すでに報じられている通り、九州国際大付を今夏を含めて5度甲子園に導いた楠城徹監督が8月24日付で退任、同監督の息子でコーチを務める祐介氏が後任の監督に就任しました。
…九州国際大付は、楠城徹監督(72)が24日付で退任したと発表した。プロ野球西武でヘッドコーチ、楽天で編成部長を務めた後、2014年に監督に就任。15、16、22、23年の夏、22年の春と計5回、甲子園に導いた。年齢や後任育成を理由に春先には退任を決めていた。後任には、楠城監督の息子で、楽天やヤクルトでプレーした楠城祐介・同校コーチ(39)が就任した。【25日付朝日新聞より抜粋】
楠城監督は、2014(平成26)年夏の甲子園出場を置き土産に勇退した若生正広監督のあとを受けて監督に就任しました。翌2015年夏にいきなり福岡大会を制して九州国際大付を2年連続で夏の甲子園に導くと初戦で鳴門(徳島)に快勝。学生野球資格の回復に向けた研修・認定制度の導入(2013年度)後、プロ野球経験のある監督として初勝利を挙げました。その後もエース富山凌雅(オリックス)、4番山本武白志(元DeNA)らの活躍で勝ち進み、県勢として15年ぶりとなるベスト8に進出。翌夏の福岡大会も優勝して3連覇を果たしました。九州大会でも2018年春、21年秋に優勝。2022年は春夏連続の甲子園出場、今夏は自身二度目の夏連覇を遂げていました。
「打てないと甲子園では勝てない」をモットーに毎年のように強打のチームをつくり上げ、在任中に山本、甲斐生海(ソフトバンク)、中村貴浩(広島)、野田海大(西武)らの強打者をプロに送りこみました。好投手も多く輩出しており富山、柳川大晟(日本ハム)のプロ野球選手のほか、今秋のドラフト候補と言われる下村海翔(青山学院大)、U18日本代表に選ばれた香西一希(早稲田大)らを育てました。
甲子園通算6勝は戦後、福岡県内では若生前監督、末次秀樹・真颯館監督と並ぶ歴代4位タイの成績。5度の甲子園出場は若生前監督(4回)を上回りました。
■甲子園6勝以上の県内の監督(戦後)
監督名 | 勝-敗 | 指導校 |
鬼塚格三郎 | 8-3 | 小倉(1946~48) |
浜崎満重 | 8-2 | 西短大附(1987~92) |
杉山繁俊 | 7-6 | 福工大城東5勝(1992~06) |
東海大福岡2勝(2017) | ||
末次秀樹 | 6-6 | 柳川5勝(1995~2005) |
自由ケ丘1勝(2010) | ||
楠城 徹 | 6-5 | 九国大付(2015~23) |
若生正広 | 6-4 | 九国大付(2009~14) |
在任期間中(2014年秋~2023年夏)の県内公式戦(地区大会を除く春・夏・秋の福岡大会)の勝利数は93勝(18敗)で、これは西日本短大附・西村慎太郎監督の99勝(19敗)につぐ勝ち星。勝率は8割3分8厘にのぼります。この間の九州大会出場は県内最多の8回で優勝2回準優勝1回の成績を残すなど、この10年間、西村監督、福岡大大濠・八木啓伸監督らと共に、県内屈指の強豪校の監督として福岡の高校野球界を牽引してきました。
2021年に東海大福岡の杉山繁俊監督が退任。昨年は甲子園出場3回の実績のある森崎哲哉(九産大九州)、江口祐司(筑陽学園)の両監督も退き、これで県内の高校を率いて甲子園出場経験のある現役監督は西村、八木、末次監督のほか、青野浩彦(東筑)吉田幸彦(飯塚)赤嶺琢(自由ケ丘)鬼塚佳幸(沖学園)各氏の7人となりました。
■2014年秋~23年夏の県内公式戦成績(*は現役)
監督名 | 校名 | 勝-敗 |
西村慎太郎* | 西短大附 | 99-19 |
楠城 徹 | 九国大付 | 93-18 |
八木啓伸* | 福大大濠 | 85-20 |
吉田幸彦* | 飯塚 | 76-26 |
森崎哲哉 | 九産大九州 | 71-19 |
江口祐司 | 筑陽学園 | 70-19 |
杉山繁俊 | 東海大福岡 | 67-19 |
末次秀樹* | 真颯館 | 65-26 |
青野浩彦* | 東筑 | 61-19 |
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