この春、印象に残った選手たち④~野手編




この春、印象に残った選手たち、最終回は野手編です。野手は投手に比べてパフォーマンスを見る機会も限られるため、なかなか評価も難しいのですが、「印象に残った」という意味で4人を挙げたいと思います。

真颯館・森田

■森田琢朗(真颯館/左/二塁手/3年)
春の大会準優勝校・真颯館の4番打者です。右方向に強く引っ張る力に秀でた左のスラッガーで、春の福岡大会では準々決勝の福工大城東戦で4打数3安打5打点。敗れはしましたが決勝の九州国際大付戦でも4打数2安打1打点。いずれの試合も右越えに本塁打を放っています。
特に九州国際大付戦では県を代表する右腕の山本投手からの一発。ややバットの先かと思われた当たりでしたが、高々と上がった打球はそのままフェンスオーバーし、パワーのあるところを見せつけました。
守ってはセカンドとして機敏な動きを見せるほかリリーフ投手としてマウンドにも上がるなど、文字通りチームの中心選手です。

戸畑・藤野

■藤野恵音(戸畑/右/遊撃手/3年)
1年夏から不動のトップバッターとして活躍してきました。ファーストストライクから積極的に打ちに行く俊足巧打の打者というイメージでしたが、久々にプレーを見た今春は大きな当たりも打てる中距離ヒッターという印象に変わりました。広角に打てるのも特徴で、右方面の長打も目立ちます。
この春は戸畑の試合を3試合を観戦しましたが13打数7安打3打点で、うち4本が長打でした。北九州市長杯準々決勝の八幡工戦では、北九州市民球場のセンターバックスクリーン左に大きな一発を打ち込むなど3安打と大暴れ。1番打者ということでまずはチャンスメイクが役割ですが、この打者の前に走者をためることができるかどうかで、戸畑の得点力も大きく変わってきそうです。

東福岡・山本

■山本直樹(東福岡/右/一塁手/3年)
打力のある東福岡打線で2番に入りますが、左方向へ大きな当たりを打てる強打の2番打者です。春の福岡大会3位決定戦では、戸畑の好投手・竹下の直球をライナー性の当たりで左越えに運ぶ本塁打を放つなど、3安打3打点と活躍。九州大会の藤陰(大分)戦では2打数1安打で、その1安打がチャンスでのタイムリー二塁打と、勝負強さもあります。本塁打を放っても淡々とダイヤモンドをまわる姿も印象的で、精神的な落ち着きもありそうです。中軸を張る力も十分にあるこの選手が2番に入ることで、打線に厚みを感じさせます。

福岡第一・朱

■朱 裕辰(福岡第一/右/右翼手/3年)
1試合(4打席)を見ただけですが、いい打者だな、という印象を持ちました。観戦した春の福岡地区大会準決勝(春日戦)は5番に座り、3打数1安打2打点。最後は三振に倒れましたが第二打席では左翼ポール際にあわや本塁打という大きな一打。1-1の同点の場面で迎えた第三打席では春日・飯田投手の外角低めの力ある直球を中前に鋭く弾き返すタイムリー。ヒットは1本だけでしたが長打力とミートの確かさが垣間見えました。走塁では二盗を決め、ライトの守備でも右翼線のライナーを好捕するなど、走攻守にわたって目に留まるプレーを披露しました。

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6月18日(金)にはいよいよ第103回全国高校野球選手権福岡大会の抽選会が行われ、対戦相手が決まります。今年も一昨年同様、3回戦までを南北に分けて行い、32校による県大会となります。開幕は当初予定されていた7月3日(土)から6日(火)に変更。合同開会式は行われず、初日に各球場で選手宣誓などに限った「開始式」が行われます(6月5日配信・朝日新聞デジタルより)。

2年ぶりとなる夏の甲子園を目指す戦いが、間もなく始まります。

 

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