今夏の注目選手たち②(投手編・南部)




 「今夏の注目選手」シリーズの2回目は南部の投手編になります。前チームからマウンド経験ある投手が多いせいか、今年の南部には好素材が目立ちます。ここでは右投手9人、左投手7人をピックアップしました。

【右投手】
◆西舘 昴汰(筑陽学園=3年)
 長身から投げ下ろす伸びのある直球のほか、落差のあるカットボール、縦に落ちるスライダー、90キロ台のカーブなどを織り交ぜながら、変幻自在な投球を見せます。直球は140キロを超えますが、三振の山を築くタイプというよりは多彩な変化球で内野ゴロを打たせてとるのが持ち味。昨秋の九州大会準々決勝・興南戦では延長13回を無失点で投げ抜くなど完投能力もありますが、どちらかというと勝負処でのリリーフが多く、センバツでは2回戦、準々決勝といずれも救援としてマウンドに立ちました。制球を乱す場面もほとんどなく、今夏もここぞという場面でマウンドに上がりそうです。

◆西 雄大(筑陽学園=3年)
 昨夏も主戦として南福岡大会ベスト8入りに貢献するなど、マウンド経験は豊富。秋からはエースナンバーを背負い、センバツ出場の原動力となりました。130キロ超の直球に縦に落ちるスライダーにツーシームを交え、低めを突いて打たせて取る投球を見せます。センバツでは3試合に先発、初戦の福知山成美(京都)戦では被安打8、無四球で2点に抑えて完投するなど、その実力が全国区でも通用することを示しました。2回戦の山梨学院戦、準々決勝の東邦戦では走者を背負う厳しい場面で粘りのある投球が出来た経験も、夏に生きそうです。

◆江崎 陸(西日本短大附=3年)
 今春九州大会の優勝投手です。九州大会ではセンバツ出場の日章学園、明豊を連続完封。準決勝の熊本西戦ではリリーフに立ち追撃を断つと、決勝の興南戦も1失点完投。29回3分の1を投げて自責点1という素晴らしい結果を残しました。直球のスピードは130キロ台前半ですが、スライダー、カーブを使って緩急をつけて打たせて取ります。走者を背負ってからの粘りもあり、興南戦では12安打を浴びながら1失点。春の福岡大会準々決勝の九州国際大付戦でも11安打を許しましたが1点に抑えるなど、失点の少なさが特徴です。特別速い球を投げるわけでも、目を見張るような変化球があるわけでもありませんが、その投球術に注目したい投手です。

◆山下 大輔(西日本短大附=3年)
 春は故障のため登板の機会がありませんでしたが、主戦として活躍した昨秋はベスト8入りに貢献。130キロ台後半の直球に加え、切れ味鋭いスライダーは三振を取れるウィニングショット。敗れはしましたが、昨秋準々決勝の九州国際大付戦では被安打6・失点2で無四球完投しています。筑陽学園の西・西舘・菅井の投手陣も強力ですが、山下投手が復帰した西日本短大附も江崎投手との二枚看板は県内屈指の投手力となりそうです。

◆坂本 陽輝(福工大城東=3年)
 テイクバックをほとんど取らないフォームから投げ込む直球は110キロ台後半と力で押すタイプではありませんが、100キロ台のチェンジアップ、スライダーなど緩急をうまく使って打たせて取ります。直球と変化球の球速差があまりないことを生かし、手元で微妙に変化させる球で打者のタイミングをわずかに外しているようにも見えます。失点が少ない投手ですが後半にリリーフを仰ぐケースも多く、終盤のスタミナが一つ課題かもしれません。

 

◆坂元 創(春日=3年)
 
185センチの長身から投げ下ろす大型右腕です。観戦したのは昨夏2回戦(筑紫台戦)ですが、直球は最速140キロを計測、スライダーの切れもあり、7回を5安打無失点に抑えるなど、2年生ながら堂々たる投球で将来性を感じさせる内容でした。この春は観戦の機会がありませんでしたが、筑紫台戦では本塁打を放つなど打者としても魅力のある選手で、投打ともに1年経ってどこまで成長しているか楽しみです。

◆山下舜平大(福岡大大濠=2年)
 やや細身ですが長身から130キロ台半ばの直球を投げ込み、縦に落ちてくるスライダーを使って緩急をつけてきます。細かなコントロールにまだ粗さが残りますが、2年生の春の段階で140キロに迫る球威があり、スケールの大きさを感じさせます。今春の福岡大会準決勝の真颯館戦ではリリーフとして登板し無失点。九州大会でも2回戦の球磨工戦で8回1失点と好投するなど大舞台も経験しています。安定して低めに制球できるようになってくると楽しみな投手です。


