【観戦記】八幡4-2育徳館(秋季大会4回戦)




八幡が序盤のリードを継投で守り切り、育徳館に競り勝った。

1回表 八幡 二死一、二塁 綾部が右中間に先制二塁打を放つ

初回八幡は一死後、堀見が中前打で出ると、石松三振のあと小泉が三ゴロ失で出塁し、綾部の右中間二塁打で堀見が生還した。続く八尋の四球で二死満塁とし、田邊の遊内野安打で1点を加え、さらに山﨑の中前適時打でこの回3点を先制した。

1点差で迎えた5回は一死から小泉が四球で出ると綾部の右前打で一死一、三塁とし、続く八尋の中犠飛でリードを2点に広げた。その後は得点圏に走者を進めながらも決定打を欠いたが、2点のリードを石松~高戸の継投で守り切った。

育徳館は3点を追う初回、右前打で出た高田を高瀬が送り藤田の中前打で一死一、三塁。田原四球で満塁とし、後藤のニゴロ(二塁封殺)の間に高田が生還した。3回は二死から中前打で出た藤田が二盗を決め、捕手からの二塁送球が乱れる間に三進。続く田原の右翼線三塁打で1点差に迫った。

しかしその後は4回無死一、三塁の好機を逃すと6回一死二塁、8回二死二塁でも無得点。9回も二死から梅村四球、高田右前打で最後の粘りを見せたが高瀬が右邪飛に倒れ、追いつけなかった。

第153回九州地区高校野球福岡大会4回戦
(2023年9月23日・土/桃園球場)
チー  二三四五六七八九 計HE
八 幡 300010000 410
育徳館 101000000 272
 八  幡 年 打安点   育徳館 年 打安点
(中)渡 邉② 420 (右)高 田② 520 
(右左)堀見 510 (左)高 瀬➀ 400
(投右)石松② 500 (中)藤田京② 320

一)小 泉➁ 300 (遊)田 原② 311
(捕)綾 部② 421 (一)後 藤➁ 411
(左)八 尋② 111 (二)谷 口➁ 310
投 高 戸➀ 110 (捕)隅 田➀ 200
(二)田 邉➁ 311 (投) 島 ➀ 200
(三)山 﨑➁ 411  打投 中島➁ 200
(遊)鶴 我➁ 410 (三)奥 家➀ 100
ーーーーーーーーーーー  三 村 上➀ 100
ーーーーーーーーーーー  打三 梅村➀ 100
球犠振盗残       球犠振盗残
23518       52449
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
石松  6 5322 島   6 9231
高戸  3 2220 中島  3 1020
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▼試合時間/11:33~13:40
※公式記録ではありません/選手名の下線は左打者

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結果的に初回の攻防が試合の明暗を分けた。

育徳館・島

育徳館の先発・島は、1年生ながら下半身がどっしりしており上背もある投手。直球にスピードを殺した変化球(スライダーとカーブか)を交えた投球を見せた。初回は二死一塁で4番小泉の三ゴロをサード奥家がファンブルして一、二塁となったあと、踏ん張れなかった。綾部に高めの直球を左中間に運ばれて先制を許すと、四球のあと田邊をショート左へのゴロに仕留めたが、打球の弱さが災いして内野安打に。さらに山﨑には初球の変化球を振り切られて足もとを抜かれた。不運な当たりもあったが4安打で3点を失い、八幡に主導権を握られる結果となった。

ただ、2回以降は毎回のように安打を許しながらも粘り強く投げた。2回無死二塁では変化球を低めに集めてしのぎ、5回に1点は奪われたものの6回を4失点でまとめた。島のあとを受けた左腕中島もカーブ、チェンジアップを低めに集め、3イニングスを無得点に抑えて打線の援護を待った。

八幡・石松

八幡の先発は背番号11の石松。どちらかというと小柄な右腕だが直球をコーナーいっぱいに決め、落差のあるカーブを交えながら小気味よい投球を見せた。石松も初回2安打と四球で一死満塁のピンチを招き後藤の内野ゴロの間に1点を失ったが、続く二死二、三塁では谷口にカーブを打たせて遊ゴロ。1点でしのいだ。

3回は二死から短長打を浴びて1点差とされ、4回も無死一、三塁のピンチを招いたが、島を三ゴロ、村上を投ゴロに仕留め、初回に安打を放っている高田は高めの直球で空振り三振に打ち取り、流れを渡さなかった。6回を投げて5安打3四球2失点と先発の役割を果たして、7回からは1年生の高戸にマウンドを託した。

八幡・高戸

ベンチ入りメンバー17人の八幡で、しんがりの背番号17をつけた高戸は右本格派タイプ。やや細身ながら長身から投げ下ろす力のある直球でグイグイと押してきた。ただ、ボールとストライクがはっきりとする不安定な内容。8回は四球の走者を出し、4番田原にも芯で捕らえられたがこれが遊ゴロ併殺打に。遊内野安打で出た後藤には二盗を許したが、谷口を高めの直球で空振り三振。9回も二死から四球と安打で一、二塁のピンチを背負ったが何とか切り抜けた。まだ粗削りな印象だが力のある直球は魅力的で、今後の成長が楽しみな投手だ。

育徳館は先発の島だけでなく、高田、藤田、後藤ら左打者を中心に下半身ががっしりとして上背のある選手が多い。高田、藤田は2安打ずつ放ち、4番田原、6番谷口の右打者もライト方面への長打を放つなど、力のあるところは示した。藤田、後藤は二つずつ盗塁を決めるなど、足もからめて得点をうかがったが、要所では石松、高戸の投球が上回り、初回の3点を最後まで挽回できなかった。

育徳館・中島

八幡打線は初回、相手のミスを逃さない集中打が見事だった。5回の追加点も四球の走者を一塁に置き、綾部のこすったような打球がライト線に落ちてチャンスを広げ、犠牲フライで得たもの。個々の打力という点では育徳館が上回っていた印象だったが、10安打のうち4本が内野安打だったようにしぶとい打撃で塁上を賑わせ、送りバントや盗塁などで得点圏に走者を送って得点をうかがい、流れを渡さなかった。

投手を中心に守りは堅く、ここまで3試合で失点は5。古賀竟成館、北筑、育徳館と力のあるチームに競り勝ち、2021年春以来となる県大会出場まであと1勝と迫った。

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