑打線を止めることができなかった。4回途中からは再登板の東、沖を含めて延べ5人の投手を小刻みにつないだが、打者12人に3安打6四死球に2つの暴投と乱れ、半ば自滅するような形となってしまった。

北筑・遠藤

北筑の先発はエース遠藤。縦に落ちてくるスライダーを軸とした投球を見せたが、初回に30球を要するなどこちらも苦しいマウンドとなった。4回途中まで許した安打は3本で、三振も3つ奪ったが4つの四死球を出すなどリズムに乗れず、ライトの橋本にマウンドを譲った。

左腕の橋本はスリークォーター気味のフォームから、直球に緩いスライダーを交えての投球。交代直後にタイムリーと犠牲フライを許したがそのあとは丁寧に低めを突き、打たせてとっていった。

北筑・橋本

打線はラッキーなヒットも複数あったが、13安打のうち12本が単打とセンター中心に打ち返す打撃で得点を重ねた。遠藤は打っても5番に座るが、この日は2安打5打点と打撃で活躍。コンパクトなスイングでクリーンヒットを放った。

八幡工は2つの失策のほか、追いつきながら球際の詰めが甘くヒットにしたり、守備範囲内のライナーに反応が遅れたり、併殺を狙える当たりで野手の連携がうまくいかず1つしかアウトをとれないなど、記録に残らないミスも目立った。打線は5回まで5安打を放つなど悪くはないだけに、内野守備の強化が夏に向けた課題と言えそうだ。

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