【観戦記】春日2-1自由ケ丘(春季大会準々決勝)




両校の継投によるしのぎあいが続いたが、4番のひと振りで逆転に成功した春日が競り勝った。

毎回のように得点圏に走者を進めながら得点できなかった春日は7回、二ゴロ失で出塁した信國を田口が送り一死二塁。樋渡三振、五十嵐四球で二死一、二塁から、4番藤﨑が左越え二塁打を放って2人が還り逆転。このリードを7回から登板したエース前田が守り切った。

7回裏春日二死一、二塁 藤﨑が逆転の左越え二塁打を放つ

先制したのは自由ケ丘。2回右前打で出た長谷川を高見が送り一死二塁。脇谷は右飛に倒れたが、穴井の一塁内野安打で二死一、三塁とし本宮の中前打で長谷川が生還した。

ただ、それ以降は4回一死一、二塁、6回無死一塁、7回二死二塁と追加点のチャンスを生かせなかった。1点を追う9回も一死から高見が中前打で出塁し、脇谷三振のあと穴井の中前打で一打同点の好機を迎えたが中島が遊ゴロに倒れ、1点差に泣いた。

—-

第154回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝
(2024年4月2日・火/北九州市民球場)
チ   ー一二三四五六七八九 計HE
自由ケ丘 010000000 162
春  日 00000020x 271
 自由ケ丘 年 打安点   春 日 年 打安点
(三)山 口③ 400 (中)田 口③ 300 
(二)三 宅 200 (捕)樋 渡③ 320
(遊)兵 動③ 400 (二)五十嵐③ 310

(捕左捕左)      (一)藤 﨑③ 412
ーー長谷川莉③ 310 (右)大 川③ 320
(一投一)       (左)横 山③ 100
ーーー高 見③ 210 (三)石 松③ 410
走 八 田③ 000 (投)大 石③ 200
(左捕左捕)       投 石 原③ 000
ーーー脇 谷③ 310  打 大 津➁ 100
(中)穴 井③ 320  投 前 田③ 100
(投)本 宮➁ 111 (遊)信 國➁ 400
投 伊 藤➁ 100
一 太 利③ 100
投 中 島③ 100 
(右)秋 田③ 300 
球犠振盗残        球犠振盗残
43307        345110
—————————————-

投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
本宮  3 2100 大石   4.0 3301
伊藤  2 3010 石原     2 0000
高見  2 1230 前田     2 3130
中島  1 1010
————————————————

▼試合時間/12:55~15:00 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、▽は両打ち、投手名の下線は左投げ

—————-

春日の先発・大石

春日の先発は背番号11の右腕大石。120キロ台後半(この日最速130キロ)の直球にカーブ、フォークを交える。初回は三者凡退と上々の立ち上がりだったが2回に3本のヒットを許して先制を許すと、3回4回はボールが先行し、四死球を3つ与える苦しい投球。3回は自らの一塁牽制で刺し、4回は内野ゴロ併殺打で追加点は許さなかったが、5回先頭打者にボールが二つ続いたところで交代を告げられた。

春日・石原

2番手の大型右腕・石原は大きなモーションから重そうな直球をズバズバと投げ込み(同132キロ)、100キロ台のカーブも低めによく決まった。5回を3人で終わらせると6回は先頭打者を味方の失策で出したが、3番兵動を内野ゴロ併殺打、4番の好打者長谷川も中飛に抑えて、2イニングスをテンポよく抑えた。攻撃で毎回のようにチャンスを潰し、嫌な流れが続くなかでの価値ある好投だった。

自由ケ丘の先発・本宮

自由ケ丘は5回戦に続き2年生の本宮が先発。120キロ台前半(同125キロ)の直球と変化球を低めに集めて打ち取る投球が持ち味。力みが見られた5回戦は1イニングを持たず降板したが、この日は90キロ台のカーブをうまく使って緩急をつけた。3回まで毎回のように得点圏に走者を背負ったが、味方の好守にも助けられて得点を与えなかった。

4回からは右サイドハンドの伊藤が登板。直球は110キロ台なかば(同117キロ)だが、100キロ台のスライダーも交えてストライク先行の投球を見せた。4回一死三塁、5回二死二、三塁というピンチを迎えたが、ひとまわり(打者9人)を無失点に抑えてバトンをつなぐ。

6回からはエース高見がマウンドへ。いきなり先頭打者を歩かせ犠打で二塁に送られたが石松、代打の大津と連続三振にうちとった。恵まれた体格を生かして右サイドから投じる130キロ前後(同134キロ)の直球に力があり、いずれもこの直球で三振を奪った。

自由ケ丘・高見

押して押して点のとれない春日。7回も一死二塁としたが樋渡が三振。この回も無得点に終わりそうな雰囲気が漂う。五十嵐四球で二死一、二塁となり打席は4番藤﨑。それまでの3打席はいずれも走者を得点圏に置いて凡退していたが、ここでは4番の意地を見せた。0-1からの一打はレフトフライかと思われたが意外と伸び、レフトの頭上を越える。二死ということでスタートを切っていた一走の五十嵐も生還し、一気に逆転した。

春日・前田

このリードを7回から登板したエース前田が守り切った。130キロ台の直球(同135キロ)で押し、スライダーで緩急をつける危なげない投球だった。9回は2本のヒットを浴びて自由ケ丘の粘りにあったが、落ち着いて中島を遊ゴロに打ち取った。

終始攻め続ける春日に対し、自慢の継投で逃げ切りを図る自由ケ丘を4番のひと振りでひっくり返した一戦。自由ケ丘は投手が踏ん張ってる間に追加点が欲しかったが、右の好投手3人をつぎこんだ春日投手陣を打ち込むことができなかった。

 

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*