福岡の高校出身の大学生は13人がプロ志望届~今日ドラフト会議




本日20日(木)に行われるプロ野球ドラフト会議。4年前に福岡県下の高校を卒業した大学生は、13人がプロ志望届を提出しています。今の大学4年生たちが高校3年生だった2018年は、春のセンバツに東筑が出場。夏は100回記念大会で福岡から初めて2校の出場枠が設けられ、折尾愛真(北福岡)と沖学園(南福岡)が出場しました。

この世代からは高卒で松井義弥(折尾愛真→巨人=現役引退)、中村宜聖(西日本短大附→ソフトバンク)の両選手がプロ入りを果たしました。2人に遅れること4年、新たにプロ入りを目指す彼らの高校時代から現在までを簡単に振り返ってみたいと思います。

 選手名 大学  高校 守備(投/打) 短評
 渡辺翔太 九州産業大  北九州 投(右/右)  リーグ通算20勝、抜群の安定感
 西 隼人 関西学院大  福大大濠 投(右/左)  150キロ超の直球が武器の本格派
 中村 貴浩 九州産業大  九国大付 外(右/左)  福岡六大学リーグで打点王2度の強打者
 甲斐 生海 東北福祉大  九国大付 内(右/左)  今季3打席連発を記録したスラッガー
 小中 健蔵 西南学院大  九産大九州 内(右/左)  九州六大学リーグで2度の本塁打王
 辰見鴻之介
西南学院大  香住丘 内(右/右)  堅守・俊足の内野手。2年秋に盗塁王
 重松 凱人 亜細亜大  戸畑 外(右/右)  パワーとスピード兼ねる外野手
 寺岡 丈翔
福岡大  東福岡 外(右/右)  逆方向への長打力秘める
 大西 龍聖 駿河台大  東福岡 内(右/右)  左右に長打を放てる内野手
 村上喬一朗 法政大  東福岡 捕(右/右)  小柄ながら2季連続で打率3割超え
 櫻田 晃生 福岡大  真颯館 内(右/左)  攻守にセンスあふれる内野手
 河野 聡太 西日本工大  九産大九産 内(右/左)  捕手と三塁手でベストナイン
 山田 健太 福岡教育大  新宮 内(右/右)  4年秋にリーグ首位打者
渡辺(北九州3年夏)

渡辺翔太投手(九州産業大)は、北九州高3年夏に北福岡大会でベスト4。春までは特筆する成績を残していませんでしたが、140キロ超の直球を武器にのぞんだ最後の夏は、2回戦で3季連続の甲子園出場を狙った優勝候補の東筑を2安打2失点に抑え、11三振を奪う圧巻の投球を見せました。準決勝で優勝した折尾愛真に敗れましたが、ノーシードだった同校をベスト4に導きました。
九州産業大では1年次から主戦として活躍。140キロ後半の直球に変化球をまじえ、福岡六大学野球リーグ4年間で通算20勝2敗。防御率も3年春~4年春にかけてはいずれも1点台と安定した成績を残しました。北九州からは福森耀真投手(2019年楽天)以来となるプロ入りを目指します。

西(福大大濠3年春)

西隼人投手(関西学院大)は福岡大大濠時代は外野手兼投手。1つ上の先輩には昨年ドラフトで指名された三浦銀二投手(法大→DeNA)と古賀悠斗捕手(中央大→西武)がいます。2年春にはセンバツに出場しセンターで先発出場。準々決勝の報徳学園(兵庫)戦ではリリーフとして登板、4回3分の2イニングスで5失点とほろ苦い甲子園のマウンドとなりました。
2年秋以降はエースナンバーを背負いましたが下級生に先発のマウンドを譲ることが多く、3年夏も7番センターでの出場が中心。南福岡大会準決勝・沖学園戦が高校生最後のマウンドとなりました。高校時代は変化球を使って打たせて取るタイプの投手という印象で、投手としてはやや小柄でしたが、大学に入って体がひとまわり大きくなり150キロ超の直球を投げる本格派投手に成長しています。

中村(九国大付3年春)

九州産業大・中村貴浩、東北福祉大・甲斐生海の両選手は、いずれも九州国際大付の出身。3年次は中村選手は1番、甲斐選手は3番に座り、ともに一発のある左の大型打者として強力打線の一翼を担いました。3年春の九州大会優勝を果たしたものの、最後の夏は北福岡大会の2回戦で若松に9回4-0からの逆転負けを喫し、甲子園出場はなりませんでした。

