【観戦記】福岡第一10-2北筑(秋季大会準々決勝)




【福岡第一10-2北筑(秋季大会準々決勝)】

福岡第一5回裏一死二塁、宮島が左前適時打を放ち8点目

福岡第一が13安打で10得点と効率のよい攻めを見せて北筑に打ち勝った。

1点を先制された福岡第一は1回裏、先頭の石田が中前打で出ると坂本が四球を選んで無死一、二塁。北井が送った後、高は二飛に倒れたが、5番宮島が三遊間を破って2者が生還して逆転した。
3回は右前打で出た石田を坂本が送り、3番北井の右中間二塁打でまず1点。高の右前打で北井が生還する間に二塁を狙った高は一・二塁間で挟殺されて二死となったが、宮島がレフト右に、末永が左翼ポール際に連続本塁打を放ち、この回4点を挙げた。

4回は、この回から登板した北筑・藤原から8番江口が四球を選ぶと、川波が送って石田の遊ゴロで二死三塁とし、藤原のボークで江口が生還。5回には中前打で出た北井を高が送り、宮島の左前打で1点を追加した。6回にも右前打で出た川波を石田が送り、坂本の左越え二塁打で7点差をつけると、北井一ゴロで二死三塁から高が右前適時打を放ってダメ押しの10点目を挙げた。

北筑は初回、先頭の藤原が右前打で出塁すると、続く古澤の時にバスターエンドラン(左前打)が決まり、無死一、三塁。藤井は遊邪飛に倒れたが、八汐の右前打で先制した。
5回は6番大場が左前打で出ると、大倉も右前打で続き、三宅もバスターの構えから右前に落として無死満塁とし、途中出場の岩崎の中犠飛で1点を返した。しかし続く一死一、二塁を生かせず無得点。8安打を放ちながら3つの内野ゴロ併殺打を喫するなど、福岡第一・川波に要所を締められて反撃できなかった。

第149回九州地区高校野球福岡大会準々決勝 (2021年10月17日・日/北九州市民球場)
       一二三四五六七八九   計 HE
  北 筑  1000100    02080

  福岡一  204112x    10131
 北  筑  打安点  福岡第一  打安点 ◆投手成績
(二投)藤原 310 (三)石 田 320 北 筑 回 安球振失
(三二)古澤 310 (左)坂 本 211 森安  3 7146
(左一)藤井 310 (遊)北 井 321 藤原  3 6114
(一三)八汐 311 (二) 高  322 

(捕)山 田 300 (捕)宮 島 434 福岡一 回 安球振失
(遊)大 場 310 (中)末 永 311 川波  9 8012
(中)大 倉 320 (右)小 嶋 310 
(右)三 宅 310 (一)江 口 200 試合時間
(投)森 安 100 (投)川 波 210 12:31~14:00
左 岩 崎 100  
   
振球犠盗残  打安点  振球犠盗残 打安点
10104  2682   52534 2513
※公式記録ではありません

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福岡第一・川波

長打力に小技もからめた攻撃で北筑投手陣を攻略した福岡第一の快勝だった。

この試合、福岡第一は2回を除いて毎回のように先頭打者が出塁し、その走者をいずれも犠打で送る手堅い攻めを見せた。5度の送りバントが全て成功したことで攻撃のリズムも生まれ、タイムリーを呼び込む流れが続き、主導権を握り続けた。得点には直接つながらなかったが3つの盗塁(うち2つは重盗)を決めるなど、足を使った攻撃も見せた。

各打者もよく振れていた。1番石田は先頭打者として2安打を放ちチャンスメイクの役割を果たした。2番坂本も初回に粘って四球を選びチャンスを広げると、6回は風にも乗ってレフトオーバーの大きな当たり。北井・高・宮島の中軸は走者を置いた場面でいずれも結果を出し、3人で7打点を挙げた。6番末永も内角高めの直球を巻き込むように振り抜いて左翼ポール際に叩き込んだ。特別体が大きな選手がいるわけでもないが、コンパクトなスイングでクリーンヒットを重ねた。

北筑先発の森安

投げては1年生左腕の川波が好投。120キロ前後(この日の最速125キロ)の直球と100キロ台のチェンジアップをテンポよく投げ込んだ。目を見張るような球があるわけではないが、丁寧にコースを突いて打たせてとるタイプの投手。内野ゴロ併殺で三度ピンチを切り抜けたように低めの制球力に優れており、四球はおろかスリーボールになったのもわずか一度。北筑打線の早打ちもあったが、7回をわずか69球で投げ切った。

北筑の初回の攻撃は鮮やかだった。藤原が直球を一・二塁間に運ぶと、古澤もバントの構えからコンパクトにレフト左へはじき返した。八汐も直球を逆方向に打ち返し、幸先よく先制した。さらに一死一、三塁の好機だったが、山田が遊ゴロ併殺打で畳み掛けられなかった。

1回表北筑一死一、三塁 八汐が先制の中前適時打を放つ

4回も無死から左前打で出た藤井を一塁に置いて4番八汐の一打は投手足元を襲う強い当たりだったが、セカンドの守備範囲内で痛恨の併殺打。5回は三連打で満塁とし、岩崎の当たりは中堅後方を襲う大きな一打。三塁走者はタッチアップから悠々と生還したが、二塁走者がハーフウェイから帰塁して三塁に進めず、追加点が奪えなかった。走者を出した後の攻撃の差が勝敗を分けた。

北筑先発の森安は右上手から120キロ台後半(同130キロ)の直球に100キロ台のカーブを軸にした投球を見せたが、甘く入った直球を狙われた。3回の北井のタイムリー、宮島、末永の一発などはいずれも130キロ弱の直球を振り抜かれたもの。低めを突いた川波と比べると、全体的に球が高かったか。

北筑・藤原

3回からはセカンドから藤原が登板。内野兼務の投手らしく、あまりテイクバックをとらず外角低めに直球(同126キロ)、90キロ台のチェンジアップを集めたが、5回には宮島に、6回には高にいずれもチェンジアップを引き付けて叩かれ、失点した。

森安、藤原とも四死球はそれぞれ1つずつと制球を乱す場面はなかったが、好調の福岡第一打線を抑えられなかった。

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