【観戦記】修猷館2-1福岡(福岡地区大会3回戦)




【修猷館2-1福岡(福岡地区大会3回戦)】

7回表修猷館一死一、二塁 堤が決勝の左翼線二塁打を放つ

修猷館・武内、福岡・廣瀬、両エースの投手戦となった試合を修猷館が制した。

1-1の同点で迎えた7回、修猷館は先頭の阿南が右前打で出ると、武内が送って一死二塁。藤川は投手前への飛球を打ち上げたがこれを追った捕手が落球(記録は失策)して一死一、二塁となった後、堤が左翼線への適時二塁打を放ち、これが決勝点となった。

先制したのも修猷館。3回、先頭の藤川が左越え二塁打で出塁し、堤が送って一死三塁。続く浅井への2球目が暴投となって藤川が生還した。

1、2、4回と得点圏に走者を送りながら得点できなかった福岡は6回、先頭の中嶋がセンター右を破る三塁打で無死三塁。岩田は浅い左飛、三好ニゴロで二死となったあと、藤井が中前適時打を放って同点に追い付いた。

1点を追う8回は中光の中前打と中嶋四球で無死一、二塁としたが、岩田のバントは三塁封殺され、三好三振、藤井右飛で無得点。9回も一死から井崎が中前打で出塁したが後続が倒れ、ホームが遠かった。

第10回福岡地区高校野球大会3回戦(2023年4月22日・土/春日公園野球場)
       一二三四五六七八九   計HE
  修猷館  001000100 270

  福 岡  000001000 171
  修猷館  打安点   福 岡  打安点 ◆投手成績
(三) 堤  411 (中)中 嶋 310 修猷館 回 安球振責
(右左)浅井 410 (左)岩 田 400 武内    9 7261
(捕)川 村 300 (遊投)三好 410 
(左)石 田 310 (右)藤 井 421 福 岡 回 安球振責

右 平 岩 000 (三)松 尾 410 廣瀬  7 5342
(一)満 岡 210 (一)井 崎 310 三好  2 2120
(遊)尾 辻 400 (捕)武 藤 400
(中)阿 南 210 (投)廣 瀬 200 試合時間
(投)武 内 300 打 金 岡 100 12:49~14:48
(二)藤 川 420 遊 安 村 00
ーーーーーーーーーー 打 近 藤 100
ーーーーーーーーーー (二)中 光 210
振球犠盗残 打安点  振球犠盗残 打安点
64418  2971  62117   3282
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※公式記録ではありません

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修猷館・武内

修猷館の先発武内は、ゆったりした始動からスリークォーター気味に腕を振り抜いてくる右腕。130キロ台前半(この日最速136キロ)の力のある直球と、縦に大きく鋭く落ちてくるスライダーが武器だ。初回は一死から三好に二塁打を許したが藤井をスライダーで空振り三振。2回も一死三塁とピンチを招いたが武藤を遊直、廣瀬をスライダーで見逃し三振に打ち取った。4回の一死二塁もしのぎ、前半5回を3安打無失点に抑えた。

福岡の先発廣瀬は右サイドから繰り出す120キロ台半ばの直球(同129キロ)に110キロ前後のスライダーを軸とした投球。力で押すタイプではないが安定感がある。3回は藤川に甘い直球を左越えに運ばれた後、犠打と自らの暴投で1点を許したが、5回3安打1失点の内容で味方の援護を待った。

福岡の先発・廣瀬

福岡は6回、先頭の中嶋が直球を叩きセカンドの左を破ると、球足速くそのまま右中間を破り中嶋は三塁へ。岩田は浅い左飛、三好もニゴロといずれもスライダーで打ち取られ、この回もチャンスを生かせないかと思われたが、4番藤井が初球のスライダーを投手足元にはじき返す中前適時打を放ち、遂に同点に追いついた。

しかし修猷館は直後の7回、一死一、二塁から1番堤が甘く入って来たスライダーを左翼線に運んですぐに突き放す。ただ福岡バッテリーは続く一死二、三塁でスクイズを外して追加点を許さず、8回からは2番手としてショートから三好を送り込む。三好は昨秋も終盤になって廣瀬をリリーフすることが多く、マウンド経験は十分。登板直後に四球を出したが、120キロ台後半(同131キロ)の直球にスライダーを交え、落ち着いたマウンドさばきでピンチをしのいだ。

8回裏福岡の攻撃が大きな山場だった。先頭の中光が中前打、中嶋が四球を選んで無死一、二塁。ここで岩田の送りバントを武内が思い切って三塁へ送球。きわどいタイミングだったが封殺に成功すると、3番三好を134キロの高め直球で空振り三振、前の打席タイムリーを浴びた藤井にも134キロの直球で右飛に仕留めた。武内はこの勝負処ではスライダーではなく直球で押して、見事に中軸2人を封じた。

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福岡の2番手・三好

修猷館には特別に大柄な選手はいないが9番藤川、1番堤のように甘い球が来ると長打にする力がある。守備陣は無失策。4つのゴロを堅実にさばいたセカンド藤川、9回二死二塁で代打近藤の三塁線への強烈なゴロを倒れ込んで抑えたサード堤、その一塁送球はショートバウンドになったが、これをうまくすくい上げたファースト満岡など、堅い守りで武内を盛り立てた。

福岡は昨秋準々決勝で6番だった藤井を4番に上げ、その藤井が二塁打とタイムリーを含む2安打と気を吐いた。4回の二塁打はセンター右への当たりで思い切りよく二塁を狙い、間一髪で陥れる好走塁。6回には二盗を決めるなど足もある選手だ。松尾、井崎、武藤の2年生3人は体格にも恵まれ、パワーを秘めた打者。この日は6人で2安打だったが打席での雰囲気もあり、今後の成長に注目したいトリオだ。

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