【観戦記】戸畑10ー0高稜(北九州市長杯1回戦)




高稜のミスにもつけこんで3回までに大量10点を奪った戸畑が、5回コールド勝ちをおさめた。

戸畑は初回、萩原のライト左に落ちる安打をライトが後逸(記録は三塁打)、さらに三塁送球が乱れる間に萩原が一気に生還して先制した。さらに右前打で出た徳永が二盗を決め、本田三ゴロのあと4番渡邊の時に三盗も決めて一死三塁とし、渡邊の左犠飛で生還した。

3回裏戸畑一死三塁 萩原が左犠飛を放つ

2回は四球を選んだ大殿が二盗を決め、岩野三振のあと渡部が一塁線を破る二塁打でまず1点。なおも一死二塁から東の遊ゴロで二死三塁とし、萩原の二ゴロ失で渡部が生還。二死二塁から萩原が三盗を決め、徳永の右翼線三塁打でこの回3点を加えた。

3回はこの回からマウンドに上がった2番手の戸津川から渡邊がライト右へ二塁打を放ち、打者石田の時に三盗を決めて無死三塁。石田四球のあと、打者大殿の時に一塁けん制球が乱れ、渡邊が生還(石田三進)。大殿四球で無死一、三塁から、再び一塁けん制球が逸れて石田が還り2点目。無死三塁から岩野が三塁線を破る二塁打を放って1点を加えると、岩野が打者渡部の時に三盗を決め、渡部の遊ゴロの間に生還した。さらに東が右翼線に落ちる二塁打で出たあと三盗を決め、萩原の左犠飛でこの回5点を加えた。

3回まで走者を出せなかった高稜は4回一死後、原が中前打で出塁。竹内三邪飛のあと、佐藤も左前打を放ち二死一、二塁としたが、宮崎が三振。5回は戸畑2番手の猿渡から一死後、代打一瀬が中前打を放ったが、代打柴田が投ゴロ併殺打に倒れ、最後まで三塁を踏むことができなかった。
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第52回北九州市長杯争奪高校野球 1回戦
(2024年4月14日・日/桃園球場)
チ  一二三四五六七八九 計HE
高稜 00000     034
戸畑 2350x       1090
(5回コールド)
  高 稜 年 打安点   戸 畑 年 打安点
(中)スプーン.ア②200 (遊)萩 原③ 211 
(遊) 原 ③ 210 (左)徳 永② 331
(捕)中川原③ 100 (捕)本 田③ 310

捕 竹 内② 100 (中)渡邊竜③ 211
(右)佐 藤③ 210 (三)石 田③ 200
(左)宮 崎③ 200 (右一)大殿③ 100
(三)スプーン.レ②300 (一)岩 野③ 211
(一)武 谷③ 100  打右 松下 100
打 一 瀬② 110 (投)渡 部③ 212
(投)雪 吉➁ 000  投 猿 渡③ 000
打 竹 松③ 100 (二) 東 ② 210
投 戸津川③ 100  二 小 田② 000
投 藤 本② 000
打 柴田彩② 100

(二)高 森② 100
球犠振盗残        球犠振盗残
00102        32193
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
雪吉  2 4113  渡部  4  2010
戸津川 1 5205  猿渡  1  1000
藤本  1 0000
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▼試合時間/8:50~9:58 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ
※場内アナウンスのみでの確認のため誤りがあればご指摘下さい

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戸畑が3回までに9安打に9盗塁をからめ、相手の4失策も加わって10得点。序盤で勝負を決めた。

戸畑・渡部

戸畑の先発は右サイドハンドの渡部。7人が並ぶ高稜の右打者の内角を直球・変化球で攻めながら、最後は低めのスライダーで引っかけさせてアウトを重ねた。4回まで12のアウトのうち9つが内野ゴロで、唯一のピンチとなった4回二死一、二塁では左打者の宮崎を外角低めへのスライダーで三振に切ってとるなど、危なげない投球。球威があるわけではないが、安定した制球力と低めのスライダーが際立つ。

打線は高稜投手陣の甘い球を逃さず叩いた。2番徳永は全て右に引っ張っての3安打。俊足で鳴らす1番萩原は初回ライト前に落とし、突っ込んだライトが後逸したのを見て一気に三塁を陥れると、三塁送球が乱れて一気に生還。2回はセカンドほぼ正面のゴロをセカンドが落球。いずれも萩原の足が相手野手の焦りを呼んだか。3回は好機ではきっちり左犠飛を放った。

右翼線への飛球など桃園球場の広さの恩恵を受けた面もあったが、9安打のうち6本が長打と打力はある。一方で送りバントはゼロ。この日は走れると踏んでどんどん走ってきたが、昨秋もそうだったように強打で攻めていく傾向にある。

高稜・雪吉

高稜は2年生右腕の雪吉が先発。細身だが手足の長い投手だ。左打者の外角(右打者の内角)直球で安定してストライクがとれ、カーブ、チェンジアップも交える。甘く入った球を痛打され2回までに5点を失ったが、味方の失策や盗塁でかき回された影響も少なからずあり、失点ほど内容は悪くはなかった。高稜の捕手中川原は肩を痛めていたか、全力で送球できなかった様子で途中交代。常に得点圏に走者を置かざるを得ない状態で、失点を重ねることになった。

2番手の戸津川は球威はまずまずだったが、球が高いぶん押し込みながらもヒットにされるシーンが目立った。一塁けん制が二度悪送球になるなど自らのミスもあり、リズムをつかめなかった。3番手の右スリークォーター藤本は直球・変化球を低めに集める安定した投球で、3人を無難に抑えた。

打線は2巡目に入って渡部のスライダーをとらえはじめたが、反撃に移る前に試合が終わってしまった。

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