【観戦記】東海大福岡11-2福岡(春季大会準々決勝)




【東海大福岡11-2福岡(春季大会準々決勝)】

5回表東海大福岡二死二塁 入江が中越え三塁打を放つ

17安打で11点をあげた東海大福岡が、福岡に7回コールド勝ちを納めた。

東海大福岡は初回一死後、北原が中前打を放つと、続く間世田の左前に落ちるヒットで外野からの返球が逸れる間に一気に三進(間世田も二塁を狙ったが一・二塁間で挟殺)。二死三塁から松山四球のあと、5番入江が左前に落ちる幸運なヒットで先制した。4回は4番松山が中前打で出ると、ここで登板した2番手の亀田から入江が二塁強襲安打。さらに能登の投前バントで一塁送球が乱れて無死満塁とし、7番生田が左越え本塁打を放って4点を加えた。

5回は二死後、松山、入江がともにセンター左を破る二塁打を放って1点を追加。2点を返された直後の6回は生田左前打のあと、福田の投前バントは二塁封殺されたが渡邉左前打で一死一、二塁から、清水の打球はセカンドの前でイレギュラーするヒットとなり福田がホームイン。なおも一死一、三塁から北原中前打で渡邊も生還すると、間世田も中前打で続き一死満塁として亀田をKO。福岡は先発の池田を再登板させたが、松山の右前打で2者が還り、さらに一、三塁から入江の一塁強襲安打で間世田が生還。この回5点を挙げてリードを広げた。

初回一死三塁の同点機を逃した後、4回まで三者凡退に抑えられていた福岡は5回二死後、7番小林が左越え三塁打で出塁。藤田は振り逃げで一、三塁とし、9番亀田の左前打でまず1点。さらに二死一、二塁から三好の左前打で藤田が還り、この回2点を返した。しかし6回に5点を失ってリードを広げられた後は、6回7回とも三者凡退に終わり、無念の7回コールド負けとなった。

第150回九州地区高校野球福岡大会準々決勝 (2022年4月3日・日/北九州市民球場)
        一二三四五六七八九  計 HE
  東海福岡  1004150   11170

  福  岡  0000200   02043
 東海福岡  打安点  福  岡  打安点 ◆投手成績
(二)清 水 521 (遊)三 好 321 東海福 回 安球振責
(中)北 原 531 (二)藤 川 200 松山  6 4032
(右)間世田 420 (右)藤 井 300 入江  1 0010
(投左)松山 332 (捕)田 川 300 

(左投)入江 443 (一三)松尾 300 福 岡 回 安球振責
(一)能 登 300 (投一投)池田 200 池田  3.0 3102
一 上 嶋 000  投 廣瀬裕一 000 亀田  2.1 11028
(三)生 田 424  打 新 田 100 池田  0.2 2000
(三 田 中 200 (左)小 林 310 廣瀬裕一 1 0100
(捕)福 田 400 (中)藤 田 300
(遊)渡 邉 310(三)中 光 100 試合時間
----------- 投一 亀田 111 09:57~11:43

 振球犠盗残 打安点  振球犠盗残 打安点
 22116 351711  40103 2542
※公式記録ではありません

—————-

東海大福岡・松山

東海大福岡の打者が放つ快音が、初回から球場内に響き渡った。

先制打となった入江の左前打こそ、深く守っていたレフトの前に落ちる幸運なヒットだったが、続く能登の一打はセンター左を破ろうかという当たり。これを福岡のセンター藤田が快足を飛ばして倒れ込みながら好捕。2回の生田のライナー性の当たりも、藤田が思い切りよく前進してダイビングキャッチ。3回の清水の一打もレフト小林が判断よく前進してスライディングキャッチで抑えるなど、序盤は快心の当たりが福岡の外野陣の好守に阻まれてきた。

それでも東海大福岡の打棒は中盤以降、さらなる猛威を振るう。4回、松山が投手足元を破る中前打を放つと、ここで福岡ベンチは右腕の亀田にスイッチしたが、入江のセカンドを襲う強烈な一打は、藤川はグラブに当てて内野安打に抑えるのが精一杯。能登の犠打が送球ミスを招いて満塁とすると、生田が初球の128キロの外角直球を逆らわずに叩き、左翼席に運んだ。

福岡の先発・池田

5回は松山、入江の中軸2人の連続二塁打で加点。6回も東海大福岡の猛攻は止まず、9番渡邉からの6連打で試合を決めた。この試合、1~5番までで14安打。特別体の大きな打者はいないが、球足の速い打球が左右に飛んだ。

東海大福岡の先発はエースナンバーをつけた松山。左腕から縦に落ちるチェンジアップ、100キロ台のカーブを見せながら、直球で押し込む投球を見せた。直球の球速表示は120キロ後半~130キロ前半だったが、この直球に福岡の打者は差し込まれた。驚くようなスピードではないものの、福岡の各打者が再三詰まらされているところを見ると、球の出どころが見づらいのかもしれない。

福岡・亀田

福岡は背番号3の左腕・池田が先発。サイド気味のフォームから120キロ前後の直球、左打者への外に逃げる100キロ台のスライダー、手元で少し沈むように見える変化球を使いながら東海大福岡打線にのぞんだ。緩い変化球をうまく打たせ、また味方の好守にも助けられて3回まで1失点で踏ん張った。

4回途中から登板した亀田は130キロ近い直球にスライダーがあるが、甘く入ったところを痛打された。5安打を浴びた6回はこのうち3本が初球を打たれたもの。初球の入り方にもうひと工夫が必要だったかもしれない。ストライクを揃えすぎたことで、東海大福岡の各打者に早いカウントから思い切りよくスイングをさせる結果となった。

5回裏福岡二死一、二塁 三好の左前打で藤田が生還

福岡は3つの失策が出たが、前述のように外野手は判断の難しいライナー性の当たりにも判断よくスタートを切って、好守を連発した。捕手の田川は4回、満塁本塁打を打たれた後の一死一塁で二盗を敢行した渡邊を刺し、その後ヒットで出た清水が再び盗塁を仕掛けてきたが、これも刺すなど強肩ぶりを披露。打線も5回に二死から3本のヒットを連ねて2点を返すなど、持ち前の粘りも発揮した。

ただ、こうしたプレーをかすませてしまうほどの東海大福岡の猛攻であった。

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