【観戦記】福岡大大濠14-4門司学園(選手権大会4回戦)




2回裏福岡大大濠二死一、二塁 深浦が先制の右前打を放つ

【福岡大大濠14-4門司学園】
 10安打に10四死球を絡めて14点をあげた福岡大大濠が、門司学園を6回コールドで下した。
 福岡大大濠は2回二死後、6番山城が四球、宮本も死球で一、二塁から8番深浦がライト右へ適時打を放って先制。なおも一、三塁から白石の遊ゴロ失でこの回2点をあげた。4回はこの回先頭の山城が左越え本塁打を放ち1点を追加。5回にも一死から4番星子が右前打で出ると二盗を決め、溝田の左中間二塁打で生還。さらに山城の左前打で溝田も還り2点目。なおも二死一塁から宮本の左中間二塁打で山城が一気に本塁を突いて、この回3点を加えた。
 2点差に迫られた6回は一死から1番杉村が左前打、続く友納の左前打をレフトが後逸する間に杉村が生還。さらに一死二塁から三者連続四球で1点を追加すると、山城の三ゴロが本塁悪送球を呼び、2者が生還し10-4。なおも一死一、三塁で登板した門司学園の2番手・内藤から、宮本がスクイズを決め溝田が生還。その後も3者連続四球で12-4とし、最後は友納が門司学園3番手・坪井の初球を右中間に運んで2者を迎え入れてコールドが成立した。

 5回二死満塁の好機を逃した門司学園は6回、この回から登板した山下を攻め、5番嬉野の代打杉山、6番村上颯が四球を選び、代打福間の送りバントが内野安打となり無死満塁。ここで8番大磯が左前打を放って2点を返した。なおも無死一、二塁から9番小島の投前バントが三塁へのフィルダースチョイスを誘い、再び無死満塁とすると、1番村上凌のニゴロで4-6-3の併殺を狙った一塁送球が逸れる間に2者が還って、この回4点を返した(村上凌は2塁へ)。
 さらに浅海右飛で村上凌が三進、横田四球で二死一、三塁としたが4番村上慶が三振に倒れ追撃もここまで。その裏に投手陣が乱れて8点を失い、コールド負けを喫した。

▼4回戦(19日・小郡)
門司学園 000 004= 4
福大大濠 020 138=14(6回コールド)


門司学園・大磯

 両校の投手陣が制球に苦しみ、守備の乱れもあってやや大味な試合となった。
 焦点は2回戦で九産大九産・古山、3回戦で福岡・轡水と左投手に苦しんできた福岡大大濠打線を、同じ左腕の門司学園・大磯がどこまで抑えられるかだったが、その大磯が序盤からつかまった。
 初回は三者凡退、2回も簡単に二死をとったが、山城に四球を与えてからリズムが狂いだす。宮本にも死球を与え、投手ながら長打力があり、春までは中軸を担っていながらこの試合では8番まで打順が下がっていた深浦にライト右に先制打を浴びた。4回には真ん中に入ったスライダーを山城に左翼芝生席に運ばれ、5回は4連打を浴びて3失点。いずれも変化球が真ん中に甘く入ってきた球を叩かれた。もともとスライダー、チェンジアップを低めに集めて打たせるタイプだけに、高く入ってしまうと痛打を浴びるのもやむを得なかった。

福岡大大濠・深浦

 福岡大大濠の先発は左腕の深浦。切れのある直球を早いテンポで投げ込んできた。5回を投げて4安打無失点だったが、4つの四死球を与えるなど制球力に課題を残した。3-0で迎えた5回は、2安打と四球で二死満塁のピンチを背負い4番村上慶にはライト右に弾き返されたが、ライトの守備範囲内だったのが幸いした。抜けていれば走者一掃だっただけに、ヒヤリとした当たりだった。
 6-0とリードを広げた6回表からは背番号1の山下がマウンドへ上がったが、立ち上がり直球が高く抜けて連続四球。続く福間の送りバントをサードとどちらが処理するか一瞬の躊躇があり内野安打にしてしまう。無死満塁から大磯に2点打を浴び、なおも無死一、二塁から小島の送りバントを三塁送球するが、送球前に握り直した分、フィルダースチョイスとなり再び無死満塁。村上凌をニゴロに打ち取り4-6-3の併殺コースだったが、ショートからの一塁送球が乱れ、三走に続き二走まで生還し、これで2点差。にわかに福岡大大濠ベンチも慌ただしい雰囲気となったが、山下がその後の二死満塁のピンチを抑え、踏みとどまったことで、その裏の反撃につながった。

福岡大大濠・山下

 2点差となり勝負の行方は俄然、分からなくなっただけに、大磯としてはその裏の攻撃をきっちりと抑えたかったが、一死から連打を浴び、味方の失策も重なって1点を失うと、緊張の糸が切れたか3者連続四球。さらに内野陣が乱れて決定的な4点を失い大磯はここで降板、大勢が決してしまった。

 福岡大大濠打線は2回以降、甘く入ってきた球をコンパクトに振り抜き10安打。過去2試合、3番だった山城を6番に下げるなど打順を一部組み替えてきたが、その山城が本塁打を含む2安打と気を吐くなど、打線がよくつながった。
 門司学園も5回は2安打で二死満塁と迫り、6回も山下や福岡大大濠内野陣の乱れを突いて2点差まで追い上げるなど、ここまで2試合で25得点をあげた打撃で粘り強く戦ったが、頼みの大磯が福岡大大濠打線を抑えられなかった。


Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*