両校とも再三のピンチをしのぎあう投手戦となったが、九州国際大付が守り勝った。
九州国際大付は3回、先頭の内山が右中間二塁打で出塁し、中上が送って一死三塁。山本の遊ゴロで内山が三本間に挟まれたが、挟殺プレーが乱れて三塁に帰塁し一死二、三塁から田端のニゴロで内山が生還して先制した。5回と6回の一死一、二塁、8回の二死満塁では得点できなかったが9回、四球の内山を中上が送り、山本の右前打で一死一、三塁。田端の三ゴロで三走が三本間に挟殺されたが、二死二、三塁から秀嶋の右前打で2者が生還。リードを3点に広げて逃げ切った。
東筑紫学園は4回、小野が三塁内野安打で出塁し、打者尾桐の時に暴投で二進。尾桐三振のあと九木田の左前打で一死一、三塁と同点機を迎えたが佐藤がニゴロ併殺打に倒れた。5回と6回は先頭打者を四球で出して犠打で二塁に進めたが後続が凡退。9回は一死から九木田、佐藤がともに左前打を放って粘りを見せたが、平良中飛、井上三ゴロで試合終了。九州国際大付を上回る7安打を放ったがホームが遠かった。
第154回九州地区高校野球福岡大会 5回戦 (2024年3月30日・土/北九州市民球場) |
チ ー 一二三四五六七八九 計HE 九国大付 001000002 360 東筑紫学園 000000000 074 九国大付 年 打安点 東筑紫 年 打安点 (右中)山本➁ 420 (二)岡 野➁ 310 (投)田 端③ 401 (中)小 野➁ 310 (左)秀 嶋③ 412 (遊)尾 桐③ 400 (遊)三 宅➁ 410 (一)九木田➁ 420 (一)免 田② 300 ー走 清 原➁ 000 (三)山 口③ 400 (捕)佐 藤➁ 410 (中)居 石③ 200 (三)平 良➁ 320 (打 嶋 津➁ 100 (右)井 上③ 300 (中 木 葉③ 000 (左)石 本③ 200 (打 池 田③ 100 打 松 本③ 100 (右 松 元➁ 000 投 佐 谷③ 000 (捕)内 山➁ 310 (投)渡 邊➁ 100 (二)中 上➁ 210 投 津 田➁ 100 ーーーーーーーー ーーー 左 伊 東➁ 100 球犠振盗残 球犠振盗残 539010 22307 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 田端 9 7230 渡邊 4.1 3130 田端 9 7230 津田 2.2 1140 田端 9 7230 佐谷 2 2322 ———————————————— ▼試合時間/12:45~14:40 公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、▽は両打ち、投手名の下線は左投げ |
—————-
九州国際大付の先発は昨夏2年生エースとして甲子園のマウンドを踏んだ田端。140キロを超える剛速球があるわけでも、空振りを量産する変化球があるわけではない。ヒットもそれなりに打たれピンチを招くことも多い。それでも点を取られない、というのがこの投手の特徴だ。走者がいないときは直球いスライダー、チェンジアップなどを織り交ぜながらテンポよくアウトを重ねていく。制球のよさも持ち味で、コントロールを乱す場面がほとんどない。この試合でも与えた四球は2つだけだった。
走者を背負うとギアを一段上げる印象で、内外角低め一杯に厳しい直球を投げ込んでくる。常に全力投球で完璧に抑え込むのではなく、試合状況に応じたペース配分をしながら完投して勝つことを強く意識する、そんな投球スタイルに映る。
打線は好機をつくりながらも決定打を欠いた。3回の1点は敵失から得たチャンスから内野ゴロであげたもの。9回の2点はセカンド正面への強い当たりが捕球直前にわずかにイレギュラーして野手の股間を抜けていったもの。相手のミスや運にも恵まれての得点だった。
4番三宅の右中間フェンス直撃の大きな二塁打をはじめ3本の長打は出たが、一気に畳みかけるような攻撃は見られなかった。ただ、守備は中上・三宅の二遊間を中心に堅く失策はゼロ。今年の九州国際大付も田端を中心に守り勝つ野球になりそうだ。
東筑紫学園の先発は背番号11、2年生右腕の渡邊。小柄ながら力のある直球をコーナーいっぱいに決め、ブレーキの利いたスライダーを使って好投した。5回途中まで打者19人に対して被安打3、四球1と上々の内容。5回一死から中上に二塁打を打たれ、山本に四球を与えたところで津田にマウンドを譲った。
2番手の津田も2年生。スピードの乗った直球をズバズバと投げ込み、縦に落ちてくるスライダーも使って三振のとれる投手だ。登板直後、三振ゲッツー(三盗失敗)でしのぐと、6回は三宅に二塁打を浴びたが後続をおさえ、7回は三者凡退。打者9人から4つの三振を奪い1安打1四球で追加点を許さなかった。
8回から登板した右サイドハンドの佐谷も力のある直球にスピードを殺したスライダ―が有効だったが、ボール先行の投球となり3つの四死球を出すなど、細かなコントロールが課題として残った。
東筑紫学園としては4つの失策が出るなど、守りでリズムを作れなかったことが惜しまれる。3回一死三塁では山本の遊ゴロで飛び出した三走を挟みながら、三塁に戻ろうとした走者を刺そうとした捕手からの送球をサードがこぼして生かしてしまった。少し捕手が走者を追いすぎて近距離から速い送球を送らざるを得なくなり、サードの捕球が難しくなってしまった。
続く一死二、三塁から田端のニゴロでも三走が本塁突入しかけて停止。挟殺プレーに持ち込むこともできそうだったが、セカンド岡野は一瞬躊躇して一塁でのアウトを選択。結果的にこの1点が重くのしかかることになってしまった。挟殺プレーや打球処理の確認なども今後の修正ポイントになりそうだ。
ただ、渡邊・津田の投手陣をはじめ先発メンバーのうち6人が2年生の若いチーム。得点こそできなかったが好投手の田端にくらいつき、4つの失策が出ながらも失点を3点で抑えるなど、今後の飛躍を予感させる敗戦でもあった。
Leave a Reply