【観戦記】沖学園9-2福島(選手権大会2回戦)




◇沖学園9-2福島(選手権大会2回戦)

先制を許した沖学園が中盤以降に底力を発揮、逆転で福島を下して3回戦進出を決めた。

▼2回戦(6日・小郡)〔試合記録
沖学園 000 113 031=9
福島  200 000 000=2

【沖】黒鳥→坂田→川畑【福】緒方→池野→緒方

2点を追う沖学園は4回、2番岸本が中前打で出ると照屋の一ゴロで二進。続く内藤の捕手前ゴロが一塁悪送球を招き、二塁から岸本が生還した。5回は二死から8番山崎が三塁前セーフティバントを決めて出塁すると二盗を決めて二死二塁。北西四球のあと、1番北岡の左中間二塁打で同点とした。

6回は一死後、内藤が右前打。続く黒鳥の時にヒットエンドラン、これが右中間を破る三塁打となって勝ち越し。さらに栗林四球と二盗で一死二、三塁とし7番橋本の三ゴロ失で黒鳥が生還。なおも一死一、二塁から山崎のセーフティバントは捕邪飛となったが、北西の中前打で栗林がホームを踏み、この回3点を奪った。

6回表沖学園二死一、二塁 北西が中前適時打を放つ

8回は一死から四球で出た山崎が二盗を決め、北西中飛、北岡四球で二死一、二塁から、岸本の中前適時打と照屋の右中間三塁打で3点を追加。9回には代打時里が中前打で出ると二盗を決め、続く代打松田が右前打。時里は三塁で一旦止まったが、ライトからの本塁送球が乱れる間にホームを突いて9-2とリードを広げた。

福島は初回、大塚四球、大津死球で無死一、二塁とし、緒方は右邪飛に倒れたが、4番酒井(隆)の中前打で大塚が生還。なおも一死一、三塁から紫原の右犠飛で大津も還り、この回2点を先制した。しかし3回二死一、二塁の追加点のチャンスを逃すと、4回以降は黒鳥、坂田、川畑の継投の前に無安打に抑えられた。7回に四球と打撃妨害の走者を出して二死一、二塁と好機をつくったものの3番緒方が右飛に倒れ、反撃できなかった。

———————————

沖学園・黒鳥

沖学園先発・黒鳥はテイクバックをほとんどとらないフォームから直球に縦のスライダーを交える右腕。立ち上がりは力みが乱れて直球が浮き、連続四死球のあとタイムリーと犠牲フライを許して2点を先制された。しかしスライダーを投球に軸に据えて徐々に立ち直り、毎回走者を出しながらも要所を抑えて味方の反撃を待った。

福島の先発・右スリークォーターの緒方も直球にカウントをとるスライダ―、さらに右打者の外に逃げていくスライダーを交える好投手。初回を三者凡退に抑えると2回3回と無死二塁のピンチを招きながら無失点に抑え、序盤の流れは福島にあった。

福島・緒方

しかし4回一死二塁で内藤のボテボテの捕手前のゴロで、松崎の一塁送球がセカンド側に逸れる間に沖学園に1点が入り、これを機に流れが変わり始めた。5回二死から8番山崎が三塁前に絶妙のセーフティバントを決めて出塁。山崎は2回も中前打で出ると二盗を決めており、ここも走る構えを見せて投手をけん制する。緒方も再三牽制球を送って警戒するが、その警戒の網をくぐって山崎が二盗を決め、集中力を削がれたが緒方は北西をストレートで歩かせ、北岡には左中間に同点打を許した。

同点となってからも沖学園の足を使った攻撃が冴えた。6回一死一塁から今度はヒットエンド・ランを仕掛け、これが見事にはまり右方向にはじき返した黒鳥の打球が右中間を割って勝ち越し。さらに栗林が四球で出ると二盗を決めて一死二、三塁とし、橋本は高いバウンドの三塁ゴロ。黒鳥は迷わず本塁突入、これを見たサード紫原は送球を焦ったかボールをこぼしてしまい(記録は失策)リードを広げた。

山崎は8回も四球で出ると二盗を決めて岸本の右前打で生還するなど出塁した4度で全て二盗を成功させ、バッテリーを揺さぶった。9回は代打時里(2年)が中前打で出ると二盗、続く松田の右前打に失策がからんで生還。この試合、沖学園は6つの二盗を成功させ、そのうち4人が生還するなど、二盗の効果が存分に生きた試合となった。

沖学園・坂田

先発の黒鳥は6回一死をとったところで足がつり降板。ここで登板した2年生の坂田も落差のある縦のスライダーを武器とする右腕で、力んで直球がワンバウンドする場面が散見されたものの、8回まで2四球を与えたのみで福島打線につけ入る隙を与えなかった。9回は1年生の川畑をマウンドに送りこむ余裕も見せた。

福島の緒方も粘り強く投げたが、足を絡めた沖学園の攻撃や味方の失策も重なって徐々に疲労の色が見え始め、終盤は球が甘くなったところを痛打された。打線は黒鳥、坂田の直球に押し込まれた凡飛が目立ち、力負けの印象。それでも3回7回と果敢に盗塁を仕掛けて得点をうかがい、ファーストストライクから積極的にスイングをかけるなど、自分たちのスタンスを最後まで貫いた。

1回裏福島一死一、三塁 紫原の右犠飛で三塁から大津が生還
Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*