
【筑陽学園5-0九産大九州(福岡地区大会準決勝)】

筑陽学園の先発・盛田が九産大九州を完封、打線も好機に適時打が飛び出して快勝した。
1~3回と毎回のように得点圏に走者を送りながら無得点に終わっていた筑陽学園は4回、一死から6番豊田が中前打で出塁し、野田が左中間を破る三塁打を放って先制。続く小野原の時に暴投で野田も生還、この回2点を挙げた。
5回は一死後、3番矢野がセンター右への二塁打で出ると木竹、小森の連続死球で一死満塁とし、豊田の右前打で2者が生還。なおも一死一、三塁から野田も右前打を放って1点を追加し、5-0とリードを広げた。投げては先発盛田が九産大九州打線を5安打に抑えて完封した。
九産大九州は初回一死後、河原の右前打と二盗などで二死一、二塁としたが佐藤が中飛。2回には右前打で出た久木を濱田が送り一死二塁としたが轟が捕邪飛、園田が左飛に倒れた。
5点を追う5回も、右前打で出た永田を園田が送り、澁田の中前打と二盗で一死二、三塁の好機を迎えたものの河原が三振。緒方死球で満塁としたが、竹本が遊直で得点できなかった。6回以降は敵失と死球の走者を出したのみで、反撃の糸口をつかめなかった。
第9回福岡地区高校野球大会準決勝 (2022年4月30日・土/小郡市野球場) |
一二三四五六七八九 計HE 筑陽学園 000230000 581 九産九州 000000000 050 筑陽学園 打安点 九産大九州 打安点 ◆投手成績 (遊)高 倉 300 (二)澁 田 410 筑 陽 回 安球振責 (右)網 治 310 (右)河 原 310 盛 田 9 5440 (二)矢 野 310 (三)緒 方 300 (捕)木 竹 400 (捕)竹 本 300 九 州 回 安球振責 (三)小 森 300 (一)佐 藤 400 轟轟 4.1 6635 (一)豊 田 422 (左)久 木 410 永 田 4.2 2230 (左)野 田 532 (中)濱 田 210 (中)小野原 110 (投) 轟 100 試合時間 (投)盛 田 400 投 永 田 210 9:55~12:10 ーーーーーーーーーー 打 重 松 100 ーーーーーーーーーー (遊)園 田 200 ーーーーーーーーーー 打 内 山 100 振球犠盗残 打安点 振球犠盗残 打安点 685211 3084 44329 3050 ※公式記録ではありません |
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筑陽学園は背番号10の盛田が先発した。春季大会でも登板し、130キロ台の直球にカーブと縦に落ちるスライダー系の変化球を持つ右腕。この日は変化球を軸とした投球だったが、序盤はストライクとボールがはっきりする球が多かった。3回までは2つの四球に2安打を許して毎回走者を背負ったが、決定打は許さなかった。
最大のピンチは5回。2安打と盗塁で一死二、三塁とされたが、左打者の河原を内角低めに落ちるスライダーで三振。死球で満塁となった後、4番竹本にはカーブをうまく合わされたが遊直となり無失点でしのいだ。6回以降は無安打に抑えて二塁を踏ませず、危なげなく完封した。全体を通してボールが先行する投球だったが、緩急をうまく使って打たせてとった。

九産大九州の先発は轟。春季大会は背番号10だったが、今大会はエースナンバーを付ける。重心を落として始動するスリークォーター気味のフォームから、130キロ前後の直球にチェンジアップ、スライダ―を投じてくる。ポンポンとストライクをとってくるのが身上だが、この日は直球を外角いっぱいにズバッと投げ込んだかと思えば、高く浮いてしまうなど制球が不安定だった。
3回までは3つの四球を出しながらもしのいできたが、4回はチェンジアップが真ん中に入ったところを野田に鋭く叩かれた。5回は安打と2つの死球で満塁のピンチを招くと、右打者の豊田、野田にいずれも初球に投じたスライダーをライト前に運ばれて降板。4回途中、6安打6四死球という不本意な内容に終わった。
筑陽学園は6、7番が全打点を稼いだ。5回は一死満塁から、豊田が初球のスライダーを逆らわずに右方向に運んだ。変化球を右方向に持って行くことを意識していたような打撃だったが、右打者への連続死球の後の初球ということで外への変化球を読んでいたのかもしれない。続く野田も初球の変化球を右方向へ。2人の積極的な打撃が大きな3点をもたらした。
守備ではライト網治の好守が目についた。8回、緒方の右中間を抜けようかという当たりを落下点まで一直線に追って好捕、同じ回には佐藤の浅いファールフライをよく突っ込んでスライディングキャッチで抑えるなど、守備範囲の広さを見せた。
捕手の木竹は強肩を披露した。4回二死一塁で濱田が二盗を敢行、この時の投球は外角低めの変化球だったが難しい体勢から素早く正確な送球で刺した。筑陽学園の捕手は楠、酒見などがこれまで先発出場してきたが、この日先発のマスクを被ったのは2年生の木竹。4番に座った打撃では無安打だったが、チーム内の競争の激しさを感じさせる。

九産大九州は2番手永田の好投が光った。5回表で5-0となり、なおも一死一、二塁の場面で登板。追加点を許せばコールドゲームも危惧される場面だったが、送りバントで二死二、三塁とされた後、盛田のピッチャー返しを反応よく抑えて切り抜けた。
6回も網治の三塁打に四球と盗塁で一死二、三塁とピンチを背負ったが、4番木竹、5番小森を連続三振。小森には2-2から5本ファールで粘られ、フルカウントまでいったが根負けしなかった。7回以降は1安打に抑え、試合を引き締めた。左スリークォーターからの、低めにスッと落ちるスライダーが武器。左打者にはしっかりと内角を直球で突いたことで、外に逃げるスライダーが有効だった。
セカンド澁田はセンターへと抜けそうな小飛球をダイビングキャッチ。サード緒方も三塁線のゴロを落ち着いてさばくなど守備陣は無失策。打力向上が夏への課題となった。
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