【観戦記】東筑9-8自由ケ丘(選手権大会準々決勝)




【東筑9-8自由ケ丘(選手権大会準々決勝)】

5回裏東筑無死満塁、友廣が中前適時打を放ち1点を追加

 両校あわせて20安打、22四死球が飛び交う乱戦となったが、東筑が自由ケ丘の猛追を振り切って逃げ切った。
 2点を追う東筑は3回、2番植田が中前打で出ると暴投で二進。藤原の捕邪飛で三塁をうかがった植田を見て、捕手が三塁送球するがこれが逸れて一死三塁とし、和久田が中前に落として1点を返した。4回は8番友廣が四球、大森の送りバントが捕手の一塁悪送球を招き無死一、三塁。手嶋遊飛のあと、植田の中犠飛で追いついた。5回は先頭の3番藤原が四球。ここで登板した2番手岩崎から和久田も四球を選び、江藤の三塁前バントが内野安打となって無死満塁。楠田の押し出し四球で勝ち越した。さらに3番手大庭から岩橋が死球を受け、友廣の中前打、大森の押し出し四球でこの回4点をあげた。
 さらに6回一死後、和久田四球、江藤右前打で一死一、三塁から楠田が左前打を放ち1点を追加。8回は和久田の右前打、江藤の中前打のあと、楠田のバントは捕邪飛となったが、岩橋の左前打で和久田が生還。友廣中前打で一死満塁とし、大森の中犠飛で2点を加えリードを広げた。

3回表自由ケ丘一死一、二塁 大庭が先制の左中間二塁打を放つ

 先手を取ったのは自由ケ丘。3回一死から2番深町が四球を選び、松岡の左前打で一死一、二塁。続く4番大庭が左中間二塁打を放って2点を先制した。同点に追いつかれた5回は深町左前打のあと、ヒットエンド・ランで松岡の叩きつけた一打は遊内野安打となり、無死一、三塁。大庭のニゴロ併殺打の間に深町が生還した。4点を追う7回は9番田中(竜)、海辺が連続四球。深町のニゴロで海辺が二塁封殺された一死一、三塁から、松岡の左前打で1点を返した。
 4-9で迎えた9回は1番海辺が右前打で出ると、深町の投ゴロを藤原が二塁悪送球、さらに松岡死球で無死満塁とし、ここで登板した松本丈から大庭が押し出しの四球を選んでまず1点。続く川原の遊ゴロで二塁封殺される間に深町が還って2点目。山口四球で再び満塁とし、7番中島が3番手の和久田から左前打を放って3点目。なおも一死満塁から岩男の遊ゴロ(二塁封殺)の間にもう1点を加えて1点差とし、二死一、三塁と一打同点の場面をつくった。しかし最後は田中(竜)が三振に倒れ、あと一歩及ばなかった。

▼準々決勝(26日・久留米)
自由ケ丘 002 010 104 =8
東  筑 0
01 141 02x =9


 両校投手陣が激戦による疲れの蓄積からかピリッとせず、合わせて22個の四死球が飛び出す乱戦となった。

自由ケ丘の先発・鶴村

 自由ケ丘は、5回戦の真颯館戦で6失点のエース大庭に代わり、2年生の右腕・鶴村が先発。4回まで5四球と制球に苦しみ、5回の先頭打者に6つ目の四球を与えたところで降板した。それでも100キロ台のカーブを見せながら120キロ台後半の直球で内角を突く投球で3安打2失点でしのいだ。2番手の岩崎もバントヒットを挟んで2つの四球を与えると、大庭がマウンドへ。ただ、大庭もやはり本調子ではなかったかタイムリー1本と2つの四死球を与えて東筑の勢いを止められなかった。直球は130キロ台後半(この日の最速141キロ)だったが、甘く入ったところをはじき返され、8回は決定的な2点を失った。

自由ケ丘・大庭

 一方、東筑の先発・藤原は、5回戦の博多工戦から中2日でのマウンドだったが、こちらも序盤からボールが先行する苦しい投球。直球の抑えが利かず、5回を除いて毎回のように四死球を出し、その数は8回までに8個にのぼった。疲れの色が濃くなってきた後半はスライダーに頼る投球となり、何とか大崩れはせずに耐えてきたが、9回無死一塁で投ゴロに打ち取った当たりを併殺を焦って二塁への送球が乱れ、次打者の松岡に死球を与えたところで降板した。
 松本(丈)は100キロ台のカーブを中心に据えた投球だったが、登板直後いきなりストレートの四球。川原にも痛打を浴び、この打球はショート松本(光)の好プレーに救われたが、続く山口に死球で降板。するとセンターの和久田がマウンドへ。実戦登板は1年ぶりということだったが、130キロ超の直球に100キロ台のカーブを交える堂々たる投球。タイムリーと内野ゴロで1点差とされ、なお一、三塁という場面だったが、田中(竜)を直球2つで追い込むと、最後は外角へのカーブを振らせてゲームを締めた。

東筑・藤原

 東筑打線は12安打と好調を維持。5回の4点は、5つの四死球によって転がり込んできた得点だったが、8回は大庭から4安打に犠飛を絡めてダメ押しの2点。これが結果的に大きかった。守備では9回、1点を返され5-9、なおも無死満塁の場面で川原の放ったショート右への痛烈なゴロを、この回途中から守備に入っていた松本(光)がうまく体を反応させて倒れ込みながら抑え、二塁で一つアウトを取ったプレーが大きかった。抜けていれば6-9でなお無死満塁というケースだった。
 多少の失点はものともせずベスト4まで勝ち上がってきた強打・東筑。2年前の快進撃を思わせる豪快・奔放な野球で、2年ぶりの優勝まであと2つとした。

 


 

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