6回に逆転した自由ケ丘が、小刻みな投手リレーで真颯館の反撃を封じて逃げ切った。
2点を先制された自由ケ丘は1回裏、先頭の山口が四球を選び、三宅のニゴロ(エンドラン)で二進。兵動一邪飛のあと長谷川莉の右前打で一、三塁とし、高見の遊ゴロが失策を招いて1点を返した。
4回の二死一、二塁の同点機は逃したが6回一死から穴井が左翼線二塁打のあと、代打森川の右前適時打で同点(代走・長谷川潤)。さらに代わった佐伯から秋田死球で一死一、二塁とし、山口の投手左へのセーフティバントで一塁送球が乱れる間に二塁から長谷川が勝ち越しのホームを踏んだ(記録は内野安打と失策)。なおも一死二、三塁から三宅左直のあと、兵動の左前打で2者が生還、この回4点をあげて突き放した。
真颯館は初回、右前打で出た草場を尾形が送り、栗野の中飛で三進。野本四球で一、三塁から月川の右前打で先制した。さらに二死一、二塁から野元の右前打で本塁を狙った二走の野本が三本間で挟まれたが、挟殺プレーが乱れる間に生還してこの回2点をあげた。
その後も好機をつくりながら得点できなかったが、ようやく9回、この回から再登板した高見を攻め、一死から代打村上が死球で出ると草場の左前打で一死一、二塁とし、尾形の右前打でまず1点。続く栗野、野本の連続四球で1点差に迫り、なおも一死満塁と逆転機を迎えたが月川が三ゴロ併殺打に倒れて追いつけなかった。
第154回九州地区高校野球福岡大会 5回戦 (2024年3月30日・土/北九州市民球場) |
チ ー一二三四五六七八九 計HE 真颯館 200000002 483 自由ケ丘 10000400x 591 真颯館 年 打安点 自由ケ丘 年 打安点 (右)草 場③ 520 (三)山 口③ 310 (中)尾 形➁ 421 (二)三 宅③ 500 (遊)栗 野③ 300 (遊)兵 動③ 412 (一)野 本③ 201 (左捕左捕) (三)月 川② 421 ーー長谷川莉③ 420 (左)野 元② 420 (一投一投) (二)井 上➁ 400 ーーー高 見③ 400 (投)村 田➁ 100 (捕左捕左) (投 佐 伯③ 000 ーーー脇 谷③ 210 (打 寺 松③ 000 (中)穴 井③ 410 (投 苞 山③ 000 (投一)本宮➁ 110 (打 中 嶋③ 100 打 森 川➁ 111 (捕)▽内山③ 200 走 長谷川潤③ 000 (打 村 上③ 000 投 伊 藤➁ 100 (走 大 坪③ 000 投 中 島③ 100 ーーーーーーーー ーーー 一 太 利③ 100 ーーーーーーーーーー (右)秋 田② 210 ーーーーーーーー ーーー 右 八 田③ 000 球犠振盗残 球犠振盗残 923210 60409 —————————————- 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 村田 5.1 6432 本宮 0.2 3101 佐伯 0.2 2001 高見 5.1 1430 苞山 3 1100 伊藤 1 2000 苞山 3 1100 中島 1 2000 苞山 3 1100 高見 1 2302 ———————————————— ▼試合時間/9:55~12:10 公式記録ではありません ※打者名の下線は左打ち、▽は両打ち、投手名の下線は左投げ |
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昨秋も見せた自由ケ丘の細かな継投が、真颯館の反撃を封じた。その中心となったのがエースナンバーを背負った高見。昨秋は背番号3でファーストからたびたび救援登板したが、この日も初回にファーストから先発本宮をリリーフした。体をひねってアウトステップ気味に踏み出し、横手から投げ込む。昨秋よりも体がひとまわり大きくなった印象で、力強さを増した直球にスピードを殺したスライダーで緩急をつけ、時折上手からの投球もみせた。3回は3連続四死球、再登板した9回も3つの四死球を出すなど制球を乱す場面もあったが、6回3分の1イニングスで3安打に抑えた。
先発の左腕本宮は立ち上がり力みがみられ、直球・変化球とも高く外れてボール先行の投球となってしまった。3番手は右サイドハンド伊藤、4番手は昨秋エースナンバーを背負っていた右腕の中島。ともに走者を出しながらも1イニングをゼロで抑え、リードを保ったまま再び高見につないだ。絶対的なエースはいないが、タイプの違う投手リレーでベスト8入りを果たした。
打線は昨秋東海大福岡・佐藤から一発を放った長谷川莉が4番に座った。初回いきなり右前打。その後は木製バットも使いながらの打席となった。4回は同点とし、代わった佐伯がいきなり秋田に死球を与えると、山口がその動揺を見透かしたかのように投手左へセーフティバント。これが一塁悪送球を招いて勝ち越した。兵動は初球の甘い球を逃さず2点適時打。一気に畳みかけた。
ただ7回一死一、三塁でのスクイズが捕邪飛~併殺、8回無死一塁でのバントが5-4-3の併殺となり追加点を奪えなかったことで、9回は1点差まで迫られての薄氷の勝利となった。
真颯館は背番号11の2年生左腕・村田が先発。投球は直球に大きなカーブが軸だが、初回はいずれも高めに浮き、味方の失策もあって1点を失った。それでも2回以降は低めに決まるようになったカーブを多投して追加点を与えなかった。6回途中同点とされたところで降板したが、先発の役割は果たした。
同点とされなおも一死一塁の場面で登板した佐伯は秋田に死球を与え動揺もあったか少し投げ急いだ印象で、もう少しボールも交えて勝負したかった。7回から登板した3番手の苞山は左サイドハンド。7回は四球、8回は安打の走者を許したが、自由ケ丘の拙攻もあっていずれも併殺で切り抜けた。
打線は初回に3安打を放って2点を先制したが、3回一死一、二塁では重盗失敗、5回も一死二塁としながら3番4番が凡退するなど高見から再三好機を得ながら追加点を奪えなかった。
逆転を許したあとも7回一死二塁、8回二死一、三塁と好機をつくったが決定打を欠き、9回は1点差としてなおも一死満塁と一気に勝ち越すチャンスを得たが、5番月川の強打はサード正面の併殺打。大振りせず逆らわない打撃を見せたが、強い当たりが何度も野手の正面を突くなどツキにも見放された。
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