【観戦記】福岡大大濠11-2東海大福岡(秋季大会決勝)




 福岡大大濠が、東海大福岡の好投手・安田から14安打を放って快勝した。%e5%a4%a7%e6%bf%a011-2%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e5%a4%a7%e7%a6%8f%e5%b2%a1
 福岡大大濠は初回一死後、平野が左前打で出ると、古賀捕邪飛のあと東の右翼線二塁打で生還。続く稲本の右前タイムリーで、2点を先制した。2回は樺島が捕飛失で出ると、三浦の投前バントは二塁封殺されたが、久保田右前打、平野右直のあと、古賀の中前に落ちるタイムリーで1点を追加。3回にも中前打で出た稲本を西が送り、斎藤の中前打で1点を加えた。4回には左中間二塁打で出た久保田を平野が送り、一死三塁から古賀がセンター前に落ちるヒットを放ち、リードを広げた。

 終盤に入っても福岡大大濠は攻撃の手を緩めず、7回東の左前打、稲本の一塁線を破る二塁打のあと、西が左中間二塁打を放ちまず2点。斎藤が送ったあと、樺島の遊ゴロで西が本塁を突いて1点を加え(記録はフィルダースチョイス)、三浦の左中間二塁打で樺島が生還、この回4点を奪って勝負を決めた。9回は2番手・松本から樺島が中前打で出ると、三浦が送り、久保田死球で一死一、二塁。続く平野の三前送りバントが悪送球を誘い(記録は内野安%e5%a4%a7%e6%bf%a0%e3%83%bb%e7%a8%b2%e6%9c%ac%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%93打とエラー)、樺島が生還。さらに古賀四球で一死満塁とし、東の中犠飛でダメ押しとなる2点を加えた。
 1回に一死二、三塁の好機を逃した東海大福岡は2回、橋本が左前打で出塁。中山三振のあと、安田の左前打で一死一、三塁とし、有安が投手足元を抜く中前打を放って1点を返した。
しかし4回二死二塁、5回一死二塁では福岡大大濠の好守に阻まれると、しり上がりに調子を上げた福岡大大濠・三浦の前に11三振を喫し、7回一死から有安の右中間三塁打と大鶴の遊ゴロで1点を返すにとどまった。
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 東海大福岡の安田は三連投だったが、この日も外角への直球とスライダーを軸に丁寧にコーナーを突く投球を見せた。だが、福岡大大濠打線が一枚上だった。%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e5%a4%a7%e7%a6%8f%e5%b2%a1%e3%83%bb%e5%ae%89%e7%94%b03
 初回の東は外角直球を逆らわずにはじき返して右翼線を破ると、稲本もスライダーを引き付けて右前に運んだ。2回は久保田が外角スライダーをうまくためて右前に運びチャンスを作り、3回の稲本、斎藤のヒットはいずれもピッチャー返し。各打者とも外角の球を決して無理に引っ張らず、センターから右へ鋭く打ち返した。そして甘く入ってくると強く叩いて長打にする。厳しいコースを突いて打たせて取るタイプの安田は、こうした打撃をされると苦しくなる。外角のボール球を多%e5%a4%a7%e6%bf%a0%e3%83%bb%e4%b8%89%e6%b5%a64く挟むようになり、球数は6回までに95球に達した。7回はさすがに疲れが見えたか、3本の二塁打を浴びて4失点、この回でマウンドを降りた。
 福岡大大濠は東のほかは特別大柄な選手はいないが、巧さと力強さを兼ね備えた打者が揃っている。走者が出ると、よほどのことがない限り送ってくる攻撃を徹底しており、この日も5つの送りバントを決めた。そして二塁からは、ワンヒットで還ってくる走力もある。派手さはないが、徹底したセンター返し、送りバントと基本に忠実な攻めで得点を重ねていく。
 風も福岡大大濠に味方した。この日はバックネットからセンター方面に強い風が吹いており、2回の樺島の投手前の凡飛に捕手が手を挙げたが、これが投手方面に大きく流されミットに当てて落球。二死一、二塁からの古賀の中飛も平凡な打球に見えたが、今度はバックット方向へ一瞬の強い風が吹いたか、打球が押し戻されるポテンヒット。4回一死三塁での古賀の同じような当たりもセンター前に落ち、東海大福岡にとっては不運な風となった。%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e5%a4%a7%e7%a6%8f%e5%b2%a1%e3%83%bb%e6%9c%89%e5%ae%89%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%93

 福岡大大濠の先発・三浦は5回まで6安打を許し、毎回走者を背負う投球。四球も少なく、直球・スライダーで三振がとれる投手だが、被安打も多いというのがここまでの印象だ。特に追い込んでから打たれるケースも目立つだけに、勝負球に一考の余地がありそうだ。このあたりは新チームからマスクを被る古賀の課題なのかもしれない。
 その三浦を内外野が好守で支えた。1回、4回はライナー性のあたりをライト平野が鋭く前進して最後はダイビングキャッチ。いずれも得点圏に走者がいただけに、合わせて2点を防いだプレーだった。5回には外野に抜けるかというゴロをサード稲本、ファースト東がいずれも飛びついて抑えた。8回にもセンター西がダイビングキャッチを見せ、好守で東海大福岡の追撃の芽を摘んだ。

 東海大福岡%e6%9d%b1%e6%b5%b7%e5%a4%a7%e7%a6%8f%e5%b2%a1%e3%83%bb%e6%9d%be%e6%9c%acは、序盤は互角に打ち合った。先述したように福岡大大濠の好守に阻まれはしたが、一本でも抜けていれば予断を許さない展開になっていただろう。5回までに6安打を放ち毎回のように塁上を賑わせ「4点差でもまだわからない」という雰囲気があった。終盤、安田が力尽きて大量失点したが、点差ほどの力差は感じなかった。
 安田も最後は力尽きたが、三連投の疲れも見せずに我慢強く投げ続けた。2番手・松本は2イニングスで5安打、2四死球。本来であれば、三連戦のどこかで安田を休ませたいところだろうが、安田に代わって先発のマウンドに上がるには制球力、球威ともやや不足しているか。救援陣の整備も課題の一つといえそうだ。




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