【観戦記】博多工4-1京都(選手権大会4回戦)




◇博多工4-1京都(選手権大会4回戦)

先発・大野が9回2安打1点の好投を見せた博多工が、京都との接戦を制した。

▼4回戦(16日・春日公園)〔試合記録
博多工 100 100 002=4
京 都 100 000 000=1
【博】大野【京】白石→安藤

博多工は初回、先頭の大賀が左前打で出ると樋口が送って一死二塁。枝元のニゴロで二死三塁とし、4番中間のショート右への内野安打で先制した。同点で迎えた4回は中間が左越え二塁打で出塁し、続く入江の左前打で生還した。1点リードの9回は四球を選んだ5番入江を青木が送り、大野の左前打で一死一、三塁。8番四位の一塁前へのセーフティスクイズが内野安打となる間に入江が還ってまず1点。なおも一死一、三塁から川上も投前にセーフティスクイズを決めて突き放した。

9回表 博多工 一死一、三塁 四位が一塁前にセーフティスクイズを決める

京都は初回、1番加藤が投手のグラブをはじく内野安打で出塁。宮本は中飛に倒れたが3番杉本の時に加藤が二盗を決め、杉本の一ゴロ失で一死一、三塁。杉本の二盗でリードが大きかった三走を刺そうとした捕手からの三塁送球が乱れる間に、加藤が生還して追いついた。

4回は杉本が四球で出ると二盗を決めて無死二塁。白石左飛のあと杉本が三盗を決めて一死三塁としたが、田中、冨田が連続三振。8回は7番松本が中前打で出塁し、代打畠田の時に二盗を決め無死二塁。畠田三振のあと片桐の三ゴロで二死三塁としたが、加藤が二飛に倒れ得点できなかった。

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博多工・大野

2試合連続完封中の博多工・大野が、この試合でも好投を見せた。左足を引き上げる前に軽く反動をつけるフォームから投じる直球は120キロ台半ばから後半(この日最速132キロ)といったところだが、右打者の外角低めに逃げながら落ちていくスライダーが大きな武器。腕がやや遅れて出てくるようにも見え、タイミングも取りづらいのかもしれない。被安打2、与えた四球は一つだけで、9イニングスのうち6イニングスを三人で片づけた。

決してテンポよく投げるわけでなく、1球1球に時間をかけるタイプだ。特にピンチの時は牽制球なども入れながら、じっくりと自分の間をつくってから投げているように感じる。意識してのことかどうか分からないが、そうした打者との駆け引きにも長けている印象を受けた。

京都・白石

京都の白石も8回まで6安打2失点と好投した。130キロ台前半(同133キロ)の直球で押しながら、100キロ台の緩い変化球を交えての投球。直球は高く浮いてボールが先行することも多かったが、四球は2つにとどめて大野との投手戦を演じた。初回の中間のショート右へのタイムリー内野安打も打ち取った当たりだったが、高いバウンドで二塁ベース付近に飛んだ分、ヒットになったもの。4回に中間、入江に長短打を許して勝ち越されたが、5~8回までは1安打に抑えて流れを渡さなかった。

博多工打線は走者が出ると確実に二塁に送って得点をうかがった。9回は四球で出た入江を青木が送り、大野が詰まりながら左前に落とすと8番四位、9番川上が立て続けにセーフティスクイズを成功させ、貴重な追加点を奪った。京都は走者を出したのは1回と4回、8回のみだったが、いずれも積極的に盗塁を仕掛けて得点圏に走者を送った。しかしそこから一本が出なかった。5盗塁を決めた一方で犠打はゼロ。4回一死三塁、8回無死二塁とも強攻を貫いたが、大野の投球が一枚上だった。

福工大城東、糸島と連続完封した大野はこの試合では1点を取られたが、自責点はゼロ。防御率0のまま、次の5回戦ではシード近大福岡に挑む。

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