2019夏の注目選手たち③(打者編・北部)




 「今夏の注目選手」シリーズの3回目は北部の打者編です。打者は1試合だけの内容や成績だけでは判断しづらいため、なるべく複数の試合を観戦した選手の中から個人的に印象に残った10人をピックアップしてみました。

【右打者】
◆葛城 陸(九州国際大付=3年/外野手)
 180センチ超の立派な体格から放たれるレフト方向への大きな当たりが魅力で、その打球は痛烈です。1年秋から中軸を担い、昨春の福岡大会準決勝では小倉の好投手・河浦(現JR東日本)から一発。九州大会でも2本の本塁打を放つなど優勝に貢献しました。昨秋からは4番として打線を引っ張り、決勝の筑陽学園戦でも一発を放ちました。今春はチーム事情からか出場機会はなかったようですが、この夏は北部を代表する右のスラッガーとして、活躍が期待されます。

◆久木田 和志(小倉工=2年/内野手)
 昨夏、1年生ながら4番に抜擢され、全試合で安打を放つなど8強進出に貢献しました。昨秋もパート決勝(対鞍手)で2安打、準々決勝(対九産大九産)で3安打を放つなど重要な試合で活躍し、チームをベスト4に導きました。力強いスイングで、センタ―中心にはじき返します。観戦した試合でまだ本塁打はありませんが、右方向にも大きな当たりを飛ばします。昨夏以降、観戦した6試合で19打数9安打と高い打率を誇り、強打・小倉工打線の不動の4番です。

◆江藤 那央(東筑=3年/外野手)
 昨春センバツ後、4番に定着し、昨春九州大会は3試合で14打数7安打6打点の大活躍。続く招待野球でも広陵(広島)の本格派・森投手(現大商大)から2安打を放っており、昨秋観戦した4回戦の嘉穂戦でもきっちり2安打1打点。思い切りのよいスイングで大きな当たりを打てる打者ですが、変化球や外角球は強引に引っ張ることはせず右方向に弾き返す柔軟性が、高打率を生んでいると感じます。

◆常軒 海里(小倉工=2年/内野手)
 昨秋は1年生ながら久木田選手とともにレギュラーとして抜擢され、主に3番で活躍。この選手も特に体が大きいわけではありませんがミート力に優れ、センターから右方向に鋭い当たりを飛ばします。昨秋パート決勝の鞍手戦では好左腕・白坂から決勝本塁打を放つなど、勝負強さも併せ持ちます。今春は1番打者として起用されましたが、観戦した2試合では9打数1安打と調子は今一つ。それでも好機に打席に立てば、警戒したい打者です。

◆武内 未来(真颯館=3年/投手)
 140キロ超の直球を投げるエースとしてマウンドを守る一方、打っても4番に座り打線の中軸を担います。昨秋から今春にかけて観戦した4試合で13打数8安打1打点。本塁打こそありませんが、左右にうまく打ち分けるバットコントロールで安打を量産、特に右方向へ逆らわずにうまく打ち返します。真颯館には強打者が並びますが、その中でも確実性という点では一番信頼できる打者ではないでしょうか。

◆石橋 敬太郎(小倉=3年/内野手)
 1年の夏から5番に座り、一昨年秋はベスト4、昨春は優勝したチームをけん引しました。北福岡大会でベスト4だった昨夏は12打数8安打7打点と活躍。体は特別大きいわけではありませんが、外野の間を抜く長打力があります。引っ張るだけでなく右方向にもしっかりとためて打てる技術もあり、勝負強さも光る好打者です。

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【左打者】
◆徳永 勇斗(飯塚=3年/補手)
 北部を代表する右のスラッガーが九州国際大付の葛城選手なら、左打者ではこの選手でしょう
。昨夏準決勝では小倉の河浦投手から右翼席に高々と上がる本塁打を打ち込みました。春季大会4回戦の北筑戦、春の福岡中央地区大会決勝の嘉穂東戦でも北九州市民球場の右翼席中段まで運ぶなど、その飛距離は県下屈指。ボールの下を強く叩き、滞空時間の長いアーチを描く一発が今夏は何本見られるでしょうか。その豪快な打棒に注目が集まります。

◆和久田 秀馬(東筑=3年/内野手)
 1年生秋から3番に定着。九州大会ベスト4、昨春のセンバツ出場に貢献しました。182センチの長身で、しっかりと腰の据わったスイングからセンター方向を中心に大きな当たりを放ちます。昨春センバツの聖光学院(福島)戦では2安打1打点と、大舞台での実績も十分。2年ぶりの夏制覇に向けて、4番の江藤選手と共に強力打線の看板を背負います。

◆中川 優太(九州国際大付=3年/内野手)
 上背はそこまでありませんが、がっしりとした体格で、右打者が多い九州国際大付にあって貴重な左の強打者です。右方面に引っ張る当たりが中心で、芯で捕らえた時の打球のスピードは別格。やや打撃に粗さはありますが、打席に立った時に存在感を感じさせる打者です。選手層の厚いチームがゆえにスタメン出場を約束された立場ではありませんが、代打の切り札的な存在としても活躍が期待されます。

◆古谷 和也(嘉穂東=2年/内野手)
 足で印象に残ったのがこの選手。福岡中央地区大会決勝の飯塚戦、走者一塁の場面でセカンド正面への強いゴロ、完全に併殺と思われた当たりで一塁セーフとなったシーンには驚かされました。緩い当たりの内野ゴロで俊足を生かして出塁し、盗塁でチャンスメイクできる走力は魅力。小柄でまだ打撃には非力さを感じますが、この足は相手にとって脅威となりそうです。

 


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