【観戦記】福岡5-0武蔵台(選手権大会3回戦)




◇福岡5-0武蔵台(選手権大会3回戦)

福岡が見事な先制攻撃で武蔵台の好投手坂本を攻略、投げては廣瀬が8回2安打無失点と好投して快勝した。

▼3回戦(13日・春日公園)〔試合記録
福 岡 210 010 100=5
武蔵台 000 000 000=0
【福】廣瀬→三好【武】坂本

福岡は初回先頭の中嶋が中越え三塁打で出ると、続く三好もセンター左を破る三塁打を放って先制。さらに井﨑も左中間への二塁打で続き、この回2点を先取した。2回は二死から9番廣瀬が中前打。中嶋のニゴロ失で一、二塁とし、三好の右翼線二塁打で廣瀬が生還。5回は一死後、3番井﨑が右中間二塁打で出塁し、松尾がレフト左に落として1点を追加した。7回は一死後、三好が左前打で出ると二盗を決め、井崎の左前打でホームを踏みリードを広げた。

1回表 福岡 無死三塁 坂本が先制の中越え三塁打を放つ

武蔵台は2回一死後、5番泉が右前打で出るとけん制悪送球で二進したが後続が凡退。5回は二死後、8番久保が四球を選んで二盗を決めたが桐原が投飛に倒れ、7回は二死から6番坂本が右翼線二塁打を放ったが熊谷が右飛。廣瀬~三好の継投の前に三塁を踏めず、得点できなかった。

———————————

福岡は昨秋から3番に座っていた俊足巧打の三好を2番に上げ、2年生スラッガーの井﨑、松尾を3~4番に据えた打線が初回から威力を発揮した。

初回、先頭の中嶋は坂本の初球、126キロの直球を叩いた打球がセンター右を破りいきなりの三塁打。続く三好は直球を見送ったあと、103キロのスライダーを狙っていたか、完璧にとらえてセンター左を深々と破り、わずか3球で先制した。さらに井﨑もフルカウントから131キロの直球をセンター左に運び、坂本が調子を整える前に主導権を握った。

2回は敵失をからめてチャンスを掴むと、三好が今度は130キロの直球を右翼線に運んで3点目。5回は井﨑と松尾の長短打、7回は左前打で出た三好が二盗を決めて、井﨑が直球を左前に落として追加点を挙げるなど、2~4番の3人で9安打を放ち全5打点をあげた。この日は5番以下に当たりがでなかったが、上位打線は県内屈指の破壊力といってよさそうだ。

武蔵台・坂本

武蔵台の坂本は出鼻をくじかれたが、その後は徐々に立ち直った。全身を使った躍動感あふれるフォームから120キロ台後半(この日最速132キロ)の直球に100キロ台のスライダーを交えながら、6~9番に対しては20打数2安打。特に右打者の内角低めいっぱいに決まる直球は素晴らしいものがあった。ただ、2~4番に打たれたのもほとんどが直球。少しでも甘く入ると見逃してくれなかった。

それでも、12安打を浴びながら5点で踏みとどまる粘りを見せた。初回2点を失った後の無死二塁を切り抜けると、3回志水の三塁前のセーフティバントには反応良くマウンドを駆け下りて出塁を許さず、5回は1点を失ってなおも一死一塁で5番藤井を三ゴロ併殺打に仕留めた。6回二死二塁ではフルカウントから内角低めいっぱいに直球を投げ込み、廣瀬は手が出なかった。9回は先頭の三好に三塁打を打たれたが、井﨑以下の中軸を打ち取って追加点を与えなかった。

福岡・廣瀬

福岡の先発廣瀬も右サイドハンドから120キロ台の直球(同127キロ)に90キロ台、100キロ台とスピードの異なるスライダーを交えながら安定した投球を見せた。特に低めに落ちていくスライダ―に武蔵台の打者はまったくタイミングが合わず、凡飛を打ち上げた。二塁に走者を背負ったのは二度だけ、4つの四球を与えたものの危なげなく8回を投げ切った。

9回はショートから三好が登板。130キロ台前半(同134キロ)のキレのある直球にスライダ―、カーブを交えて打者3人から2三振を奪って締めた。三好は打っては4安打2打点、盗塁も一つ決め、ショートの守備も軽快、マウンドに上がれば130キロ台の直球を投げる。走攻守に「投」も加えた万能型の選手だ。

福岡・三好

武蔵台は廣瀬の緩い変化球にタイミングがあわず2安打。4つの四死球を生かそうと3度、二盗を仕掛けてきたが成功は一度だけ。反撃の糸口がつかめなかった。

守備陣は失策もあったが、8回無死二塁では中光の投前のバント小飛球に捕手の熊谷が飛びついて好捕。9回二死一塁ではセンターに抜けそうな当たりをセカンド塩月がスライディングしながら抑えて、一塁で刺すなど坂本を中心によく守り、秋春と西日本短大附に善戦した実力の一端は示した。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*