8日にセンバツ21世紀枠の九州地区推薦校が決定へ




第96回選抜高校野球大会(2024年3月18日~)21世紀枠の各地区推薦校の発表が8日(金)に迫りました。九州各県の推薦校は以下の通りとなっており、この中から九州地区推薦校が1校選ばれます。

県名 チーム名 今秋の県大会成績 過去の全国大会出場
福岡 春日 ベスト4 なし
佐賀 神埼 ベスト4 春1回/夏1回
長崎 対馬・上対馬・壱岐商 ベスト8 なし
熊本 必由館 ベスト4 夏1回
大分 別府翔青 ベスト4 春1回/夏1回*
宮崎 日南 ベスト16 春2回/夏2回
鹿児島 鶴丸 ベスト4 春1回*
沖縄 宜野座 ベスト4 春2回/夏1回

*別府翔青(別府羽室台、別府商、別府青山が統合)は春=別府羽室台、夏=別府商として全国大会に出場/鶴丸は旧制「鹿児島一中」として全国大会に出場

これまで九州地区推薦校には過去23回のうち21回までが「秋の九州大会に出場した公立校」が選ばれています(センバツ21世紀枠推薦校一覧)。今年は「秋の九州大会に出場した公立校」が各県推薦校のなかに見当たりません。それでも九州地区の推薦校はある程度パターン化されていて、例えば秋の九州大会で決勝進出を果たした県からは選ばれたことがありません。今年の決勝は熊本国府と明豊(大分)の間で争われましたので、必由館と別府翔青は厳しそうです。

宜野座は本制度が始まった2000年に九州地区推薦を経て本大会への推薦を受けており、2回目は考えにくいところ。日南は、昨年同じ宮崎の高鍋が九州地区推薦校に選出されたばかりで、春夏あわせて4回の甲子園出場もあります。神埼はこの数年、部員減少による単独出場が危ぶまれるなかでの県ベスト4が推薦理由ですが、少数部員の観点であれば長崎の3校連合チームの方がインパクトがありそうです。

その対馬・上対馬・壱岐商の3校連合は「離島」と「少人数」という2つの困難を克服して県ベスト8に進出、有力な一校となりそうです。これまで春夏通じて連合チームの甲子園出場はなく、話題性も十分。長崎県から21世紀枠でのセンバツ出場はなく、地域性でも分がありそうです。

鶴丸の推薦理由は「練習時間やグラウンドの使用に制約がある中で工夫を凝らした練習を行っていること」と特筆するものではありませんが、例年東大や京大など難関国立大学に複数の合格者を出す九州屈指の進学校が、秋の鹿児島大会で鹿児島商、鹿児島実と古豪を連破したインパクトは大きなものがあります。準決勝のれいめい戦も1点差の敗戦で、実力は十分に証明されています。センバツ出場となれば旧制鹿児島一中時代の1925(大正14年)以来99年ぶりで、話題性もあります。

春日・久保田

上記2校が有力と思われますが、福岡県推薦校の春日には昨夏、ベスト16まで進出しながら新型コロナの集団感染で5回戦を辞退した悔しい出来事があります。その前の4回戦では複数の体調不良が出てエース飯田ら主力を欠きながら、シード真颯館に総力戦で勝利。この試合で登板した久保田、前田の両投手が今秋は主戦として活躍し、福岡大会ベスト4進出を果たしました。

春日・前田

新型コロナという理不尽な存在に振り回されながら、その無念を乗り越えて九州大会まであと一歩に迫った戦いぶりは、新型コロナで戦いの場を奪われた全国の球児にも勇気を与えるものではないでしょうか。進学校でありながら130校前後が参加する福岡大会で柳川、九産大九州など甲子園実績校を破ってベスト4まで進出し飯塚と互角の試合を演じたことは、高く評価されてよいと思います。

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1 Comment

  1. 近年、コロナやインフルエンザなどさまざまな状況を乗り越え、ベスト16以上の成績を残し、名将八塚監督と共に、世代が変わろうと、甲子園を目指す球児の努力に惜しみ無く、21世紀枠に当たるのではなかろか。

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