【観戦記】小倉東5-3鞍手竜徳(選手権大会2回戦)




【観戦記】小倉東5-3鞍手竜徳(選手権大会2回戦)

▼2回戦(6日・光陵GS)   R HE
小倉東 000 400 100=5111
鞍手竜徳000 000 003=3062
【小】小土井(9)
【鞍】藤田(8)→原田(1)
〈三〉友田(小)〈二〉川畑(小)大場晴(鞍)

4回表小倉東無死一、三塁、中村が先制の右前適時打を放つ

中盤以降、試合の主導権を握り続けた小倉東が、鞍手竜徳の猛追を振り切って辛くも逃げ切った。

両校無得点で迎えた4回表、小倉東は2番原田が左前打、続く友田の時にヒットエンド・ランが決まり(左前打)無死一、三塁。ここで4番中村が右前打を放ち先制した。さらに小土井が送って一死二、三塁とし、6番松尾の一塁後方の飛球をファーストが捕れず(記録は失策)、三塁から友田が生還。なおも一死二、三塁から7番岩元の左前打で2者が還り、この回4点を奪った。

6回の一死三塁の好機は逃したが、7回は9番井元が遊ゴロ失で出ると、続く川畑が右越え二塁打を放ち無死二、三塁。原田の浅い中飛で二走が飛び出して併殺となったが二死三塁から、3番友田の一打はファーストミットをはじき、打球が右中間を転々とする三塁打を放って1点を追加、リードを広げた。

8回まで小倉東の先発・小土井の前に2安打に抑えられ、三塁を踏めなかった鞍手竜徳は9回裏に反撃。先頭の3番井上が四球を選ぶと、大場(孝)は中飛に倒れたが、5番原田の右前打で一死一、二塁。ここで6番大場(晴)がセンター左を破る二塁打を放ってまず1点。続く山中は三振で二死二、三塁となったが、8番藤田が中前打を放って原田を迎え入れ2点目。なおも二死一、二塁で途中出場の9番浜田が左前打を放ち大場(晴)も生還、3-5と迫った。しかし続く渡辺(渚)の打球はいい当たりながらセカンド正面のゴロとなり、あと一歩及ばなかった。

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小倉東・小土井

序盤は小倉東の小土井、鞍手竜徳の藤田、両右腕が持ち味を発揮して互角の投手戦を演じた。

小土井は、外角低めの直球に大きなカーブのコンビネーションが冴えた。いずれも低めによくコントロールされ、特にカーブは安定感があった。先頭打者を味方の失策で出してバントで二塁まで送られたが、危なげない立ち上がり。

対する藤田はサイドハンドから外に逃げるスライダーを武器に、フライでアウトを重ねていった。3回は二死二塁から1番川畑にスライダーを中前に運ばれたが、センター渡辺(渚)の好返球で本塁タッチアウト、味方の好守にも救われた。

鞍手竜徳・藤田

試合が動いたのは4回。原田がバットの先っぽながら左前に運ぶと、ヒットエンド・ランで友田が叩きつけた三遊間の当たりは、サードわずかに及ばず一、三塁。続く4番中村が外角球を軽く合わせた打球がファースト左を破る。いずれも快心の当たりではなかったが、しぶとく食らいつく打撃で待望の先制点をもぎとった。
さらに小土井が送り一死二、三塁から松尾は一塁後方に打ち上げたが、ファーストが下がりながら、最後は背中を向ける形で捕球しようとしたが捕れずに(記録は失策)2点目が入る。気落ちした藤田の初球を岩元が詰まりながらも左前に運んで一気に4点を挙げた。

この回は中村の適時打、失策を呼んだ松尾の一打、そして岩元と、犠打を決めた小土井を挟んで3者連続で初球狙い。早いカウントから手を出してきていただけに、鞍手竜徳バッテリーとしてはせめて岩元に対してはボール球から入り、様子を見てもよかったかもしれない。

9回裏鞍手竜徳二死一、三塁、浜田が左前適時打を放ち3点目

援護を受けてから小土井のピッチングはさらにテンポアップ。2回にカーブを右前に落とされるヒットを許してからは、8回まで右前へのポテンヒット1本と四球2つだけで、二塁を踏ませない好投。5回二死一塁ではセンターに抜けようかというあたりをセカンド井元が飛びついて抑え、二塁封殺するなどバックも盛り立てた。
鞍手竜徳打線は小土井のカーブを打ち上げるシーンが目立ち、8回まで外野フライは10個を数えた。小土井の球数も8回まで98球、このまま完封かと思われた9回にひと波乱が待っていた。

この回先頭の井上が粘って四球を選ぶと、一死後、原田が外角球を軽打、ファースト左を破って一、二塁。ここで大場(晴)が初球を叩くと打球はセンター左へ。この試合、始めて芯で捕らえた一打がタイムリーとなった。続く山中は三振に倒れ二死。打順は下位で、反撃もここまでかと思われた。
しかし、8回まで力投を続けた前田が、小土井の足元を抜くタイムリーで続く。さらに途中から守備についた1年生の浜田が、追い込まれながらも直球を左前に運んで2点差に。二死一、二塁。長打が出れば同点という場面を迎え、打順はトップに戻って渡辺。1-1からの一打は芯で捕らえた打球だったがセカンドのほぼ正面。殊勲のタイムリーを放った浜田が二塁で封殺されて力尽きた。

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