センバツ21世紀枠、県推薦校に宗像を選出




 福岡県高校野球連盟は12日、第92回選抜高校野球大会の「21世紀枠」県推薦校として、宗像を選出したと発表しました。宗像が県の推薦校となるのは初めて。選出の理由について毎日新聞は「県高野連は推薦理由を『県立の進学校でありながら県ベスト4まで進み、優勝校をあと一歩まで追い詰めた』とした。宗像は昨年度創立100年を迎え、近隣の高校と協力して毎年、小学生を対象にした野球教室を開くなどしている」と報じています。
 宗像は全国大会、九州大会とも出場実績はありませんが、8月の福岡中央地区新人大会で準優勝すると、秋の福岡大会では右サイドハンドの中村投手を中心とした堅い守りで東海大福岡、九産大九州といった強豪に競り勝ってベスト4に進出。準決勝でも優勝した福岡第一を相手に7回まで4-3とリードしましたが逆転で敗れ、惜しくも九州大会出場は逃しました。

 九州各県の推薦校もすでに決まっており、白石(佐賀)、大村(長崎)、大分国際情報(大分)、球磨工(熊本)、宮﨑北(宮崎)、枕崎(鹿児島)、本部(沖縄)がそれぞれ選出されています。今回で20回目を迎える21世紀枠の選考ですが、九州地区では過去19回のうち18回までが「直前の九州大会に出場した公立校」が推薦校に選ばれています(センバツ21世紀枠推薦校一覧)。

 ところが今年は、石垣島から部員12人で初めて九州大会出場を果たした八重山農林、同じく長崎県の離島・大島から58年ぶりに九州大会に出場した大崎などの公立校が県の21世紀枠推薦校に選ばれず、九州大会に出場した公立校が各県の21世紀枠に1校も推薦されないという、異例の年になりました。特に八重山農林は「離島」「少人数」という21世紀枠推薦のキラーコンテンツを抱え、県の推薦はもちろん、九州地区推薦校も有力と思われていただけに意外な選出となりました。逆に他校にとっては、九州地区推薦校に選ばれるチャンスが広がったと言えます。

選出校 秋季大会  主な推薦理由・特徴
宗像 県4強 近隣の高校と協力して毎年、小学生を対象にした野球教室を開催
白石 県4強 秋の佐賀大会準決勝では初の九州大会出場を逃したものの、接戦を演じた
大村 県8強 サッカー部などと共同で校庭を使用。授業や模試で練習時間が限られるなど制約の多い環境下で秋8強
大分国際情報 県4強 学校に練習場がなく公営施設を借りながら、少ない時間の中で練習に励んでいる。2015年創部で県内で一番新しい野球部
球磨工 県16強 専用グラウンドがなく課外授業などで練習時間も限られる中、毎年高い戦績を残す
宮崎北 県4強 平日の練習時間が2時間に限られる中、工夫して練習しボランティア活動にも積極的
枕崎 県4強 進学校で学業と部活動を両立させながら毎年安定した戦績を残している
本部 県8強 2年生中心のメンバーで夏は初戦敗退も、8月の新人中央大会4強。秋も優勝した沖縄尚学に善戦

 12月13日(金)にはこの8校から九州地区推薦校が選出され、来年1月24日(金)のセンバツ選考委員会で全国9地区の推薦校から21世紀枠の3校が選ばれることになりますが、八重山農林ほどのインパクトのあるチームは見当たらず、どこが九州地区推薦校に選ばれるがまったく読めません。ただ、明豊、大分商の2校のセンバツ出場が確定的な大分の大分国際情報、前回熊本西が21世紀枠で選出された熊本の球磨工は、地域性で少し厳しいかもしれません。地域性や推薦理由などから宗像、大村、宮﨑北、枕崎あたりから九州地区推薦校が選ばれると、個人的には予想しています。

 宗像は、同じ宗像市にある東海大福岡との定期対抗戦の後に開催している少年野球教室が地域貢献活動として評価されそうで、激戦区の福岡大会で4強と成績上位であること(大村、本部、球磨工は8強以下)、福岡県は長崎県と共に21世紀枠でのセンバツ出場がない地域であること、などもポイントとして挙げられます。期待して、吉報を待ちたいと思います。

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