【観戦記】希望が丘9-2真颯館(選手権大会準々決勝)




◇希望が丘9-2真颯館(選手権大会準々決勝)

希望が丘が真颯館の3投手から16安打を放ち、7回コールド勝ちで初のベスト4進出を決めた。

▼準々決勝(22日・久留米)〔試合記録
真颯館  000 011 0=2
希望が丘 030 001 5x
=9
(7回コールド)
【真】浦→平山→佐伯【希】江越

希望が丘は2回一死後、5番敷田が左越え二塁打を放つと江越左前打で一、三塁とし、7番松崎の二塁内野安打で先制した。なおも一死一、二塁から江藤が送り、三宮のセカンド左への内野安打で打球が外野に転がる間に2者が還ってこの回3点をあげた。1点差とされた6回は左前打で出た松崎を江藤が送り、三宮のニゴロで三進したあと、1番下田の左前打で再び2点差とした。

7回は一死から4番渡邊が中前打、続く敷田も中前に落として一、二塁から江越の中前打で渡邊が生還。なおも一死一、三塁から打者松崎の時に暴投で江越が二進し、松崎の左前打で2者を迎え入れた。ここで登板した真颯館3番手の佐伯から江藤は二飛に倒れたが、三宮の中前への当たりにセンター飛びつくも及ばず(記録は二塁打)、二死でスタートを切っていた松崎が一塁から一気にホームをついて8-2。下田四球のあと、2番長崎が右前打を放って三宮が生還、コールドゲームとした。

7回裏 希望が丘 一死二、三塁 松崎の左前打で敷田に続き江越も生還

4回まで希望が丘先発の江越に1安打に抑えられていた真颯館は5回、先頭の5番神保が右中間三塁打を放ち、平山の中犠飛で生還。6回は一死から柴田が四球を選び、尾形中飛のあと打者栗野の時に一塁牽制が乱れ三進、さらにファーストからの三塁送球が高投となる間に生還し1点差とした。

しかし得点はこの2点のみ。看板の打線が2安打に抑えられ、投手陣が終盤に力尽きて無念のコールド負けとなった。

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希望が丘の好投手・江越と真颯館打線の対決は、江越に軍配が上がった。

希望が丘・江越

江越は130キロ前後(この日最速137キロ)の直球に力があったことで、110キロ前後のチェンジアップが効果的だった。2回一死一塁では平山をチェンジアップで一ゴロ併殺打に打ち取れば、3回一死二塁で迎えた中軸に対しては直球で押し、栗野は高めの直球で空振り三振、稲垣には低めの直球で中飛に打ち取った。春よりも全体的に体が大きくなり、がっちりとした印象で躍動感あふれるフォームに力強さが加わった。闘志を出した投げっぷりもよく、真颯館打線を神保の安打2本に抑え込んだ。

真颯館・浦

真颯館の先発は浦。左腕から120キロ台後半(同135キロ)にスライダ―、カーブを駆使したピッチング。丁寧に低めに投げていたが、2回は4安打を浴びて3失点。そのうち2本は内野安打で、これがいずれもタイムリーとなった。松崎、三宮の当たりともセカンドの左を襲うゴロ。セカンド栗野も懸命に追ったが、松崎の打球は倒れ込みながら止めるのが精いっぱい、三宮の打球はグラブに当てたが捕球に至らず、外野に転がる間に2人の生還を許した。

5回先頭打者に安打を許したところでライトから平山がマウンドへ。平山は5回一死満塁のピンチは凌いだものの、6回二死三塁では内角直球を下田に左前に運ばれ、7回は4連打を浴びるなど希望が丘打線を抑えきれなかった。

希望が丘打線は7番松崎が4安打3打点、スタメン唯一の左打者である5番敷田も3安打と活躍した。16安打のうち13本が単打。どちらかといえば小柄な選手が多く、コンパクトな打撃で内野の間を抜く打撃を見せる。打順は下位の6番ではあるが江越もこの日2安打1打点で、勝負強さのある好打者。2つの犠打を決めた8番江藤にヒットは出なかったが、それ以外の8人は全員が安打を放つなど上位から下位まで万遍なく単打を重ねた。

5回表 真颯館 無死三塁 平山の中犠飛で神保が生還、1点を返す

真颯館は神保の2安打のみに終わった。5回に放った三塁打はセカンドの左をライナーで破った打球がそのままフェンスまで達する強烈な当たり。平山の犠飛のあとは7番山田がセーフティバントをうまく三塁前に転がしたが、サード敷田の好フィールディングで間一髪アウト。4試合連続2桁安打を記録してきた打線が、江越の直球とチェンジアップに翻弄され、沈黙した。

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