【観戦記】真颯館4-2筑陽学園(選手権大会準決勝)




【観戦記】真颯館4-2筑陽学園(選手権大会準決勝)

▼準決勝(25日・久留米)
真颯館  000 202 000=4
筑陽学園 000 200 000=2
【真】松本(翔)【筑】藤田→木口→村田

4回表真颯館二死二、三塁、山下(明)が左前に2点適時打を放ち先制

真颯館が筑陽学園・藤田を中盤に攻略、エース・松本(翔)が強打の筑陽学園を2点に抑えて逃げ切った。

初回二死二、三塁の先制機を逃した真颯館は4回、3番白川が中前打で出ると、続く森田の時にヒットエンドラン(左前打)が決まり無死一、二塁。松本(涼)が送って二、三塁とし、津留はニゴロに倒れたが7番山下(明)が三遊間を破り2者が還って先制した。
同点で迎えた6回は白川が四球を選び、森田が送って一死二塁とすると、5番松本(涼)が左中間二塁打を放って白川が生還。代打佐藤三振のあと、8番山田の中前打で松本(涼)も還って、この回2点を奪って突き放した。

4回裏筑陽学園一死二塁、野田が左翼線二塁打を放つ

2回一死二塁、3回無死一塁の好機を逃した筑陽学園は4回、3番向井のセカンド左へのゴロが一塁悪送球を招き無死二塁。増田は遊ゴロに倒れたが、5番野田が左翼線二塁打を放ってまず1点。なおも一死二塁かから6番春山の中前打で野田もホームを踏み、同点に追いついた。

2点を追う6回にも先頭の向井が左前打で出塁したが、後続が凡退。7回も左前打で出た春山を小野原が送って一死二塁としたが、8番楠が三振、9番木口も投ゴロに倒れてチャンスを生かせなかった。
9回にも先頭の野田が左前打を放ったが、春山が三振。小野原、代打白藤とも内野ゴロに倒れて試合終了。6回以降、毎回走者を出しながら真颯館の松本(翔)から得点を奪えなかった。

———————————

大会屈指の左腕・松本翔とチーム打率4割超・筑陽学園打線の対決は、松本に軍配があがった。

真颯館・松本(翔)

松本はこの日も序盤から140キロを超える直球(この日最速143キロ)に威力があり、筑陽学園の打者は差し込まれるシーンが目立った。2回3回と先頭に四球を与えたが、後続をきっちりと打ち取り3回までノーヒット投球。4回はやや中に入ったスプリットを野田に、直球を春山に叩かれて同点に追い付かれたが、後続は断って流れを渡さない。

6回に味方が2点を勝ち越した後も、試練の投球は続く。6回は先頭の向井に左前打を許し4番増田にはチェンジアップを左翼ポール際まで運ばれるが左飛に抑え、前の打席タイムリーの野田もチェンジアップで二ゴロ併殺打。あまり使ってこなかったチェンジアップをここで多投してピンチをしのぐ。
8回は一死から網治にセカンド左への内野安打を許し、打席は3番向井。初球は136キロの直球でストライク、さらに直球を続けてファールを誘い、最後は121キロのスプリットで空振り三振。4番増田も直球で押し込み左飛。直球は9回も141キロを記録するなど衰えず、筑陽学園に決定打を許さなかった。

筑陽学園・藤田

左腕・藤田に対しては、準々決勝の先発メンバーだった左打者の加藤、田崎に替えて、右打者の松本(涼)、津留を配してのぞんだ。特に、春の大会では活躍しなが今大会6打数無安打と不振で3回戦、準々決勝では先発を外れていた松本(涼)を5番に起用する策が、ズバリと的中する。松本は第一打席こそチャンスで捕飛に倒れたが、4回無死一、二塁できっちりと送りバントを決めると、6回の一死二塁では左中間を破る勝ち越しの一打を放つ。4回も右打者の山下(明)が139キロの内角球を叩いて三遊間を破る先制打を放つなど、好機に右打者が期待に応えた。

6回は1点を勝ち越し、なおも二死二塁の場面で、筑陽学園ベンチは前の打席タイムリーの山下を申告敬遠して、左の山田との勝負を選んだが、ここまで5割以上の打率を残している1年生が投手の足元をしぶとく破るタイムリー。体の線は細いが、その打撃センスは確かで、驚異の8番打者となっている。

筑陽学園・木口

これまでの試合で失敗が目立っていた送りバントも、この試合では三度試みて全て成功。4回は無死一、二塁では松本(涼)が絶妙の送りバントで山下の2点タイムリーを演出し、6回も無死一塁から森田が送って二塁に進んだ白川が、松本(涼)の二塁打で生還した。これまでの試合、送りバントを失敗した選手を交代させるなど厳しくのぞんできた真颯館ベンチの姿勢が、この大事な一戦で実った。

筑陽学園・村田

筑陽学園の藤田は完封した福岡大大濠戦と同じように、130キロ台後半(この日最速141キロ)の直球にチェンジアップ、スライダーを交えた投球を見せたが、初回から2安打を浴び、3回にはチェンジアップを松本(翔)に右中間へ運ばれる。ここはライト網治のダイビングキャッチに救われたが、序盤から真颯館打線に捕らえられた。
3回までは何とか無失点で抑えてきたが、4回は3安打を浴びて2失点、6回も四球からピンチを招き2本のタイムリーを浴びてこの回で降板。6回を投げて被安打8与四球2という内容だった。特に調子が悪いようには見えなかったが、真颯館打線の力が一枚上だった印象。
7回から登板した木口は走者を許しながら130キロ中盤の直球を軸に2回無失点で踏ん張り、最後はエース村田も投入して流れを変えにかかったが及ばなかった。

福岡大大濠・毛利から11安打を放った打線は4回に野田、春山の長短打で追いつくなど、今大会初めて松本から1試合で2得点をあげ、力のあるところを示した。6回以降も毎回のように安打を放ち、松本にプレッシャーをかけ続けたが、要所で威力ある直球にスプリット、チェンジアップを交えられてあと一本が出なかった。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*