【観戦記】筑陽学園3-1大牟田(秋季大会パート決勝)




筑陽学園が大牟田の好投手・境から5回に4連打で3点を奪って逆転、2点のリードを先発・西村の好投で守り切った。

5回表 筑陽学園 二死満塁 溝口がレフト前に逆転適時打を放つ

1点を追う筑陽学園は5回二死から西村が四球を選ぶと内野、遠藤がいずれも右前打を放って二死満塁とし、溝口のレフト右への安打で2人が還って逆転。なおも二死一、二塁から小西のセンター左への二塁打で遠藤が還ってこの回3点を奪った。6回一死二塁、7回二死一、二塁の好機では得点できなかったが、2点差を西村が守り切った。

先制したのは大牟田。初回末廣が四球を選ぶと渡辺(大)が送って一死二塁。山下の投ゴロで末廣が飛び出し二三塁間で挟殺されたが、その間に山下が二進して二死二塁。続く河野の左前打で山下が先制のホームを踏んだ。

逆転された直後の5回は一死後、四球で出た渡辺(優)を稲田が送り二死二塁。志垣、末廣がいずれも四球を選んで二死満塁としたが、渡辺(大)が遊ゴロ。6~8回は三者凡退に抑えられた。9回は一死から河野がセカンド後方へのヒットで出たが後続が続かず、筑陽学園・西村の前に初回の1点のみに抑えられた。

第153回九州地区高校野球福岡大会 パート決勝
(2023年9月29日・金/小郡市野球場)
チー   二三四五六七八九 計HE
筑陽学園 000030000 360
大牟田  100000000 140
 筑陽学園 年 打安点   大牟田 年 打安点
(中)内 野➁ 520 (中)末 廣➀ 200 
(二)遠 藤 410 (三)渡辺大➁ 310
(三)溝 口② 312 (遊)山 下➁ 400

(右)小 西➁ 521 (一)河 野➁ 431
(左)中 嶋➁ 400 (投) 境利➁ 400
(遊)菱 岡② 300 (捕)宮 本➀ 400
(捕)若 松➁ 100 (左)渡辺優➁ 200
(三)井 村➁ 400 (右)稲 田➁ 200
(投)西 村➁ 300 (二)志 垣➁ 200
球犠振盗残       球犠振盗残
711910       42605
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
西村  9 4461  境  9 6719
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▼試合時間/12:50~14:36
※公式記録ではありません/選手名の下線は左打者

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大牟田の先発・境は、今夏大牟田をベスト4に導いた左腕。準決勝で九州国際大付にサヨナラ負けを喫したが、130キロ台半ばの力のある直球を武器に中盤から終盤にかけて九州国際大付・田端と見ごたえのある投げ合いを演じた。今大会も3試合で失点はわずかに1。高い安定感を示していた。

大牟田・境

この日も直球に大きなカーブ、スライダーを交えながら、初回からいきなり6者連続の三振。ただ、3回から少し直球が高めに抜け始める。先頭の若松を歩かせると二死後、内野を詰まらせながらセンター前に運ばれた。得点こそ許さなかったが、4回も先頭の溝口にストレートの四球を与えるなど、どこか変調をうかがわせる内容だった。

5回も若松、井村と連続三振を奪ったが、井村を空振り三振にとった球は、捕手が構える内角低めとは正反対の外角高めの球。直球の精度を欠くまま続く西村を歩かせると、内野に直球を、遠藤にはスライダーをそれぞれ右前に運ばれ二死満塁。さらに溝口を0-2と追い込んだあとに投げた外角直球がやや中に入ってしまい、ショートの頭上にはじき返される逆転打に。小西にも中に入ってきたスライダーをセンター左に痛打され3点目。この試合で許した6安打のうち4本をこの回に集中された。

6回以降も毎回のように四球を与え、それでも最後は三振でピンチを脱し無得点に抑えるという展開が続いた。スリーバント失敗2つを含めて19の三振を奪いながら与四死球も7。その結果、球数は増えて守備の時間が長くなり、反撃の気運をつくることができなかった。

それでも筑陽学園を相手に19奪三振はその実力を示すもの。173球を投げながら9回にも3つの三振(一つはスリーバント失敗)を奪うなど、最後まで直球の力は衰えなかった。

筑陽学園・西村

一方、筑陽学園の西村は、初戦で大量失点を喫して敗れた今夏の雪辱を期しての登板。初回四球から招いたピンチで4番河野にタイムリーを浴びたが、大きなカーブと縦に鋭く落ちるスライダーを駆使して尻上がりに調子を上げていった。5回は3つの四球で二死満塁のピンチを招いたが、ここを切り抜けると6~8回は三者凡退。いずれも10球未満で3つのアウトをとり、球数の多い境と対照をなすテンポの良い投球を見せた。

1回裏 大牟田 二死二塁 河野が左前に先制適時打を放つ

筑陽学園は1~4番でチーム6安打のすべてを記録した。5回はこの四人で4連打を連ねて一気に逆転。甘く入っていた球を逃さなかった。19個の三振を奪われはしたが、このうち13の三振は5球以上投げさせてのもの。ファールで粘るなど簡単に打ち取られることなく、5回の得点に結びつけた。

大牟田は毎回のようにピンチを背負い、守備の時間が長くなったことで攻撃に集中できなかったか、特に中盤から終盤にかけては淡泊な攻撃に終始した。4番河野がチーム4安打のうち3本を放つなど孤軍奮闘したが、前後がつながらずに6回以降は一人しか走者を出すことができなかった。

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