
第106回全国高校野球選手権大会に出場している福岡県代表の西日本短大附は、17日(土)の第二試合で京都国際(京都)との3回戦にのぞみます。
京都国際は京都朝鮮中学を前身とし、京都韓国学園を経て2004年京都国際に改称、一般学生の受け入れを始めました。2021年センバツで甲子園初出場・初勝利をあげると、同年夏はベスト4まで進出。2021年春以降の8季で5度の甲子園出場を果たすなど、京都屈指の強豪校に成長しました。今年のチームはセンバツを経験し、夏の京都大会では準々決勝以降の3試合でいずれも2桁得点をあげるなど、圧倒的な力の差を見せて優勝しました。
投手陣は中崎、西村と2人の左腕が軸。中崎投手は初戦の札幌日大戦は被安打12の3失点ながら、12三振を奪って完投。キレのある130キロ台なかばの直球、スライダーが低めに決まると簡単に打てそうにありません。ただ初戦は高めに抜ける球も散見され、こうした甘い球を確実に捕らえていきたいところ。2年生の西村投手は新潟産大付を3安打完封。130キロ台後半の直球に110キロ台のチェンジアップを交え、タイミングを外してきます。
打線は初戦が13安打、2回戦も11安打とよく当たっています。地方大会も含めたここまでのチーム打率は.356と西日本短大附と遜色ありません。ほぼレギュラー9人で戦ってきており、その全員が打率3割超。上位から下位までスキのない打線になっています。ただ盗塁数は少なく、走者が出るとバントで送ってくるチーム。守りづらさはなさそうです。
一方の西日本短大附打線も2回戦の菰野戦で12安打を放ち、9番以外にヒットが出るなど好調を維持。菰野戦では救援した左腕の栄田投手から3点を奪ったことも、京都国際戦に向けて弾みになりました。好左腕2人が相手だけに正攻法だけでは得点は多く望めそうになく、この試合も足をからめた攻撃がカギを握りそうです。継投も想定されるため、序盤に先制して主導権を握りたいところです。
この試合は西短ОBで西村監督と同期の新庄剛志・日本ハム監督が観戦することも公表されており、選手たちのモチベーションはいやがうえにも上がるはずです。余談ながら、試合終了後の校歌斉唱のあと選手たちが相手ベンチに向かって一礼する姿もSNSでは好感を持たれ始めています。西日本短大附は1、2回戦はどちらかというと敵役でしたが、今回は応援される側にまわる可能性も十分です。
強敵相手ですがチーム状態は申し分なく、2試合を経験して甲子園の雰囲気にも慣れ、グラウンド外でも追い風を感じるこの試合。勝敗は別にして西日本短大附の選手たちは、この夏最高のパフォーマンスを見せてくれると思います。
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