三浦、古賀ら福岡県の高校出身の大学生10人がプロ野球志望届




10月11日(月)のプロ野球ドラフト会議に先立ち、福岡県の高校出身の大学生10人がプロ志望届を提出しています。今の大学4年生たちが高校3年生だった2017年は、春のセンバツに福岡大大濠と東海大福岡が出場していずれもベスト8入り。夏の福岡大会では東筑が決勝で福岡大大濠を破って21年ぶりの甲子園出場を決めた年でした。
当時、ファンを沸かせた球児たちの高校時代を簡単に振り返ってみたいと思います。

 選手名 大学  高校 守備(投/打) 短評
 三浦 銀二 法政大  福大大濠 投(右/右)  完成度の高い右本格派
 古賀 悠斗 中央大  福大大濠 捕(右/右)  強肩強打の大学NO.1捕手
 井上 絢登 福岡大  久留米商 外(右/左)  強振が魅力の左の強打者
 仲田 慶介 福岡大  福大大濠 外(右/両)  俊足巧打のリードオフマン
 瀬井 裕紀 福岡大  西短大附 内(右/左)  小柄ながら光る堅守と巧打
 有田 光輝
福教大  光陵 捕(右/右)  高校時は投手も経験した強肩
 大鶴 悠斗 福教大  東海大福岡 内(右/右)  センバツで4安打
 佐田 健介
九産大  東海大福岡 投(右/右)  182センチの大型右腕
 高比良 駿 近大産業理工学部  北九州市立 投(右/左)  大学で磨きがかかった速球
 薮 怜汰 折尾愛真短大  星琳 外(右/右)  1発の魅力秘める1番打者
三浦(福大大濠出身)

ドラフト上位候補の三浦投手は2年秋の福岡大会で優勝、九州大会でも田浦投手(現ソフトバンク)らのいた秀岳館などを相手に3試合連続完封で決勝に導くと、決勝では東海大福岡・安田投手との投げ合いを制して優勝。明治神宮大会でも明徳義塾を完封するなど全国区の投手として注目されました。
センバツでは引き分け再試合となった2回戦の滋賀学園戦で延長15回を完投。中1日で迎えた再試合でも完投勝利を収め、鉄腕ぶりを発揮しました。夏は決勝で東筑に敗れて春夏連続出場は逃したものの、最速145キロの切れある直球を内角低めギリギリに決め、120キロ台のスライダー、スピードを殺したカーブなどを駆使した変幻自在の投球が際立っていました。制球力も抜群で高い安定感を誇り、当時から県下ナンバーワン投手でした。
法政大学でも1年春から主力として登板し、2021年春までに10勝、防御率2.53の成績を挙げています。福岡大大濠は2016年以降、坂本(DeNA)、濱地(阪神)、山下(オリックス)と3人の投手がプロ入りしており、彼らに続く存在となるか注目されます。

古賀(福大大濠出身)

その三浦投手とバッテリーを組んで明治神宮大会、センバツと全国の舞台を踏んだのが古賀捕手です。早くも1年夏に内野手としてレギュラーを掴むと、2年春には福岡大会準決勝で2打席連続本塁打を放つなど、長距離打者としての素質も開花しました。2年秋からは捕手にコンバートされ、攻守の要としてチームをけん引。明治神宮大会、センバツでは一発を放つなど勝負強さも見せました。夏の甲子園出場はなりませんでしたが、カナダで開催された「WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の代表選手に三浦投手とともに選ばれ、世界の舞台を踏んでいます。
大学では1年春から出場機会を得て、秋には主力に定着。強肩と送球の正確性に対する評価が高く、やはり上位での指名が予想されています。打撃はアベレージヒッターというより一発の魅力を秘めたタイプ。打てる捕手として期待されています。

井上(久留米商出身)

地元の福岡大学からは3人の選手がプロ野球志望届を提出しました。
井上選手は2年秋以降、久留米商の中軸として活躍。豪快なフルスイングが印象的な左打者でした。3年夏は4番に座り29打数10安打(3割4分5厘)。2本の本塁打を放ち11打点を挙げ、チームをベスト4に導きました。九州六大学リーグ戦でも通算7本塁打を放っており、左のスラッガーとして注目されています。今年6月の全日本大学選手権では4番に座り17打数6安打(3割5分3厘)と活躍、ベスト4入りを果たしました。

