【観戦記】福岡大大濠7-0祐誠(春季大会3回戦)




福岡大大濠の先発柴田が9回一死まで祐誠を5安打無失点、三塁を踏ませない好投をみせ、打線も15安打で7点を奪って快勝した。

初回無死一、二塁、2回二死一、三塁の好機をいずれも併殺で逃した福岡大大濠は4回、先頭の高田が中越え三塁打。柴田は遊ゴロに倒れたが、豊田の中前打で先制した。さらに中川も中前打で続き一死一、二塁として祐誠の先発沖田をKО。代わった椎葉から菅野の中飛(豊田三進)のあと法村四球で満塁とし、立川が三遊間を破り2点を加えた。

3回表二死満塁 立川が左前に2点適時打を放つ

5回以降も毎回得点圏に走者を進めながら追加点を奪えなかったが、8回代打永田が左前打で出ると菅野が送り法村の左前打で一死一、三塁。立川捕邪飛のときに一走の法村がタッチアップで二進したあと大神がセンター前に落として2点を加えた。

9回は高田が右翼線二塁打。打者柴田の時に捕手からの二塁けん制がそれる間に三進し、柴田の右翼線二塁打で生還した。さらに豊田が送り、野口の左前打で柴田も還り7-0とリードを広げた。

祐誠は初回、先頭の靍田がセンター右への二塁打で出塁したが牛島のバントは三飛となり、後続も凡退。2回は二死から清水が左翼線二塁打を放ったが、井手が一飛で得点できなかった。

3点を追う6回は一死から靍田が右前打、牛島三振のあと大嶋も左前打で一、二塁としたが古賀が三振。9回一死から登板した平川から古賀の振り逃げと吉原の四球で一死一、二塁と迫ったが、清水が三振に倒れ完封を喫した。

第154回九州地区高校野球福岡大会 3回戦
(2024年3月27日・水/雁の巣球場)
チ   ー一二三四五六七八九 計HE
福大大濠 000300022 715
祐  誠 000000000 051
 福大大濠 年 打安点   祐 誠 年 打安点
(中)大 神③ 412 (遊)靍 田③ 430 
(左)先 村 400 (二)牛 島③ 300
(二)高 田 530  打 山 下③ 100

(投柴 田③ 421  二  森 ③ 000
投 平 川③ 000 (三)大 嶋③ 410
(一)豊 田② 411 (一)古 賀③ 400
(右)中 川② 320 (右)吉 原③ 300
永 田
110 (中)樋 口② 200
走右 野口③ 111  打中 藏下③ 100
(遊)菅 野➁ 310  中 松 永③ 000
捕)法 村③ 320 (捕)清 水③ 410
(三)立 川③ 512 (左)井 手③ 300
ーーーーーーーーーー  投)沖 田② 100
ーーーーーーーーーー   投 椎 葉② 200
球犠振盗残       球犠振盗残
532210        001107
—————————————-

投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
柴田   8.1 5090  沖田  3.1 4313
平川   0.2 0120  椎葉  5.2   11214
————————————————

▼試合時間/12:07~14:16 公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

—————-

福岡大大濠の投手陣は右の柴田・平川、左の永田・小峰など多彩な陣容を誇る。昨秋は永田が先発、柴田や平川につなぐことが多かったが、この試合では柴田がほぼ完ぺきに投げ切った。

福大大濠・柴田

直球は昨秋も140キロ台前半を出していたが、秋よりもさらに球威を増した印象。この日は7回まで毎回の9三振を奪ったが、そのうち8つは外角直球の空振りもしくは見逃しによるもの。ただ、出力が増したぶん球の制御も難しくなっているのか、高めに浮く球も多かった。それでも四死球はゼロ。出力を抑えればストライクは取れる感じで、スリーボールが二度あったがきっちりとカウントを整えて打ち取った。スライダー、フォーク、カーブと変化球も多彩で、直球のスピードを十分に引き出した。

打線は序盤、祐誠・沖田の緩急をつけた投球に手こずったが、二巡目に入った4回に高田、豊田、中川が痛打を放って降板に追い込んだ。2番手の椎葉に対しても毎回のように得点圏に走者を進めながら決定打を欠いてきたが、8回に大神の幸運なポテンヒットで2点を加えると9回は高田、柴田が連続長打で1点を追加、途中出場の野口にも一本が出て突き放した。

3番高田は3本の長打を放つなど変わらぬ好打者ぶりを発揮、うち2本は外野の頭を越えていく大きな当たりだった。投手ながら4番に入る柴田も右中間、右翼線に長打2本。出場選手のうち先村を除く全員がヒットを放ったが、先村も右翼ポール際ギリギリの特大ファールを放つなど、よく振れている印象。再三の好機に一本が出なかったところが課題か。

祐誠・沖田

祐誠の先発は背番号20の2年生左腕沖田。球威はさほど感じないがカーブ、チェンジアップ、スライダーを交えながら揺さぶる投球を見せた。立ち上がり直球が高く浮いて四球からピンチを招いたが柴田を二ゴロ併殺打に打ち取り、2回も四球がからんで一死二、三塁とされたが法村を落差あるチェンジアップで空振り三振、飛び出した三塁走者を捕手が刺して併殺にとるなど、得点を許さなかった。3回を三人で抑え、乗っていくかと思われた矢先の4回に3本のヒットを浴びて降板した。

祐誠・椎葉

2番手の椎葉も2年生。力感のない投球フォームからの直球にスライダーを交える。制球がよく四死球は交代直後に出した一つだけ(申告敬遠含まず)。交代直後に立川にタイムリーを浴びたが、5~7回は毎回のように得点圏に走者を背負いながら要所を抑えた。8回の2失点も打ち取った当たりがセカンドとセンターの間に落ちたもの。沖田、椎葉とも粘り強い投球だった。

5安打に抑えられた祐誠打線では、1番靍田が3安打と孤軍奮闘の活躍をみせた。初回は直球をセンター右に運ぶ二塁打。6回はスライダーをおっつけての右前打。8回にも厳しい内角直球を腕を畳んでセンター前にはじき返した。3番大嶋は6回、ひざ元に食い込んでくるスライダーをうまく合わせて左前に運んだ。

ただ、要所で外角低めいっぱいにスピードボールを投げる柴田を打ち崩すには至らなかった。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*