第94回選抜高校野球大会の「21世紀枠」の九州地区推薦校が、12月10日(金)に選出されます。
九州各県の推薦校は下表の通りです。今回で22回目を迎える21世紀枠の選考ですが、九州地区推薦校には、これまで21回のうち19回までが「直前の九州大会に出場した公立校」が選ばれています(センバツ21世紀枠推薦校一覧)。2019年は各県推薦校に九州大会出場校がいませんでしたので、それを除くと実に20回のうち19回までが前記の条件に合致しています(唯一の例外は2013年、九州大会出場の多良木〔熊本〕は選ばれず大島〔鹿児島〕が九州地区推薦校に)。
今年は秋の九州大会に出場した公立校のうち、大分舞鶴(大分)と小林秀峰(宮崎)がそれぞれの県で推薦校に選ばれました。九州大会はともに初戦で敗れたものの、大分舞鶴は準優勝した大島(鹿児島)に降雨引き分け再試合を含む2試合で善戦。小林秀峰は長崎日大を相手に5回まで5-0とリードしながら、エースの負傷降板もあって逆転負けを喫しましたが、いずれも有力候補です。福岡県の推薦校は福岡高校ですが、上記のような過去の選考経緯を踏まえると厳しい状況です。
21世紀枠はもともと「高校野球の模範的な姿を実践している学校を、勝敗にこだわらずに選ぶ」ものとされ、基準として「少数部員」「自然災害など困難な環境の克服」「学業と部活動の両立」などが挙げられています。ただ、九州地区では「秋の九州大会に出場している公立校」というのが事実上、推薦校を選ぶ一つの基準となっているようです。
福岡県の場合、九州大会に出場するには福岡大会で少なくとも5試合、最大7試合に勝って決勝まで進出せねばならず、参加校の少ない他県と比べて厳しい条件であることは否めません。九州地区で福岡県は長崎県と並んで21世紀枠での甲子園出場がない「空白県」ですが、この先もこの空白を埋めるのは容易ではなさそうです。
いずれにせよ、この8校の中から九州地区推薦校が1校選出され、来年1月28日(金)のセンバツ選考委員会で全国9地区の推薦校から21世紀枠の3校が選ばれます。
<九州各県の21世紀枠県推薦校>
校名 | 秋成績 | 主な推薦理由(毎日新聞などから抜粋) |
福岡 | 県8強 | ・進学校として文武両道を実践している ・近年好成績をあげながら甲子園出場に恵まれていない |
鹿島 | 県4強 | ・文武両道を掲げ、学力とスポーツの競技力向上に力を注いでいる ・限られた練習時間を工夫し、結果につなげている |
諫早農 | 県4強 | ・近年好成績をおさめている ・農業実習や地域でのボランティアなどに取り組んでいる |
大分舞鶴 | 九州大会 1回戦 |
・近年好成績を残している ・班に分かれて練習するなど工夫して、効率化を図っている |
熊本北 | 県16強 | ・限られた時間内で分単位の練習に取り組んでいる ・小学生野球チームなどとの交流を通じて野球人口の拡大を図っている |
小林秀峰 | 九州大会 1回戦 |
・少子化で3校が統合された中「西諸から甲子園」を合言葉に生徒が集まり、努力する姿が地域から応援されている ・地域でのボランティア活動 |
国分中央 | 県4強 | ・秋の好成績 ・他の運動部も九州・全国大会に出場するなど活躍、野球部の活躍も評価 |
北山 | 県4強 | ・本島北部の地域的環境を克服、少数部員ながら好成績を収めた |
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