【観戦記】西日本短大附5-0真颯館(選手権大会決勝)




【観戦記】西日本短大附5-0真颯館(選手権大会決勝)

▼決勝(27日・久留米)
真颯館  000 000 000=0
西短大附 101 011 10x=5
【真】松本(翔)【西】大嶋

1回裏西短大附二死二塁、三宅の左前打で林が先制のホームイン

真颯館の好投手・松本翔から12安打を放って5点を奪った西日本短大附が、エース大嶋の好投で真颯館打線を3安打に封じて快勝、11年ぶりの優勝を完封で飾った。

西日本短大附は初回二死後、林(直)が四球で出ると、続く三宅の時にけん制に飛び出し一・二塁間で挟まれたが、真颯館内野陣の連携ミスもあって二進(記録は盗塁)。直後に三宅が左前打を放って、二塁から林が生還した。
3回は二死から2番池田が左中間を破る三塁打を放つと、続く林の左越え二塁打で1点を加えた。5回は一塁左への内野安打で出た1番江口を池田が送って一死二塁。林の右飛で江口が三進したあと、三宅が左翼線二塁打を放って江口を迎え入れ、3-0とリードを広げた。

さらに6回は6番穴井の三ゴロが一塁悪送球を誘い無死二塁。今田が送って一死三塁から蓑田は一ゴロに倒れたが、大嶋が右前に落として穴井が生還。7回にも一死から三宅の左越え二塁打のあと、5番山口(雄)がレフトの右を破る二塁打を放って、ダメ押しとなる5点目を奪った。

4回まで無安打の真颯館は5回二死後、8番山田がチーム初安打を放つが、松本(翔)が三振。6回には一死から2番三浦が四球を選ぶと、白川の時にヒットエンドランが決まり(左前打)一、二塁と得点圏に走者を進めたが、4番森田は三振、5番田崎は一ゴロに倒れて無得点。
7回にも二死から山田の中前打と暴投で二死二塁としたが、松本が一ゴロ。低めに変化球を集める大嶋の投球の前に3安打に封じられて三塁を踏めず、反撃の糸口をつくることができなかった。

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西短大附・大嶋

西日本短大附の先発・大嶋が、決勝の舞台で最高の投球を披露して、チームを11年ぶりの甲子園に導いた。

2日前の飯塚戦で176球を投げた影響が懸念された大嶋だったが、この日は130キロ台後半(この日最速144キロ)の直球に伸びがあり、スライダーやチェンジアップなど変化球も低めの厳しいコースに決まった。特に110キロ台のチェンジアップは落差もあり、真颯館の各打者はこの球をひっかけての内野ゴロが目立ち、特にショートへのゴロは8個(うち1つは失策)。変化球を意識させたことで、直球に差し込まれた外野への浅い飛球も多かった。
変化球が甘く入った飯塚戦とは見違えるような投球で、4回までは味方の失策による走者を2人出しただけ。テンポよくアウトを重ね、攻撃のリズムをつくった。

一方、真颯館の松本の調子は、準決勝までと比べて今一つに映った。直球はこの日も最速143キロを計測したように力があったが、ボールになる球が多く球数を要した。走者を背負った場面での勝負球もやや甘く、初回は4番三宅に、3回は池田と林(直)にいずれも直球を痛打され、3回までに2点を失った。

真颯館・松本翔

直球を狙われていることを感じとったのか、バッテリーは4回からチェンジアップも交え始めたが、やはり制球がままならない。5回は二死二塁から、スプリットを三宅に叩かれて3点目。決め球のスプリットまで打たれ厳しい投球を強いられるようになった松本は、その後も毎回のようにヒットを許し、球数の増えた終盤は抜けた球も見られるなど、これまでにない苦しいマウンドとなった。

西日本短大附は3~5番で5安打4打点。うち3本が二塁打と、長打力で松本を一気に攻略した。中でも3安打2打点の4番三宅は、2本のタイムリーはいずれも芯で捕らえた快心の当たりで、7回の二塁打もレフトのラバーフェンス上部に当たる大きな一打。あとひと伸びあれば柵越えという当たりだった。この三宅の強打は、準々決勝・準決勝と1桁安打に終わっていた打線に自信を与えたか、2回を除く毎回の12安打を放ち、相手に流れを渡さなかった。

7回裏西短大附一死二塁、山口(雄)の左中間二塁打で三宅が生還

大嶋は5回二死から初安打を許すと、6回は一死一、二塁と初めて得点圏に走者を背負った。4番森田には3-0となったが、ここから追い込むと最後は外角低めのスライダーで空振り三振。田崎もスライダーで一ゴロに打ち取って得点を許さない。前日7個与えた四死球はこの日は1つだけと、この日は制球力も抜群だった。
7回は一転、140キロを超える直球で押し、この日最速の144キロを計測。二死二塁のピンチをしのぐと、8回9回は三者凡退。真颯館に三塁を踏ませることなく完封した。

真颯館は初回の守りが痛かった。二死一塁で松本がけん制で林を誘い出し一・二塁間で挟んだが、ショートが一塁方向に追っていった時に、二塁ベースががら空きになる痛恨のミス。ショートから一塁ベースカバーに入ったセカンドにボールが渡ると、林は誰もいない二塁ベースを悠々と陥れた。その直後に三宅のタイムリーが飛び出し、序盤の主導権を西日本短大附に渡す結果となってしまった。

打線も大嶋の変化球に手を焼き、内野ゴロを重ねていった。その中で8番の1年生山田が2安打と一人気を吐いたが、流れを変えるには至らなかった。

最後に理想的な試合運びで福岡136校の頂点に立った西日本短大附。好投手・大嶋に、中軸を中心に破壊力十分の打線を擁し、全国の舞台に挑む。

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