【観戦記】東筑5-2希望が丘(春季大会準決勝)




終盤まで息詰まる投手戦が続いたが、延長タイブレークの末に東筑が希望が丘を振り切って決勝進出を決めた。

延長タイブレークの10回、東筑は先頭の高橋が二ゴロ併殺打(4-6-3)に倒れ二死三塁となったが、深町が左越え二塁打を放ってまず1点。続く筋田の中前打で深町も生還した。さらに筋田が二盗を決め平山の左前打でホームを踏み、この回3点を勝ち越して逃げ切った。

10回表 東筑 二死三塁 深町が左越えに決勝の適時二塁打を放つ

両校無得点で迎えた8回、東筑は一死から高橋中前打、深町四球で一死一、二塁とし、筋田の中前打で高橋が還って均衡を破った。なおも一死一、二塁から平山は一邪飛に倒れたが、梶原の左前打で深町を迎え入れ、この回2点を先制した。

希望が丘もすぐにその裏に反撃。一死後、松本が三ゴロ失(一塁高投)で出塁すると白川が四球を選び一死一、二塁とし、仲がレフト右へ二塁打を放ち1点を返した。なおも一死二、三塁から百束の一ゴロで本塁送球が間に合わず同点とした。しかし10回表に3点を勝ち越されると、その裏は東筑の3番手・深町の前に3者凡退に終わり、追撃できなかった。

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第158回九州地区高校野球福岡大会 準決勝
(2026年4月5日・日/北九州市民球場)
チ    一二三四五六七八九十  計HE 球犠振盗残
東  筑 0000000203 583 40917
希望が丘 0000000200 240 31608
(延長10回タイブレーク)
 東  筑 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7  8 9 10
(左投)深町③ 411 三振  左飛  三振     四球  左2
(遊)筋 田③ 522 二直  三振    中飛   中安  中安
(捕)平 山③ 411 死球    中飛  三ゴ   一邪  左安
(指左)梶原③ 511   左飛  左飛  左飛   左安  中飛
(三)河 野② 410   中飛  中安    中飛 中飛
三 橋 元③ 000

(一)五十嵐③ 410   中安  三振    二ゴ   三振
(右中)中谷③ 300   四球    左飛  三振   三振
(中)佐藤太③ 100   三振    四球
打中 谷本➁ 100                三振
打 相 場③ 100                  三飛
右 三 嶋③ 000                

(二)高 橋② 410     一ゴ  三ゴ     中安  二併
投手    回 安球振責  球数
梶原  4.1 2320 61
加納➁ 4.2 2140 63
深町  1  0000 13
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 希望が丘 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
(中)松 本③ 520 中安  中安  三振    三失  投ゴ
(右)白 川③ 300 投ギ  遊ゴ    二ゴ  四球  三ゴ
(二) 仲 ③ 421 中飛    三振  左安  左2
(捕)百 束③ 301 三振    四球  投ゴ  一ゴ
(遊)月 川 400   二ゴ  一ゴ  三振  遊ゴ
(指)友 原③ 300   一邪  四球    三振  遊ゴ

(一)三 苫③ 400   遊失  二ゴ    三振  二ゴ
(左)佐 藤② 400   投ゴ    右飛  右直  中飛
(三)石 井② 400     遊ゴ  一飛    遊直  中飛
投手   回 安球振責  球数
渡邊③    10 8472  149
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▼試合時間/9:56~11:55 ※公式記録ではありません。
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ、打撃成績の下線は打点あり

 

投手陣の層の厚さで、東筑が希望が丘に〝投げ勝った〟一戦だった。

東筑・梶原

東筑は3日前の準々決勝で132球を投げて完投したエース深町をレフトに回し、左腕の梶原を先発のマウンドに送り込んだ。最近は4番左翼での出場が多い梶原だが、昨年のこの大会では準々決勝、準決勝と先発するなど実績十分の投手だ。130キロ前後(この日最速133キロ)の直球を外角低めに集め、カットボール、スライダー、カーブなどで緩急をつけて的を絞らせなかった。1、3回と得点圏に走者を背負ったが得点を許さず、5回先頭打者を打ち取ったところで降板。余力はまだ十分だと感じられたが予定の交代だったのだろう。被安打2、与四球2と危なげのない内容だった。

