【観戦記】福岡大大濠3-1福工大城東(福岡地区大会準決勝)




【福岡大大濠3-1福工大城東(福岡地区大会準決勝)】

3回表福岡大大濠一死一、三塁 北嶋の左前打で山下が生還

福岡大大濠が救援登板した森本の好投で、ロースコアの接戦を制した。

1点を追う福岡大大濠は4回、3番山下が中前打で出ると、けん制悪送球で二進し、藤田の右飛で三進。黒田四球で一死一、三塁から6番北嶋の左前打で同点に追い付いた。さらに5回一死後、2番吉田の中堅左への本塁打で勝ち越すと、8回は5番黒田が左中間三塁打を放ち、続く北嶋の左前打で1点を追加して突き放した。

先制したのは福工大城東。2回、4番近松がレフト右を破る二塁打で出塁し、廣渡が送って一死三塁。木村のスクイズが内野安打となる間に近松が生還した。3回も先頭の谷口が中前打で出ながら永野の捕前送りバントが2-6-3の併殺となり逸機。4回も死球で出た廣渡が二盗を決めて無死二塁としたが、木村がニゴロ。ここで登板した2番手の森本から内田が四球を選び石松が送って二死二、三塁としたが代打中村が遊ゴロに倒れて得点できなかった。

5回一死二塁の好機を逃すと、6~8回は敵失の走者を一人出しただけ。9回も一死から内田が中前打で出たが後続が倒れ、尻上がりに調子をあげた森本をとらえきれなかった。

第9回福岡地区高校野球大会準決勝 (2022年4月30日・土/小郡市野球場)
         一二三四五六七八九   計HE
  福工大城東  010000000 161

  福岡大大濠  00011001x 391
 福工大城東 打安点  福大大濠  打安点 ◆投手成績
(二)谷 口 410 (二)友 納 400 城 東 回 安球振責
(左中)永野 310 (三)吉 田 421 内 田   8 9393
(三一)前川 410 (遊)山 下 410 
(右)近 松 410 (捕)藤 田 410 大 濠 回 安球振責

(一)廣 渡 200 (中)黒 田 210 若田部  3.1 4321
三 中 尾 000 (一)北 嶋 432 森本      5.2 2120
(捕)木 村 411 (右)高 尾 200 
(投)内 田 310 (左)井上優 310 試合時間
(遊)石松優 100  左 八 島 100 12:53~15:01
打 岩 下 100 (投)若田部 100
(中)松 岡 100  投 森 本 300
打左 中村 200
打 倉 重 100
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残  打安点
44218  3061  93109  3293
※公式記録ではありません

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福岡大大濠の先発・若田部

福岡大大濠は背番号18の若田部が先発。長いリーチを生かし、サイドハンドに近いスリークォーターから130キロ前後の直球に大きなカーブを交えてくる。制球にすぐれ、ポンポンとストライクをとってくるが、2回はやや単調になってしまった。先頭の近松に初球の直球をレフト右を破られる二塁打を許し、続く廣渡も初球を送りバント。木村にはワンボールのあとの2球目にスクイズを決められ(記録は内野安打)、わずか4球で1点を先制された。

福岡大大濠・森本

3回は谷口に直球を叩かれてセカンド左を破られる。永野の送りバントは捕手藤田の好判断に助けられ併殺としたが、続く前川にも左前打。直球が捕らえられ始める中で福岡大大濠ベンチの判断も早く、4回一死二塁の場面で左腕の森本にスイッチした。

森本は昨年の夏の大会で好投を見せ、新チームでは絶対的なエースと見られていたが、昨秋の準々決勝・飯塚戦では調子を落としていたのか4番手での登板。今大会も背番号11ということでその出来が注目された。登板直後はいきなり四球を与えたものの無失点でしのぐと、5回からは大きなカーブでカウントをとれるようになり、これで投球に余裕ができた。特に左打者へのカーブは背中から入ってくる形となり、思わずよける打者もいるほど。直球とカーブのコンビネーションが冴え、終わってみれば5回3分の2を投げて2安打1四球。許した走者は味方の失策による一人を加えて4人だけという好投を見せた。

福工大城東・内田

福工大城東のエース内田は、力のある直球にキレのあるスライダーを武器に力投。三振も9つ奪ったが、直球が高めに外れることも多く、カウントを悪くする場面が目立った。それでも四球を3つにとどめ、走者を出しながらも最少失点で抑える粘りを見せた。特に4回は同点に追い付かれた後も高尾に四球を与えて一死満塁とピンチを背負ったが、逆転は許さず流れを一旦は断ち切った。

4回裏福岡大大濠一死 吉田が中越え本塁打を放ちホームへ

打者では福岡大大濠の6番北嶋が3安打2打点と活躍。好機で勝負強さを見せた。2番吉田の本塁打は、打った瞬間それと分かる当たり。昨秋9番打者で出場した準々決勝の飯塚戦でも2本塁打を放っており、長打力のあるところを改めて示した。
4.5番を担う藤田、黒田の2年生コンビも長打を1本ずつ放つなど、切れ目のない打線となっている。今年も大型選手はいないが、コンパクトに振って外野の間を抜く打球が打てる打者が揃った。

福工大城東は、若田部からは3回までに4安打を放つなど甘い球を確実にとらえた。特に4番の左打者・近松は力強いスイングを見せる好打者。ただ、5回以降は森本の前に沈黙。投打ともまとまった好チームだが、全体的に福岡大大濠の力が勝った印象だった。

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