◇大牟田３－２北九州市立（選手権大会４回戦）
大牟田・境、北九州市立・工藤による投手戦が繰り広げられたが、７回の攻防を制した大牟田が競り勝った。
▼４回戦（18日・久留米）〔試合記録〕
北九州市立 ０００ ０００ ２００＝２
大牟田 ０００ ０００ ３０ｘ＝３
【北】工藤【大】境
７回表に２点を先制された大牟田はその裏、５番宮崎が死球で出塁すると、山下の時に暴投で二進。山下の右前打と盗塁で無死二、三塁から、野中も死球で無死満塁。続く８番境の遊内野安打でまず１点。さらに９番大塚の時に暴投で同点に追いつくと、なおも無死二、三塁から大塚がスクイズを決めて、これが決勝点となった。
６回まで大牟田・境の前に１安打に抑えられてきた北九州市立は７回二死後、５番工藤がレフト左への二塁打で出ると、続く行岡の右前打で二死一、三塁。ここで７番長尾がセンター右への二塁打を放って２者が生還、先制点をあげた。
中盤までは大牟田が押し気味に試合を進めた。初回川口が三塁内野安打で出ると、稲田の投前送りバントがフィルダースチョイスとなり無死一、二塁。猿渡（蒼）が送って一死二、三塁と先制点のチャンスを迎えたが後続が凡退。３回は遊内野安打で出た９番大塚を川口が送って一死二塁。さらに稲田も遊内野安打で一死一、二塁としたが、猿渡が投ゴロ併殺打に倒れて得点できなかった。５回も一死から８番境が左前打を放ち、大塚が送って二死二塁としたが川口は一直に倒れるなどチャンスを生かせず先制を許したが、７回に工藤の制球難に乗じて一気に逆転した。
北九州市立は３回一死から８番渋谷が四球を選ぶと徳永が送って二死二塁としたが、吉原が遊ゴロ。４回も中前打で出た２番鎌木を松尾が送って作った一死二塁の好機を生かせなかった。
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序盤から両投手の好投が続いた。大牟田の２年生左腕・境は１３０キロ台半ばの直球（この日最速１３７キロ）で強気に押していくピッチングスタイル。初回いきなり三者連続三振で上々の立ち上がりを見せると、その後も直球を軸に時折スライダーを交えながら６回まで北九州市立打線を１安打に抑えた。制球もよく与えた四死球は１つだけで、快調に飛ばした。
一方、北九州市立の工藤も１３０キロ台半ば（同１３７キロ）の力のある直球に、１１０キロ前後のカーブを低めに集めて打たせてとっていった。初回は自らのフィルダースチョイスもからんで一死二、三塁のピンチを招いたが、４番成清を１３７キロの外角直球で三振、宮崎は変化球で左飛に打ち取った。３回も２本の内野安打で一死一、二塁とされたが、好打者の猿渡を直球で投ゴロ併殺打に仕留めて切り抜けた。
１点勝負の様相を呈してきた７回、いきなり試合が動く。北九州市立は二死から工藤が変化球をレフト左に運んで二塁まで達すると、続く行岡が直球を右前にはじき返して一、三塁。さらに長尾が初球を叩くと打球は右中間へ。センター猿渡が懸命に追って飛びついたがわずかに及ばなかった。二死ということでスタートを切っていた一走の行岡も一気に生還して２点を先制。この間わずか４球という速攻だった。
しかしその裏、リードを得て少し肩に力が入ったか、工藤が制球を乱す。先頭の宮崎に死球を与えると、山下の初球が暴投となり無死二塁に。山下は変化球を一二塁間に運ぶと、次打者の初球に二盗。畳みかける大牟田の攻撃に動揺したか、工藤が再び野中に死球を与え無死満塁となった。境は初球を叩きショート左への高いバウンドのゴロ、これをショートがはじいて（記録は内野安打）１点差。大塚の２球目が暴投となってあっけなく同点となると続く３球目、大塚がスクイズをしっかりと決めて逆転。それまで粘り強く投げてきた工藤にとっては、悔やまれる７回の投球となった。
両投手の力投をバックも好守で支えた。大牟田は８回一死の場面、吉原のサードゴロで一塁送球がショートバウンドになったがファースト野中がうまくすくい上げてアウトに。逆転した直後の回だっただけに流れをグッと引き寄せる大きなプレーで、逆に後逸して一死二塁ともなれば、試合の行方はまだ分からなくなるところだった。
北九州市立の守備陣も無失策で工藤を盛り立てた。５回二死二塁では川口の痛烈なファースト左へのライナーを鎌木が反応よくジャンプして抑え、７回逆転された後、なおも続いた一死三塁の場面では川口のセカンド後方の飛球を前進守備から懸命に追ったショート松尾がまわりこんで好捕し、追加点を阻んだ。
試合時間は１時間４５分に満たなかったが両校の好投・好守が、緊迫感のある好試合を演出した。
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