東筑・加納

2番手の加納も昨秋に登板を経験している2年生右腕だ。秋は130キロを少し超える程度だった球速は、平均で130キロなかば(同138キロ)までアップ。スライダーでテンポよくストライクが取れるのも強みで、5回一死から7回まで打者9人に対し許した走者は1人だけ。4つの三振を奪い、希望が丘打線に付け入る隙を与えなかった。

希望が丘は準々決勝に続いてエース渡邊が先発。130キロ台後半(同142キロ)の伸びのある直球に対して東筑の各打者は差し込まれたフライアウトが目立ち、7回まで三振を除く15のアウトのうち9つが外野飛球。直球が走っているぶんスライダーも効果的で、この球でも三振を奪った。

希望が丘・渡邊

7回まで被安打2、二塁に走者を背負ったのは一度だけ。結果だけ見るとほぼ完ぺきに抑え込んではいるが、捕手の百束がこまめにマウンドに足を運ぶなどかなり東筑の強打を警戒している様子も見られた。外野守備も深く、そのぶん外野手の前に落とされるリスクは高くなるが、6回にはセンター前に落ちようかという飛球を松本がダイビングキャッチで防ぐなど好守で渡邊を支えた。

盤石の継投をみせる東筑に対し一人で投げ続けてきた渡邊だったが、球数が100球を超えた8回につかまる。一死一、二塁から筋田に甘く入ったスライダーをセンター前に運ばれ、梶原にも136キロの直球をレフト左に流し打たれ2点目。これで勝負あったかと思われた。

ところがその裏、一死から松本が三ゴロ悪送球で一塁に生きると、白川が0-2から四球を選んでチャンスを広げ、左の好打者・仲が135キロの直球を左中間に流し打って1点差に迫る。さらに二、三塁から百束の一ゴロで三塁から白川が本塁突入。一塁五十嵐は一瞬ボールをこぼし、すぐに拾って本塁送球したが間に合わず同点となった。9回は両投手が三者凡退に打ち取り、試合は延長タイブレークにもつれこんだ。

8回裏 希望が丘 一死一、二塁 仲がレフト右へ適時二塁打を放つ

10回表、東筑は先頭の高橋がバントの構えから一転、強打に転じたがこれがセカンド正面のゴロとなり4-6-3の併殺。わずか1球で二死三塁となった。ここを無失点で切り抜ければ希望が丘の勝利が近づくところだったが、球数が140球を超えた渡邊に東筑の上位打線を抑える力が残っていなかった。深町に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、筋田にもセンター前にはじき返される。2点差ならワンチャンスで追いつける点差だったが、二盗を許したあと平山にも左前に痛打されて5-2。これで勝負あった。

東筑・深町

その裏、東筑は万全を期してエース深町をマウンドに上げる。3点差となって強攻するより手立てのなくなった希望が丘は深町の140キロ超(同142キロ)の直球、スライダーの前に三者凡退。エース級の投手3人をつぎ込んだ東筑が、投手力で希望が丘を押し切った。

希望が丘にも左の鮎川、右の弓削などの投手が控えていたが、この試合はエースに託すと決めていたのだろう、ブルペンに入ることはなかった。それだけに希望が丘としては9回までに決着をつけたかったが、東筑の誇る重厚な投手陣を打ち崩せなかった。得点は入らない中でも一つコースを間違うと長打が出そうな気配が東筑打線にはあり、その重圧を一人で受け続けた渡邊が終盤力尽きる形となった。

【直近の東筑戦 観戦記】
東筑3-1城南(2026年4月2日/第158回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝)
東筑9-1古賀竟成館(2025年9月26日/第157回九州地区高校野球福岡大会 4回戦)
東筑10-2祐誠(2025年4月4日/第156回九州地区高校野球福岡大会 準決勝)

【直近の希望が丘戦 観戦記】
希望が丘9-2小倉東(2026年4月3月30日/第158回九州地区高校野球福岡大会 パート決勝)
希望が丘7-0八幡(2026年3月20日/第158回九州地区高校野球福岡大会 2回戦)
希望が丘10-1嘉穂東(2025年5月4日/第12回福岡中央地区高校野球大会 準決勝)

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