【観戦記】飯塚7-2戸畑(秋季大会4回戦)




序盤に四球、敵失をからめてリードを奪った飯塚が、中島の粘り強い投球で戸畑の追撃を封じ、パート決勝に進出した。

飯塚は初回二死後、四球で出た赤間が二盗を決め、松永のレフト左への二塁打で先制した。2回は中前打で出た森永を中島が送り、伊藤四球で一死一、二塁。戸次のニゴロ(二塁封殺)で二死一、三塁となったあと、平田の左前打で森永が生還した。なおも二死一、二塁から赤間のニゴロ失で二塁から戸次が還り、続く松永の左前打で平田もホームを踏んで、この回3点を加えた。

1回表飯塚二死二塁 松永が先制の左翼線二塁打を放つ

2点差とされた4回は戸畑2番手の渡部から伊藤が右前打で出ると、戸次の時に暴投で二進。戸次が送ったあと平田の左前適時打で再び3点差とした。7回は二死から久我がショート左への内野安打、一塁送球が逸れる間に二進し、森永の右前打で生還。さらに中島の右翼線三塁打で森永も還り、7-2とリードを広げた。

戸畑は2回二死後、山下、小田がいずれも右前打を放つと、渡部四球で二死満塁とし、萩原の中前打で1点を返した。3回は一死から大殿が四球を選び、本田の三塁線を破る二塁打で一死二、三塁。保本の三ゴロで三走の大殿が一塁送球と同時に本塁に突入、生還した。

しかし4~7回は飯塚・中島の前に二塁を踏めず、ようやく8回に2安打と四球で一死満塁と反撃のチャンスを得たが、山下がニゴロ併殺打に倒れて追い上げることができなかった。

第153回九州地区高校野球福岡大会4回戦
(2023年9月23日・土/桃園球場)
チー 二三四五六七八九 計HE
飯塚 130100200 714
戸畑 011000000 282
 飯  塚 年 打安点  戸  畑 年 打安点
(中)戸 次② 200 (遊)萩 原② 421 
右 小 倉➁ 100 (一)石 田➁ 400
(左)平 田➁ 522  打 龍 頭② 100
(二)赤 間② 410 (中)渡 邊② 410

一)松 永➁ 422 (右)大 殿② 310
(捕)脇 元② 520  右 城田聖➀ 310
(右)瀬 口② 300 (捕)本 田➁ 410
右中 久我➁ 220 (三)保 本➁ 201
(三)森 永➁ 421  三 惣 田② 100
打 肥 後➁ 100 (左)山 下➁ 310
三 田 﨑➁ 000 (二)小 田➀ 210
(投)中 島➁ 421  打 入 学➁ 100
(遊)伊 藤➀ 310 (投)城田暖➀ 000
ーーーーーーーーーーー  投 渡 部➁ 200
ーーーーーーーーーーー  打 猿 渡➁ 110
球犠振盗残       球犠振盗残
420110       60609
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
中島  9 8662 城田暖 1.2 5302
ーーーーーーーーーーー渡部  7.1 9103
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▼試合時間/08:50~10:55
※公式記録ではありません/選手名の下線は左打者

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飯塚・中島

飯塚の先発は背番号1の左腕中島。白濱(現ロッテ)、藤原、中村などここ数年は右の速球派がエースとして活躍してきた飯塚だが、中島は直球、スライダーを交えて打たせてとるタイプ。とはいえ右打者への内角球には力がある。

3回までに5安打を許して2点を失い、点の取り合いとなりそうな展開だったが、4~7回は無安打に抑えて試合を落ち着かせた。4回無死一塁では渡部を三ゴロ併殺打、8回一死満塁では山下をニゴロ併殺打に仕留めるなど走者を出しながらも要所を締めた。けん制球も巧みで、6回には一走を誘いだして挟殺したほか、俊足萩原に出塁を許した初回は、再三のけん制でスタートを切らせなかった。

戸畑の先発・城田

戸畑の先発は1年生の城田(暖)。直球に大きなカーブをまじえる右腕だが、立ち上がりから制球が定まらなかった。先頭の戸次を歩かせ、続く平田のヒットエンドランは三直併殺に救われたが、赤間も四球。二盗を許したあと、松永には内角直球を叩かれて先制を許した。2回も先頭・森永に内角高めの甘い直球を中前に運ばれると四球でピンチを広げ、平田、松永にはカーブを三遊間に運ばれた。味方の失策もからんでの4失点だったが、打者13人に5安打3四球では1回途中での降板もやむを得ないところ。球そのものは悪くないだけに低めへのコントールを磨きたいところ。

戸畑・渡部

一方的な展開になりそうな中でマウンドを引き継いだのは渡部。一度体を丸めるように始動し、右サイドから直球、スライダーをコーナーを集めて好投した。ストライク先行の投球で、与えた四死球は1つだけ。特にスライダーは高さ、コースとも申し分なく、外野フライ、内野ゴロに打ち取っていった。7回3分の1を投げて3点は失ったが中盤以降、しっかりと試合をつくった。

飯塚打線は前チームで3番を務めた松永が4番に座り2安打2打点と勝負強さを示した。アウトになった打席(左直、中飛)も芯で捕らえており、コンタクト率も高そう。2番平田も2安打2打点。初回の三直も鋭い当たりだった。

前チームで4番だった肥後は代打による1打席のみの登場で、変化球にタイミングがあわず三ゴロ。故障によるスタメン落ちではなさそうだったが、気になったのは背番号の18番。飯塚では18番を投手がつけることが多いだけに、今後の起用法が気になるところだ。

3回裏 戸畑 二死満塁 萩原が中前適時打を放つ

戸畑打線では俊足巧打で鳴らす1番萩原が2安打。初打席はややつまりながらファーストの左を破り、満塁の好機でまわってきた2打席目は投手の足もとを抜くタイムリーを放つなどシュアな打撃を見せた。

渡邊、大殿、本田の中軸もそれぞれ1安打を放ち、いずれも芯で捕らえた痛烈な当たりで力のあるところは示した。ただ、6つの四球も得て5回を除いて毎回のように走者を出しながら犠打・盗塁ともゼロ、エンドランを仕掛けることもなく強打に頼った結果、チャンスが広がらなかった。

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