2023夏の注目選手➀~投手編(北部)




第105回全国高校野球選手権福岡大会の開幕まで、あと1カ月となりました。例年この時期は「今夏の注目選手」「(組み合わせ抽選決定後の)各パート展望」などをアップしていますが、今年は新たに「注目校紹介」としてシード校を中心に数校におじゃまし、夏の大会に向けた意気込みを聞いてきたいと考えています。

そういうわけで今月は忙しくなりそうですが、まずは昨秋から今春にかけて観戦してきた中で目に留まった「注目選手」を、3回にわたってピックアップしたいと思います。まずは「投手編(北部)」から。

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飯塚・藤原

昨夏白濱投手(現ロッテ)を擁して準決勝まで進出した飯塚は、今年も140キロ超の速球を持つ右腕2人を擁します。藤原大翔投手(3年)は県内で一、二を争う速球投手。軸足にしっかりと重心をかけ、叩きつけるように投げ込んでくる直球は常時140キロを超えてきます(確認した最速147キロ)。直球だけでなく鋭く落ちるスライダーでも三振が取れるのが強みですが、一方で春の大会準々決勝・福岡大大濠戦では四死球で走者をためた後に痛打を浴びるなど、制球にやや不安を残します。
1年夏からマウンドに立つ中村大輔投手(3年)も140キロ超の直球が武器ですが藤原投手同様、制球が課題。両投手ともコーナーに直球がビシビシ決まると手のつけられない状態になるだけに、そうした投球が期待されます。

九国大付・田端

夏連覇を狙う九州国際大付は2年生左腕の田端竜也投手がエース格に成長しました。130キロ前後のキレのある直球(同135キロ)に、左打者には外に逃げるスライダー、右打者にはチェンジアップやカーブなど縦の変化球を使い、高い安定感を誇ります。
木塚凪咲投手(3年)は長身から投げ下ろす140キロ前後(同141キロ)の角度ある直球が目を引きます。課題はやはり制球力ですが、将来性を感じさせる右腕です。
昨夏優勝の原動力となった池田悠舞投手(3年)は調子を落としているのか今春は背番号17。準々決勝の西日本短大附戦でも4番手での登板となりました。120キロ台後半(同131キロ)の直球でコーナーいっぱいをつき、チェンジアップを低めに集めて凡打の山を築いた昨夏の投球の再現なるか注目されます。

希望が丘・江越

今春4強の立役者となった希望が丘・江越元樹投手(3年)の武器は、打者の手元でスッと沈むチェンジアップ。これに130キロ台前半の直球(同136キロ)を織り交ぜ、準々決勝の大牟田戦では12の三振を奪いました。走者を出してからも粘り強く投げることができる投手です。

秋4強の近大福岡は2年生右腕・田邊周投手が130キロ前後の直球(同133キロ)に90キロ台のカーブ、スライダーなど多彩な変化球を駆使し、内角を厳しく突く強気の投球を見せます。外野からリリーフに立つ大型右腕の宮本翔生投手(3年)は、130キロ前後(同133キロ)の直球に力があります。

秋春とも8強入りした東海大福岡にも好投手が揃います。西村健投手(3年)は130キロ台前半(同135キロ)の直球と落差のあるカーブを低めいっぱいに集め、打たせて取る投球が身上。

東海大福岡・西村

2年生の佐藤翔斗投手は130キロ台なかばの直球(同136キロ)に力があり、スライダー、フォークを交えて三振の取れる大型右腕。春は制球に苦しむシーンもありましたが、まだ伸びしろを感じさせます。
昨秋背番号7をつけて好投した森田竜太朗投手(3年)は投球時に大きく一塁側に踏み出し、腕をクロス気味に振ってくる変則左腕。直球は120キロ前後(同123キロ)ですが、左打者の背中から外角低めに落ちてくる、あるいは膝元に食い込んでくるスライダーがあります。

東筑・安田

東筑の安田創磨投手(2年)は伸びの有る直球にブレーキの利いたチェンジアップを低めに集めて春の大会初戦の九州国際大付戦で好投。戸畑の黒田空零投手(3年)もスライダー、チェンジアップをコーナー低めに決める制球力が持ち味の好投手です。

育徳館の右サイドハンドの馬場亮汰投手(3年)は、右打者の外角低めギリギリのところに落としてくるスライダー、さらに内角への直球に力があります。制球力も抜群で春の福岡中央地区大会準優勝に貢献しました。昨夏8強を上回る活躍が期待されます。

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