【観戦記】小倉工5-2八幡(選手権大会2回戦)




【観戦記】小倉工5-2八幡(選手権大会2回戦)

▼2回戦(6日・光陵GS)   R HE
八 幡 100 001 000=2082
小倉工 001 220 00x=5100
【八】山下(3_2/3)→宇宿(3_1/3)→渡口(1)
【小】笠継(7_1/3)→田中克(2/3)→笹田(1)
〈三〉宇宿(八)〈二〉大和(小)

4回裏小倉工無死一、三塁、柴田が勝ち越しの中前打を放つ

中盤に集中打で逆転に成功した小倉工が、エース笠継の力投で八幡の反撃を封じ、最後は継投で逃げ切った。

1回表八幡二死満塁、吉田の押し出し四球で萩原生還

1点を追う小倉工は3回裏、8番高内が四球で出ると笠継が送って一死二塁。軸屋の投手左へのセーフティバントが送りバントとなり、二死三塁から成重の中前打で追いついた。
4回は四球で出た4番笹田が二盗を決め、松下の左前打で無死一、三塁とし、6番柴田の中前打で勝ち越し。なおも無死一、二塁から大和はスリーバント失敗に終わったが、高内の左前打で一死満塁とし、9番笠継の中犠飛でこの回2点を勝ち越した。
5回には八幡の2番手・宇宿を攻め、一死から笹田が中前打、松下中飛のあと、柴田の左前打で二死一、二塁とし、大和の右中間への飛球をセンターがダイビングキャッチを試みるもわずかに及ばず二塁打、2者が還ってリードを広げた。

先制したのは八幡。初回一死から萩原が中前打、3番高橋も左前打で続き一、二塁。原田三振、池内の三ゴロ失で二死満塁から、6番吉田が押し出しの四球を選び萩原が生還した。4点を追う6回は5番池内が左前に落とし出塁。吉田のバスターは一ゴロ(二塁封殺)に終わり、越智も遊飛に倒れたが、8番宇宿が右越え三塁打を放って1点を返した。
7回は無死から1番大畑が四球を選んだが後続が凡退。9回もこの回から登板した笹田に対し、一死から宇宿が右前に落として出塁したが、及ばなかった。

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小倉工・笠継

小倉工の好投手・笠継を八幡打線がどう攻略するかが、見どころの一つだったが、笠継に軍配が上がった。

序盤は八幡が笠継の決め球であるスライダーをよく見極めていた。初回2安打と敵失で満塁とすると、吉田は追い込まれながらもスライダーに食らいつきファールで粘り、最後は押し出しの四球を選んで先制。2回も大畑が7球粘ったあとに中前打、3回の池内もスライダーを合わせて右前打。4回は大畑が8球を投げさせて四球を選ぶなど、4回までに笠継に86球を投げさせた。
ただ、惜しむらくは追加点が得られなかったこと。3回一死一、二塁の好機も生かせなかった。

笠継は序盤、八幡打線の粘りに苦しんだが2回以降は、時折超スローボールを投じるなど目先を変えながら、追加点を与えず味方の反撃を呼び込んだ。6回に1点を許したものの、8回一死まで8つの三振を奪ってマウンドを譲った。
2番手の右サイドハンド・田中克が8回を抑えると、9回はレフトから笹田がマウンドへ。力強い直球にスライダ―を交え、八幡の反撃を許さなかった。

八幡・山下

打線は序盤、八幡の先発・山下の緩い球にてこずったが、2まわり目以降は上からたたく打撃で単打を重ね、4回に3安打に犠飛などをからめて逆転。2番手の左腕・宇宿からも5回に3安打を集めて突き放した。

八幡・宇宿

八幡の山下は一度体を沈めてから再び体を起こして投げる変則的なフォーム。2回までは外に逃げるスライダーをテンポよく投げ込んで得点を与えなかったが、3回、4回は先頭打者に四球を与えたのが痛かった。コンパクトな振りに徹した小倉工打線につかまり4回途中3失点で降板。
4回二死から登板した2番手の左腕・宇宿は、テイクバックを大きく取るフォームからスライダーを交えての投球。5回は3安打を許して2点を失った。それでも6回の一死二、三塁、7回の一死三塁、8回無死二、三塁と再三のピンチを無失点で抑えたのは見事だった。

小倉工・田中克

 

守備では2つ失策がついたが、ショート大畑を中心によく守った。5回二死一、二塁では右中間に上がり、風に押し戻される飛球をセンターの山内が快足を飛ばしてダイビングキャッチを試みたが、グラブに当てながらもわずかに捕球に至らなかった。

ただ全体的には投打ともに小倉工が上回った印象。再三得点圏に走者を送る小倉工の攻撃を何とかしのいできた八幡だったが、3点のビハインドをひっくり返す余力までは残っていなかった。

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