◆中村 陸人(東福岡=3年)
 昨秋も躍動感溢れるフォームから回転のよい直球を投げていましたが
、ひと冬越して体がひと回り大きくなった今春は、力強さが出てきました。テイクバックを大きめに取って力のある直球を投げ込み、抜くように投げるチェンジアップも効果的です。春の福岡地区大会では福工大城東を完封(7回)するなど準優勝の原動力となりました。ただ、観戦した試合では直球が高めに抜ける場面も散見されました。低めにどれだけ球を集められるかが、好投のポイントとなりそうです。

◆恵良 俊介(博多=3年)
 投手らしいバランスのとれた体格で、躍動感のあるフォームから伸びのある直球を投げる本格派タイプです。スライダーにも切れがあり、落差のあるチェンジアップも低めに決まると三振が取れます。春季大会は、秋8強の九産大九産を破るなどパート決勝まで進出しました。観戦した試合は連投のマウンドということもあってか、四死球が目立ちました。本来の調子の時、どんな投球を見せてくれるか注目です。

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【左投手】
◆高木 琉雅(福岡第一=3年)
 昨秋までは120キロ台後半の直球よりも、むしろ大きなカーブ
が印象的な投手でしたが、ひと冬越して直球が130キロ台半ばまで伸びてキレもでてきました。この直球を低めいっぱいに決め、ブレーキの利いたスライダーでも三振が取れるようになりました。春季大会初戦の久留米商戦では初回から打者8人に対して7奪三振と、スライダーが冴えわたりました。ピンチには狙って三振を取れる投手ですが、観戦した試合ではやや四死球が多く、どこまでこうした四死球を減らせるかが課題となりそうです。

◆深浦 幹也(福岡大大濠=2年)
 1年生だった昨夏から主戦としてマウンドに上がり、南福岡大会4強進出に貢献。今年も福岡大大濠の投手陣の中心はこの投手になりそうです。低めの厳しいところに決めてくる130キロ台中盤の力のある直球が持ち味で、スライダーを交えながら打ち取っていきます。序盤、制球が定まらないこともありますが、尻上がりに調子を上げてくるタイプ。打力もあるため外野を守ることも多いのですが、経験と力量ではエース格と言える存在です。

◆田代 昌椰(博多工=3年)
 春季大会ベスト4進出で一躍注目を集めました。準々決勝では強打の小倉工を相手に1失点で完投。準決勝では西日本短大附を5安打1点に抑えました。直球のスピードは120キロ台半ばですが、90キロ台のカーブやフォークなど交えながら、緩急をつけて際どくコースを突いてきます。特にカーブは落差もあり、ウイニングショットとしても効果的。力みのないスリークォーター気味のフォームから淡々と投げ込み、ピンチにも落ち着いたマウンドさばきが光ります。


◆丸林 塁(筑紫台=3年)

 昨夏から主戦としてマウンドに立ちます。秋はパート決勝まで進出、春の福岡地区大会では優勝の原動力となりました。投手としては小柄ですが、120キロ後半の直球が外角低めによく制球され、スライダーやチェンジアップを効果的に使って打たせて取る投球を見せます。制球力も高く、安定感があります。

◆轡水 俊理(福岡=3年) 前チームから主戦としてマウンドに上がります。昨春ベスト8を経験し、招待野球では東海大相模を相手に好投。細身の左腕ですが、球の出所が見づらいフォームに加え、大きな軌道で落ちてくるカーブを右打者の膝元、外角低めギリギリに落としてきます。直球で打者の胸元を突くことで、変化球を効果的にしています。けん制も巧みで、走者を出してからも簡単に得点を許しません。昨秋以降は僅差での敗戦が続きますが、打線の援護があれば上位も狙えそうです。


◆古山 巧(九産大九産=3年)

 昨秋のチームベスト8進出に貢献しました。120キロ台中盤の直球にスライダー、カーブを低めに集めます。敗れはしたものの準々決勝の小倉工戦では変化球が低めによく決まって10奪三振。8回まで得点を与えませんでした。今年に入ってから結果を残せていませんが、上位進出の力のある投手です。

 

◆花田 夢海(大牟田=2年)
 スリークォーター気味のフォームから、切れのある直球を右打者の膝元いっぱいに投げ込みます。スライダーも低めによく制球され、春季大会4回戦の博多戦では先発して9回途中までに11奪三振を奪う力投を見せました。2年生ということで今後が楽しみな投手です。

 


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