’23選手権福岡大会を振り返る➁~投手編




今年の「バーチャル高校野球」は地方大会においても打撃・投球の詳細な数字が入力されており、これにより個人成績も細かなところまで出せるようになりました。その労に深く敬意を表しつつも一部の試合では未記入項目があるため、全ての項目の数値を拾えなかった選手も出てしまいましたが、確認できた範囲で個人成績を出してみました。

在郷颯人(折尾愛真)

まずは投手編です。対象としたのは3試合以上に登板し、18イニングス(2試合分)以上を投げている投手としました。この条件での防御率トップは折尾愛真・在郷颯人投手(3年)の0.41。22イニングスを投げて自責点1。八幡工、福岡魁誠(7回)を連続完封。4回戦の祐誠戦では0-3の場面から救援に立ち、1点に抑えましたが敗れました。奪三振率、被安打率もトップ5入り。この夏は観戦機会がありませんでしたが、もっと上で投げるのを見たい投手でした。対象を3試合分の27イニングス以上に絞ると九州国際大付・田端竜也投手(2年)の1.22でした。

赤字は各項目のベスト5/名前の青字は27イニングス以上投げた投手/投球回数は3分の1イニングは切り下げ、3分の2イニングは切り上げ/工藤投手は青豊戦の9イニングスの記録不明のため奪三振率、与四死球率は17イニングスでの成績/田邊投手は新宮戦の7イニングスの記録不明のため奪三振率、与四死球率は23イニングスでの成績

奪三振率では唯一2桁を記録した南筑の上川雅陽投手(3年)の11.84。早良戦で11個、3回途中で降板した飯塚戦でも7個の三振を記録しました。27イニングス以上の投手に絞ると真颯館・浦大惺投手(3年)の8.69となります。

1試合当たりの被安打が少なかったのは福岡の廣瀬裕一投手(3年)の3.60。27イニングス以上ではここでも田端投手がトップの成績でした。与四死球率では、久留米高専・金子汰生投手(3年)の0.45。20イニングスを投げて与えた四死球はわずかに1つだけでした。27イングス以上の投手では大牟田・境利月投手(2年)の1.64でした。

18イニングス未満の投手では…

藤原大翔(飯塚)

投球回数18イニングス未満の中から何人か紹介すると、注目を集めた飯塚の藤原大翔投手(3年)は4試合17イニングスで自責点3(防御率1.59)、奪三振率は11.65にのぼりました。福岡大大濠の鯉川晴輝投手(3年)は3試合12イニングスで自責点1(同0.75)、奪三振率9.00という成績でした。

また、久留米商の仁部匡宏投手(3年)は3試合15イニングスながら自責点はゼロ、奪三振率は12.00を記録しています。複数の投手による継投を見せたチームでは祐誠の野田虎徹投手(3年)は4試合15イニングスで自責点1(防御率0.60)、福岡工の高濱稜太投手(3年)は4試合14イニングスで自責点1(同0.64)と安定した結果を残しました。

27イニングス以上投げた投手の中では田端、境の両投手の数字が群を抜いています。特に被安打と与四死球の少なさが目立ち、安定感のある投球をしてきたことがうかがわれます。いずれも2年生。これからの成長もまた、楽しみな二人といえます。

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