仲田選手は高校3年春までは控えの外野手でした。三浦、古賀選手と共に出場した春のセンバツでは準々決勝(報徳学園戦)でセンターの西選手がマウンドに上がった関係で先発出場しています。夏は7番センターでレギュラーを掴み、俊足巧打の左打者として福岡大会20打数7安打(3割5分)と活躍しました。大学ではスイッチヒッターに挑戦し、3年秋から主力として出場。今年の春季リーグでは打率3割8分2厘でベストナインにも選出されました。6月の全日本大学選手権では不動の1番打者としてベスト4入りに貢献しています。

仲田(福岡大大濠出身)

瀬井選手の高校時代は西日本短大附の2番セカンド。1番小豆野選手との1、2番コンビで沸かせました。3年春の福岡大会で準優勝し九州大会に出場。夏もベスト4入りを果たしました。出塁した小豆野選手を送りバントや右方向への進塁打で得点圏に進め、横尾・渡辺・橋本という一発のある中軸につなぐ役目を果たしました。小柄で派手さはないものの、チームの勝利に貢献した名脇役という印象でしたが、3年夏の大会では20打数9安打(4割5分)7打点と高打率を残しており、5回戦の星琳ではサヨナラ打を放つなど活躍。大学では守備固めや下位打線での起用が多く、高校時代同様チームを陰で支えています。

福教大からは2人が志望届を提出しました。
有田捕手は光陵2年時の夏は投手として出場。小柄ながら、なかなかのスピードボールを投げる投手でした。初戦で古賀竟成館を完封(5回)し、3回戦でも高木投手(現西武)らのいた真颯館を相手に8回まで3点に抑えていましたが、9回逆転負け。その後は捕手となり、3年の夏は4番捕手として4回戦まで進出しています。大学では2年春季リーグから4番に座り、チームの中心選手となりました。

大鶴選手は東海大福岡3年春に出場したセンバツ3試合で8打数4安打と活躍。準々決勝では今回のドラフト注目選手の一人である大阪桐蔭・徳山投手(早稲田大)から2安打を放っています。夏の福岡大会は控えで出場機会はありませんでしたが、大学では2年の春季リーグから主力として出場してきました。西日本スポーツの記事によると、大鶴選手は独立リーグで、有田捕手も教員を目指しながらも社会人野球や独立リーグでのプレー続行の道を模索するとしています。

その大鶴選手と東海大福岡でチームメイトだったのが佐田投手です。182センチの大型右腕として1年夏の福岡大会決勝(0-4九州国際大付)で1イニングだけでしたが登板。しかし、その後は故障にも泣かされ、2年秋以降は右サイドハンド・安田投手の成長もあって登板機会が減り、センバツでも甲子園のマウンドを踏むことはありませんでした。3年夏はその打力を買われて一塁手として臨んだもののの4回戦敗退。5回を完封した3回戦の高稜戦(12-0)が高校最後の登板となりました。大学でも故障もあり登板の機会は限られましたが、剛腕復活が待たれます。

高比良投手は北九州市立のエースでしたが3年夏の福岡大会は初戦敗退(2-9小倉)。3年間を通して目立った成績は残せませんでした。その投球を直接見る機会もありませんでしたが、大学に入ってから球速も上がり、140キロ台後半を投げる右腕として注目されています。

薮選手は短大に進学したため、これまで紹介してきた選手たちよりも2学年下ということになります。星琳の3年夏は1番ライトとして出場。3回戦で本塁打を放つなど5回戦進出に貢献しました。大学では今年の春季リーグで、九州地区大学野球連盟の北部九州ブロック2部リーグでベストナインに選ばれました。

高校から大学に入り、さらに成長を遂げてきた選手たち。さらに上のステージで活躍するチャンスを掴むのは誰なのか。興味は尽きません。

Pocket
LINEで送る

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*