大学に入ると中村選手は2年秋に打点王、3年秋には本塁打・打点の2冠を達成して最優秀選手に選ばれるなど、福岡6大学リーグ屈指の強打者に成長しました。甲斐選手は今年の仙台六大学野球春季リーグで2本塁打、秋季リーグでは3打席連続本塁打を放つなど持ち前の長打力を発揮し、改めて注目を集めています。

小中(九産大九州3年夏)

小中健蔵内野手(西南学院大)は九産大九州の3年夏、南福岡大会で準優勝。村上幸人投手(福岡大)をエースに決勝まで勝ち上がりましたが沖学園に敗れ、甲子園まであと一歩というところで涙をのみました。小中選手はこの時の4番打者。当時は、外野の間を抜く鋭い打球を左右に飛ばす中距離打者という印象でした。大学では2年秋と4年秋にリーグ最多本塁打を記録するなど、長打力にも磨きがかかっています。九産大九州出身としては2020年の岩田将貴投手(阪神)以来のプロ入りを目指します。

西南学院大からは辰見鴻之介内野手もプロ志望届を提出。香住丘ではセカンドでの堅実なプレーが目を引きました。2年夏は9番打者ながら11打数5安打3打点と活躍し、チームの4回戦進出を支えました。大学では2年秋にリーグ最多盗塁を記録しており、その足も大きな武器になっています。香住丘から初のプロ野球選手誕生に期待が集まります。

重松凱人外野手(亜細亜大)は戸畑高時代、高2夏は4番、3年夏は1番打者としてチームを牽引しました。センターでは広い守備範囲を誇り、ヒット性の当たりを好捕するシーンが再三見られました。亜細亜大ではリーグ戦への出場機会は限られましたが、185センチと体格にも恵まれパワーとスピードを併せ持つ選手。昨年は後輩の藤野恵音選手(ソフトバンク)が育成選手としてプロ入りを果たしており、同校から2年連続のプロ入り選手輩出となるでしょうか。

村上(東福岡3年時)

東福岡出身の選手では村上喬一朗捕手(法政大)、大西龍聖内野手(駿河台大)、寺岡丈翔外野手(福岡大)の3人の選手がプロ志望届を提出しました。いずれも主力選手として活躍した当時のチームは、金光雄紀投手(東洋大)を擁して2年秋に九州大会まであと1勝と迫るベスト4。最後の夏は南福岡大会の準々決勝で優勝した沖学園に敗れました。村上選手は小柄ながらパンチ力のある1番打者、大西選手が中軸に座り、寺岡選手は8番ながら右方向に本塁打を放つなど長打力を備えた打者でした。

大学では村上選手は3年秋以降、正捕手に定着すると3年秋、4年春と規定打席に達し、打率3割超をマーク。大西選手は駿河台大で主将を務め、寺岡選手は4年生となった今季になって出場の機会を増やし、春季リーグでは本塁打も放ちました。

櫻田(真颯館2年秋)

櫻田晃生内野手(福岡大)は真颯館が4強入りした2016年夏、1年生ながら2番ショートとして出場。センスあふれる俊足巧打の打者として早くから注目を集めました。2年秋には4番に座り、小倉の河浦圭佑投手(JR東日本)から一発を放つなど長打力もついてきました。3年夏は2回戦で折尾愛真に敗れ甲子園出場はなりませんでしたが、福岡大学では1年からレギュラーとして定着し、全日本大学選手権にも三度出場するなど大舞台を踏んできました。

河野聡太捕手(西日本工大)は九産大九産時代はショートを守り、2年夏は本塁打を記録、3年夏は4回戦で優勝した沖学園に敗れましたが、3試合で打率5割の成績を残しました。大学でも捕手、三塁手でそれぞれベストナインに輝いています。山田健太内野手(福岡教育大)は高校時代にプレーを見る機会がありませんでした。新宮では2年次より4番打者、大学では4年春に打率.480を記録、福岡六大学野球リーグの首位打者を獲得しています。

今年はどの選手がプロへの扉を開くことになるのか。プロ野球ドラフト会議はいよいよ本日行われます。

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