【観戦記】西日本短大附9-8飯塚(選手権大会準決勝)




【観戦記】西日本短大附9-8飯塚(選手権大会準決勝)

▼準決勝(25日・久留米)
飯  塚 031 200 200=8
西短大附 000 014 031=9
【飯】白浜→小串→鎌倉→中村→中山【西】大嶋

9回裏西短大附二死満塁、林が右中間にサヨナラ打を放つ

両チームあわせて19安打21四死球の乱戦となったが、飯塚投手陣の制球難に付け込んだ西日本短大附が6点差をひっくり返して2大会連続の決勝進出を決めた。

同点で迎えた9回裏、西日本短大附は先頭の7番今田が四球を選ぶと、続く蓑田の三塁前バントで二塁封殺を狙った送球が逸れて無死一、二塁。ここで登板した飯塚・中山に大嶋は三ゴロ(三塁封殺)、江口も中飛に打ち取られたが、2番池田が四球を選んで二死満塁とし、3番林(直)がフルカウントから右中間にサヨナラ打を放って試合を決めた。

6点を追う西日本短大附は5回、四球で出た1番江口を池田が送り、林(直)の遊ゴロで二死三塁とし、打者三宅の時に暴投で江口が生還。6回は一死後、8番蓑田が中前打、続く大嶋も中前打で一、二塁。2者連続の死球で1点を返すと、ここで登板した3番手鎌倉からも2者連続で押し出し四球を選び、5番山口(雄)の右犠飛でこの回4点をあげて1点差に迫った。
3点を追う8回は江口、池田が連続四球で無死一、二塁とし、救援に立った4番手中村から3番林がバックスクリーン右へ本塁打を放って同点に追いつき、9回のサヨナラ劇につなげた。

序盤、試合を優位に進めたのは飯塚。2回4番芳賀が四球で出ると、松尾の右前打で一、三塁とし、6番日比野がセンター右を破る二塁打を放ち2者が生還。藤田が送った一死三塁から、8番奈木野がスクイズを決めてこの回3点を先制した。3回は一死から2番平田が中前打、3番中山四球で一、二塁。芳賀三振のあと、松尾の右前打で1点を追加した。
4回も奈木野が中前打、白浜の投前バントは二封されたが、月成の右前打で一、二塁。平田右直のあと、中山が右中間三塁打を放って2点を加え、6-0とリードを広げた。

6-5と1点差に迫られた直後の7回には芳賀中前打、松尾右中間安打で無死一、三塁とし、日比野の左前打でまず1点。なおも一、二塁で近藤のバントは一飛となったが、奈木野の中前打で松尾が生還してこの回2点を加え、8-5とリードを広げた。
しかし、投手陣が5回以降に10個の四死球を与える乱調もあり、最大6点あったリードを守れなかった。

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2回表飯塚無死一、三塁、日比野の右中間二塁打で芳賀が先制のホームイン

疲れがピークに達する準決勝。6日間で3試合目の登板となった両投手がピリッとせず、試合は序盤から激しい点の取り合いとなった。

4回までは完全な飯塚ペース。2回無死から芳賀が死球で出ると、松尾は初球を叩きつけてファーストの左を破り、日比野は高めの直球を右中間にはじき返して、あっという間に2点を先取。3回は二死一、二塁で松尾がチェンジアップを右前に運び、4回は安打の走者2人置いて中山が直球を捕らえると右中間を真っ二つ。4回までに7安打に3つの四死球をからめて6点を奪った。

大嶋は130キロ台半ばの直球(この日最速141キロ)にスライダ―やチェンジアップなどを交えた投球を見せたが、全体的にキレがないように感じた。大嶋の早々の降板、さらにコールドゲームさえも想定されるような4回までの展開だった。

西短大附・大嶋

ただ、飯塚の先発・白浜も制球が不安定で、2回は3つの四球を与えて一死満塁。ここは下位打線を退けたが、3回も先頭打者に四球を与える。4回は一死から連打を浴び、蓑田の一打はレフト左を破るかと思われたがレフト藤田の好捕に救われ、辛うじて無失点に抑える。
しかし5回、三たび先頭打者に四球を与えると自らの暴投で生還を許し、さらに死球、中前打と続いたところで飯塚ベンチは交代を決断。2番手の右サイドハンド・小串は穴井を左飛に抑えて6-1で5回を終了。1点は返されたものの、飯塚の優位は動かないはずだった。

