【観戦記】福岡第一5-1東福岡(秋季大会3回戦)




福岡第一が中盤に小刻みに得点を重ねて東福岡・橋本を攻略、投げてはエース前田が東福岡打線を6安打1失点に抑えて快勝した。

2回に二死二塁の先制機を逃した福岡第一は3回、前田が三塁線を破る二塁打で出塁。墨川が送ったあと、杉本がサードへセーフティスクイズを決めて先制した。4回は粟野死球のあと、山口がライト左を破る二塁打で無死二、三塁とし、東野の中前打で2点を加えた。

3回裏 福岡第一 一死三塁 杉本がセーフティスクイズを決め先制

1点を返された直後の5回は一死後、杉本が四球を選び、中尾の左前打で一、二塁。続く粟野が右前適時打を放ってリードを再び3点に広げた。6回は日田が四球で出塁すると、ここで登板した東福岡の2番手吉原から法橋が送りバントを決め、前田のニゴロで二死三塁とし、墨川の中前打で5点目をあげた。

初回二死一、二塁、4回二死二塁の好機を逃した東福岡は5回一死後、左前打で出た野田を送り、因死球、原野左前打で二死満塁。打者中村の時に暴投で1点を返した。しかし続く二死二、三塁で中村が三邪飛に倒れ追加点を奪えなかった。6回も投手強襲安打で出た岩﨑を送って一死二塁としたが、後続が凡退。7回以降は得点圏に走者を送れず、反撃のきっかけをつくれなかった。

第153回九州地区高校野球福岡大会3回戦
(2023年9月18日・月/雁の巣球場)
チー ム 二三四五六七八九 計HE
東福岡  000010000 160
福岡第一 00121100x 590
 東福岡  年 打安点  福岡第一 年 打安点
(二) 因 ② 300 (二)墨 川② 311 
(遊)原 野② 420 (右)杉 本➁ 101
(左)中 村 300 (三)中 尾② 420
走 穴 井② 000 (一)粟 野② 311 

中 山本将➀ 000 (左)山 口② 420
(一)岩 﨑② 210 (捕)東 野② 412
(中左)山本➀ 200 (遊)日 田➁ 310 
(投)橋 本② 300 (中)法 橋➁ 200
投 吉 原➁ 100 (投)前 田② 310
(右)渡 邊➀ 420
(三)野 田② 410
(捕)瀧 川➀ 100
打 大 木➀ 100
捕 水 田➁ 000
球犠振盗残       球犠振盗残
43417       44436
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
橋本   5.0 7345 前田  9 6441
吉原  3 2100
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▼試合時間/9:57~11:51
※公式記録ではありません/選手名の下線は左打者

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8月の福岡地区新人大会準決勝では10-0と東福岡が大勝したが、この日は投打とも福岡第一が上回った。

福岡第一・前田

福岡第一の先発は前田。サイド気味の右スリークォーターからの直球を軸に、スライダーを交えながらの投球。特に内角を突く直球に力があり、要所で東福岡の打者を再三詰まらせて打ち取っていった。最大のピンチだった5回二死満塁では暴投で1点を与えたが、中村を直球で押し込んで三邪飛に仕留めて追撃を許さなかった。

制球も安定しており与えた四死球は4つ(うち一つは申告敬遠)。走者は出すものの内野ゴロ併殺を2つ奪うなど危なげなく9回を投げ切った。外角いっぱいに直球をポンポンと決められるのが大きな強みで、初回と5回以外はいずれも16球以内で攻撃を終わらせた。1年夏から主戦投手の一人として場数を踏んできただけに、マウンドさばきにも余裕を感じせる。

東福岡の先発・橋本

対して東福岡の橋本も前チームからマウンド経験のある右腕。直球に大きなカーブ、スライダーなどを投げ分け、序盤はまずまずの出来に映った。3回は前田の三塁線への当たりが、飛びついたサードのグラブをかすめていく二塁打となり、2つのバントで先制を許す。

4回は先頭の粟野にフルカウントから投じたカーブが肘にあたる死球。続く山口への初球、送りバントも頭にあったか、やや安易にストライクをとりにいった直球をライト右に運ばれたのが痛かった。東野にはワンボールからスライダーがやや甘くなり、前進守備のセカンド左を破られて2失点。5回も一死から出した四球のあと、中尾に三遊間を割られ、粟野の当たりはバットの先端ながらライト線に落ちるヒットとなり4点目。6回、先頭打者に四球を出したところで降板した。

打ち込まれたという感じではなかったが、勝負処でやや甘く入った球を福岡第一の中軸に捕らえられた。また、4回5回はいずれも四死球からの失点。6回に残した四球の走者もホームを踏んだ。

2番手の吉原も橋本と同じ右上手の投手。登板直後に墨川にタイムリーを許したが、7回8回は危なげなく抑えた。コーナーを突く直球に、スピードを殺した変化球がテンポよく決まった。

東福岡・吉原

この日の福岡第一打線は中軸打者の活躍に加え、随所で「うまさ」が光った。3回一死三塁では杉本が投手と三塁手の間に絶妙のセーフティスクイズ。6回は四球の走者を犠打と内野ゴロで三塁まで進めると、墨川が内角直球をうまく内からバットを押し出してショートの右を破る巧打を見せた。

墨川はその後、二盗・三盗を決め、さらに二死一、三塁では重盗で本塁を狙ったが、スタートがやや早く単独での本盗のような形となってしまい本塁憤死。それでも間一髪のアウトで、その俊足ぶりを見せつけた。2回には日田も二盗を決め、7回にも刺されはしたが山口が二盗を敢行するなど、足を絡めた攻撃も積極的に仕掛けた。8番法橋が犠打を2つ決めてチャンスを広げるなど、上位から下位までそれぞれの役割を果たしての5得点だった。

東福岡は単打6本を放ったが走者を出してから前田を攻めきれず、内角直球に詰まった凡飛や内野ゴロでアウトを重ねた。初回二死二塁で3-1から申告敬遠、4回もストレートの四球で警戒された4番岩崎が6回無死から痛烈な投手強襲安打を放ったが、要所を前田に抑えられ暴投による1点に終わった。

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