【観戦記】小倉工2-1福島(秋季大会準々決勝)




 先発・橋本投手が、走者を許しながらも決定打を与えない粘りの投球を見せ、小倉工が福島に競り勝った。%e5%b0%8f%e5%80%89%e5%b7%a52-1%e7%a6%8f%e5%b3%b6
 両校無得点で迎えた4回裏、ここまで福島先発・秋山に1安打に抑えられてきた小倉工は、この回先頭の4番・江口が右越え本塁打を放って先制。続く一死三塁、5回の二死三塁、6回の二死二塁の好機は2番手・後藤の前に得点できなかったが、7回は米谷が中前打で出ると、山下が送って一死二塁。ここで宇都宮が右前打を放ち貴重な2点目を挙げた。
 初回、2回の二死満塁、6回二死一、二塁、7回二死二、三塁と再三の得点機を逃してきた福島は8回、秋山の中前打、小川の左前打で無死一、二塁。本木は6-4-3の併殺打に倒れたが、途中出場の戸次がライト前にライナーを放ち、これをライトがス%e5%b0%8f%e5%80%89%e5%b7%a5%e3%83%bb%e5%ae%87%e9%83%bd%e5%ae%ae%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%93ライディングキャッチを試みたがわずかに及ばず(記録は二塁打)1点を返した。しかし反撃もここまで。小倉工を上回る10安打を放ちながらあと一本が出ず、13残塁に泣いた。

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 序盤から試合が動きそうで、動かない展開が続いた。福島は初回、2安打と四球で二死満塁としたが、秋山が右飛。2回も四球と連打で再び二死満塁と詰め寄ったが、3番後藤が遊飛でチャンスを逃すと、3回以降は小倉工の先発・橋本が立ち直った。%e5%b0%8f%e5%80%89%e5%b7%a5%e3%83%bb%e6%a9%8b%e6%9c%ac軸足によく力を貯め込んでから放つカーブ、スライダーでポンポンとストライクが取れるようになり、130キロ前半の直球もコーナーに決まるようになった。3~5回に許した走者は四球で出した一人のみ。リズムも出てくるようになり、中盤は試合を支配した。6~8回は得点圏に走者を背負い、8回には1点を失ったが、最後まで集中力を切らさず粘り強く投げ切った。

 福島の先発は背番号11の秋山。無理のないゆったりしたフォームから130キロ前後の直球とカーブを投げ込んでくる右腕。だが初回から直球が高めに%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e3%83%bb%e7%a7%8b%e5%b1%b1浮き、制球に苦しんだ。初回は二つの四球とフィルダースチョイスもあったが、小倉工の盗塁失敗などもあって無得点で切り抜けた。2回も四球の走者を出し、3回は無死から内野安打に悪送球が絡み無死二塁のピンチを迎えたが、レフト宮崎のダイビングキャッチなどにも助けられ、いずれも後続を断った。ただ、3回あたりから芯で捕らえられるようになり、4回先頭の4番江口に125キロの高めの直球をライト場外に運ばれた。
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 さらにこの回一死三塁となったところで、今夏ベスト16の立役者となった後藤がサードのポジションから、マウンドに上がった。このピンチを右サイドハンドからの130キロ超の伸びのある直球で詰まらせ、浅い中飛2つで打ち取ると、6回は三者連続三振。小倉工の各打者は直球の空振りが目立ち、見た目以上に球が伸びているのかもしれない。
 それでも小倉工は、この後藤からも7回に3本のヒットを浴びせて1点を奪った。米谷は中前へのクリーンヒット、宇都宮は変化球をセンター右にはじき返し、1点を挙げた後の武田のヒットも、高めの直球を叩きつけて三遊間を破ったもの。北部大会を打ち勝ってきた打線の片鱗を見せた。盗塁も2つ決め、チャンスがあれば走ってくる機動力もある。

 福島打線は、夏の大会で4番に座っていた宮崎が2番、5番だった後藤が3番、7番だった中島%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e3%83%bb%e6%88%b8%e6%ac%a1%e9%81%a9%e6%99%82%e6%89%93が4番に入る攻撃型布陣。6~8回は無死から走者を出したが、いずれも送らず強攻に出た。特に8回は無死一、二塁、打者8番の場面でも送らせなかった(追記:8番打者はバント2球ファールの末、強攻に出ての併殺)。結局この試合、犠打はゼロ。犠牲バントは考えず、強打で攻めるのが同校のスタンスなのだろう。夏の大会5回戦でも終盤に長打攻勢で3点を奪った攻撃を見せた。ただこの日は、10安打を放ち5つの四球を得ながら1得点という結果に終わり、効率の悪さだけが残る結果となった。
 投手では、改めて後藤投手の直球の伸び、制球のよさ(与四死球1)が印象に残った。ただ、背番号はこの日も「6」。先発完投できる力もあると思われるが打撃・守備もいい選手だけに、野手兼任での起用が続くことになりそうだ。




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