飯塚・白浜

雲行きが怪しくなりはじめたのは6回裏。一死一塁から大嶋の一打はピッチャー返し。高いバウンドに小串がグラブを差し出したが、わずかに届かずセンター前に抜けていく。紙一重のプレーだったが、これを捕っていれば1-6-3の併殺。西短の大逆転はなかったかもしれない。
ここから小串の制球が狂い始め、江口に死球を与えて満塁とすると、続く池田にも死球で押し出し。飯塚ベンチは3番手の鎌倉を送り込んだが、林、三宅と連続四球でさらに西短に2点が転がり込む。
4人連続四死球で、球場も異様な雰囲気になる中、続く山口(雄)はワンストライクからライトへ痛烈な打球を飛ばす。ドライブがかかった難しいライナーをライト月成がジャンプして最後は倒れ込みながら捕球したが、三走が悠々タッチアップから本塁へ。これで1点差。試合の行方は分からなくなってしまった。

それでも飯塚は直後の7回、4番芳賀以下、松尾、日比野と3連打を浴びせて1点を加えると、一死後、奈木野にも中前打が飛び出し8-5。直後の7回裏を立ち直った鎌倉が西短の攻撃をわずか7球で片づけ、流れは再び飯塚に傾いたかと思われた。
しかし8回、2者連続四球で、再び球場がざわつき始める中、飯塚ベンチは1年生右腕の中村にスイッチ。投球練習では135キロ前後の直球を投げ込み、腕もよく振れているように見えた。対するはここまで3打席無安打(1四球)の林。1-1からの3球目。高めの直球を叩いた打球は高々とセンターに上がり、そのままバックスクリーン右に飛び込む。6点あった差を、ついに追いついた瞬間だった。

8回裏西短大附無死一、二塁、林が同点のとなる3点本塁打を放ち生還

こうなるともう、西短の勢いは止まらない。9回先頭の今田が四球を選ぶと、続く蓑田の三塁前バントは明らかに強く、二塁封殺かと思われたが、送球が乱れて一、二塁。この絶体絶命のピンチに飯塚はセカンドの中山がマウンドに上がる勝負手を放つ。新聞報道では中山の志願の登板だったそうだが、1年生では荷が重いと見ての判断だったか。

無死一、二塁で、当然のように送りバントを試みる大嶋に対して、ファーストが猛然とダッシュをかける。これを見て西短ベンチはヒッティングに切り替えたが、三ゴロで松尾がベースを踏んで一死。江口も中飛で二死となったが、池田は1-2と追い込まれながら粘って四球を選ぶ。これで二死満塁。
打席は8回に同点本塁打を放った林。スライダーが2球外れ、大きく天を仰ぐ中山。それでもスライダーでストライクをとるとファールで追い込み、ファール、ボールでフルカウント。ラストボール、中山渾身の外角直球を叩いた一打は右中間へ、ライト月成が懸命に追って飛びついたが、その先で白球が弾み、激闘に終止符が打たれた。

飯塚・中村

飯塚は、白浜が降板したあとの投手の出来が誤算だった。5回戦、準々決勝といずれも白浜が完投したため出番がなく、久々の登板が準決勝の大舞台。日曜日ということで多くの観客の前での試合となったことも影響したか。
打線は、九州国際大付の山本を打ち崩した力を十分に見せつけた。中山、芳賀、松尾、日比野ら中軸の打球の速さは、今大会随一と言ってよいだろう。

西日本短大附は相手投手の制球難で得点のおぜん立てをしてもらった感は否めないが、それでも林の本塁打、サヨナラ打は快心の当たり。土壇場での勝負強さは、さすがであった。
大嶋は、この試合に限っては12安打7四死球といいところがなかったが、最後までマウンドに立ち続けた。エースを降ろし、リードしているにも関わらずどこか余裕のなさを感じた飯塚に対し、リードされている西短の方に勢いを感じられたのは、最後までエースがマウンドにいたからかもしれない。

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